あなたが家を売った時の3000万円控除について解説!税金対策

居住用不動産の場合3000万円の控除がある?

あなたが不動産を売ったときに、買った時よりも高く売れてしまった場合、不動産の売却益が出ますが、一定の条件を満たす場合、「3000万円の特別控除」という特例が適用され税金が掛からなくなる可能性があります。

西 恭平

オーディン都市開発株式会社 代表取締役。関西中古不動産売却センターの運営責任者。日本のみならず、東南アジア・東アジア・インドネシア・中東ドバイ・一部アメリカ圏の不動産マーケットにも精通している。個人向けに不動産投資や節税のセミナーなども行っている。

 

不動産を売っても「特別控除」で税金対策できる?

あなたは、不動産を売ろうとするき税金について考えたことはありますか?

もし、あなたが不動産を売って利益が出た場合、その「売却益」には「譲渡所得税」という税金が課されます。しかし、譲渡所得課税には、「3000万円特別控除」という特例が適用される場合があり、もし仮に適用されれば、不動産を売ったときに得た利益を、そのまま残すこともできるのです。

不動産を売ったら税金がかかる?

何か所得を得たときには税金が掛かりますが、住宅や土地といった不動産の売却時には、税金が掛かる場合があることをご存知でしたでしょうか?

不動産を売却した際に、下記の税金がかかります。

◉売却益が発生したときにかかる税金

そして、この売却益が発生したときに関係があるのは、「3000万円の特別控除」です。

 

一定の要件を満たすことで控除が受けられる。

3000万円の特別控除は、『適用要件を満たすことで3000万円までの譲渡所得税(売却利益)が控除される制度』です。

不動産を売って得た売却利益が、3000万円以下であればその全額すべてが控除され、3000万円以上であれば3000万円までが控除されるという制度になります。

手続きとしては税務署で行います。

3000万円の特別控除を受けるには、確定申告が必要になりますので用意をしておきましょう。

詳しくは、国税庁のホームページにも詳細に記載されておりますので、チェックしてみてください。

 

3000万円特別控除を受けられる要件を知ろう!?

控除を受けられるには、適用される要件がありますので、下記をチェックしてみてくダサい。

まず第一に「居住用」であることが前提です。

適用要件は全部で6つあります。まず売却する物件がマイホームであることが前提になります。

【3000万円特別控除の適用要件は下記の通りです】

1、下記のいずれかを満たすマイホームであること

  • 現在、主に住んでいる自宅であること
  • 転居している場合、転居後3年目の年末までの売却であること
  • かつ土地の売却契約締結が解体から1年以内であり、その土地を貸して(賃貸)いないこと
  • 単身赴任の場合は、配偶者が住んでいる建物であること

2、物件の買主が親族や夫婦間、同族の会社などの特殊な関係でないこと

3、売却した年の前年、前々年に、3000万円の特別控除、又はマイホームの譲渡損失が出た場合の損益通算、及び損失の繰越控除の特例の適用を受けていないこと

4、売った年、その前年、、及び前々年に、マイホームの買い替えや交換の特例を受けていないこと

5、売却した不動産に関して、収用等の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと

6、自然災害によって売却する場合、住まなくなった日から3年後の年の12月31日までに売却すること

控除を受けるためには、上記の6つの項目を全てクリアしている必要があります。

国税庁のホームページも併せて確認して見ると良いでしょう!マイホームの定義は、「租税特別措置法第35条」に記載されています。

 

こんな場合はどうなるの!? 控除の対象になりますか?

マイホームと一言で言っても、相続した不動産だったり、又は建物を取り壊したり、さまざまなケースが考えられます。これらの場合にも、3000万円の特別控除は適用されるのでしょうか!?以下のような場合、一定の要件が満たされていれば適用される場合もあります。

◆不動産を相続した場合
自分が相続人となった「空家」の場合、いくつかの要件を満たせば控除の対象となります。この場合、この場合は、元々不動産を所有していた人が住んでいた家であることが前提条件になります。※一時的に誰かが住んだり、建て替えをおこなったりすと適用されません。

◆建物を取り壊した後に譲渡(売却)した場合

建物を取り壊した後に譲渡した場合も、いくつかの要件を満たせば控除の対象となります。対象の敷地は、青空駐車場や、土地を賃貸などして人に貸してしまうと適用じょがいになるので要注意になります。

詳しく知りたい人は、国税庁のホームページ(マイホームを取り壊した後に敷地を売ったとき)で確認できますので、併せてご確認ください。

◆建物や土地が共有名義だった場合

建物や土地を誰かと共有している場合は、適用されるかどうかは共有者ごとに判断されます。共有者は各々が特例を申請できるため、確定申告も1人ひとりの提出が必要です。共有者それぞれが準備を行いましょう。

◆賃貸併用住宅の場合

住んでいる建物の一部を賃貸として貸し出している場合も、控除の対象となります。但し、この場合は自分が居住のために使用していた居住用の家屋部分につき対象となります。

◆店舗併用の場合

建物一部が店舗になっている場合も、控除の対象となります。賃貸併用住宅の場合も同様ですが、適用とされるのはご自身で居住のために使用していた部分につき対象となります。

逆に言えば、適用とされないケースは下記のような家屋が挙げられます。

・3000万円の特別控除を受けることを目的として入社した不動産

・ご自宅を新築する際に、一時的な住まいとして利用した家屋

・その他に、一時的な目的で入居していた家屋

・趣味や娯楽、又は保養のために所有する家屋

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2022年11月28日更新

「3000万円特別控除の申請期間や必要書類って?」

ご売却をする不動産が適用の条件に当てはまりましたら、手続きの申請を進めていきます。また申請の期間はいつまでなのか?

