なぜ空家が深刻な問題になっているのか?空家が増える3つの理由
「空き家対策特別措置法」という法律が施行されたことをご存知でしょうか?これは全国で空き家問題が深刻になっていることを受けて、倒壊の危険がある空き家を行政の指示で取り壊させることができるというものです。
ですが、どうしてこれほどまでに空き家が深刻な問題になってきているのでしょうか?
空き家は地方だけの問題ではなく、都市部でも多くなってきているのです。そして今後、更に空き家は増えると予測されています。空き家はどうして増えてきているのか、その理由を3つに分けてご紹介したいと思います。
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空き家はどれだけ増加しているのか?
まずは空き家の現状について把握しておきましょう。総務省統計局の「平成25年住宅・土地統計調査」によると、平成25年10月1日での総住宅数は6,063万戸で、そのうち空き家は13.5%の820万戸にも上ると報告されています。空き家率、空き家数共に過去最高となっています。
5年前である平成20年度と比較すると総住宅数は5.3%の上昇であるにも関わらず、空き家率は8.3%の上昇と、空き家が占める割合が大きくなってきていることがよくわかります。
空き家が増える理由その1|固定資産税対策
土地や建物などの不動産を所持していると、固定資産税が毎年課せられます。ですが、土地に建物が建っている場合、その固定資産税は3分の1か6分の1に減額されるという特例があるのです。ですから使わない建物であっても節税のために取り壊さないというケースが非常に多くなっています。
実はこの特例の元となった法律は、昭和48年に住宅の建設を促進させるために施行されました。この頃の日本には住宅が不足していたので、固定資産税を軽減させることによって住宅を増やそうという目的があったのです。その頃の法律が、住宅が過剰になり空き家が増加した現在でも残っているのです。
空き家を取り壊そうと思うと解体費用がかかり、その上固定資産税が増加するということですから、取り壊されないままの空き家が増えるのも当然でしょう。
前述した「空き家対策特別措置法」によると、生活環境を悪化させる危険性があるとみなされた空き家は、行政の指示で取り壊させることができ、固定資産税の減税対象からも外れることとなります。
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空き家が増える理由その2|少子高齢化
少子高齢化も空き家が増えている原因のひとつです。不動産に住んでいた家主が亡くなってしまったが相続する人がいない場合もありますし、高齢になった家主が老人ホームなどに住むようになり不動産だけが残されたという場合もあります。
また、家主が亡くなった後に相続人がいたとしても、その相続人が自分の家を所持している場合には空き家のままで残しておくことになります。上でご説明した固定資産税が軽減される特例があるので、取り壊そうということにはなかなかなりません。
そして売却しようと思っても至る所に空き家は増加しているので、築年数の経った古い空き家を購入したいという人がなかなかあらわれないという問題もあります。
高齢化だけではなく、出生率の低下も今後の空き家問題を深刻化させます。晩婚化が進み出生率も低下している現在の日本の現状では、今後更に人口が少なくなることは確かでしょう。人口が減り高齢化が進めば更に空き家が増加していくことになります。
空き家が増える理由その3|新築住宅の増加
「平成25年住宅・土地統計調査」の報告によると5年前と比較すると総住宅数は増加しています。その増加数は304万戸となっています。つまり中古住宅が増加しているにも関わらず、新築の住宅を購入する世帯は以前と変わらず存在しているということです。
日本の人口はこれからも減少していくと予