必要な書類は何があるのか?などご紹介をしていきます。

3000万円特別控除の「申請期間」

適用の条件に当てはまる不動産を売却した翌年の2月16日〜3月15日の間に「確定申告」を申請する必要があります。

※注意:新型コロナ感染症対策などで期間が変更される場合があります。

〈例えば〉令和1年に適用の条件に当てはまる不動産を売却した場合、令和2年2月16日〜3月15日の間に確定申告の手続きを行わなければなりません。

 

実際に申し込みをする場合、いくつかの必要な書類を提出します

ここで注意が必要なのは、譲渡所得税が3000万円以下の場合の申請です。この場合は、3000万円の特別控除が適用されると、掛かってくる税額はなくなり、税金は0円になりましが、確定申告は必須なのです!確定申告をしないと、3000万円特別控除は適用されませんので注意してください。

確定申告について詳しくは、国税庁のホームページ「確定申告に関する手引き等」で確認することができますので、併せて、確定申告に関する説明や、書き方などの手引きも添付されているので、ぜひ一度ご確認して見てください。

 

必要書類は下記になります

「3000万円特別控除」の申し込みの際に必要な書類を確認してみましょう!

必要書類受取り場所
確定申告書・譲渡所得の内訳書本人所有(税務署)
戸籍の附票役所
譲渡した土地・建物の全部事項証明書法務局
売却時の書類の写し本人所有
取得時の書類の写し本人所有
住民票の写しあるいはマイナンバー本人準備

申請の書類は少し複雑になりますし、受け取る場所も異なってきます。不動産の売却するときの書類、取得したときの書類など、一部ご自身で用意をしなければならない書類もあります。

準備をしていても時間の経過とともに分かりにくくなるかも知れませんので、担当の不動産会社さんに相談をしながら進めていけば、書類の漏れもなく揃えられるので、事前にお伝えしておくようにしましょう!

 

他にも節税にお得な控除がある?併用に可能に

実は、他にも節税に役にやつ控除があり、3000万円特別控除との併用も可能です。

併用できる制度の1つに「10年超え所有軽減税率の特例」という制度があります。適用される条件を満たしていれば、さらなる節税の夢も叶います。どのような制度の特例なのか読み進みていきましょう。

「10年超え所有不動産の軽減税率の特例」

不動産を売却した時点で、10年以上所有していたマイホームだった場合、控除が使える制度があります。

10年超所有軽減税率というのは、令和元年の消費税率引き上げに伴って開始された比較的新しい制度になります。特定のものの税率を軽くする制度のことで、10年超え所有軽減税率が適用された場合、「3000万円の特別控除後に譲渡所得の税率」を抑えることができるのです。

軽減税率と言っても中々ピンとくる用語ではありませんので、「消費税の軽減税率制度等に関する資料」にその条文がまとめられていますので、併せてチェックしてみると良いですね。

10年超え所有した不動産の軽減税率では、仮に売却したときの利益が6000万円以上の場合は20.315%となり、6000万円以下の利益だった場合14.21%の税率が設定されます。ここは現実的なお話として、売却したときの利益が1500万円だった場合の計算式を見てみましょう!

【仮例】

売却利益1500万円、所有期間は10年以上の場合は下記の通りです。

売却利益1500万円 ー 3000万円特別控除 = 税金は0円です。

【仮例2】

売却利益4000万円、所有期間は10年以上の場合は以下の通りです。

(売却利益4000万円 ー 3000万円特別控除) × 14.21% = 税額約142.1万円

※3000万円特別控除と同様に、軽減税率の制度も、10年以上所有しているマイホームであることが条件となります。そして併用も可能なのです。

 

注意:住宅ローン控除との併用は不可になります。

マイホームの売却をお考えの人の中には、お家の買い替えを検討している人も多くいることでしょう。

不動産というのは購入する時に、住宅ローン控除が適用される場合がありますが、こちらは3000万円の特別控除とは併用ができないのです。

所有期間10年超えのマイホームを売却するときに3000万円の特別控除と、買い替えで、これから購入するお家の住宅ローンの控除、どちらがお得になるのかは、その時のケースによって変わります。まずはあなたのお家に3000万円の特別控除が適用条件に当てはまっているのか確認をした上で、住宅ローンの控除とが、どちらがお得になるのかを考えてみましょう。

もし、不動産を売って損失が出てしまったときは、「居住用財産の買い替えに係る譲渡損失の損益通算、及び繰越控除の特例」「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算、及び繰越控除の特例」こういった制度により、他の所得から控除したり、損失を繰越したりすることもできますので、いくつかある制度の中で、あなたにとって適したものがどれなのか、依頼している不動産会社に相談をしてみましょう。

万が一、不動産売却で損失が出たときは、「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」「居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」といった制度により、ほかの所得から控除したり繰越したりすることもできます。いくつかある制度の中であなたに適したものがどれなのか、依頼している不動産会社に相談してみましょう。
よりよい資産運用ができるよう、今回の記事を参考にしてみてくださいね!



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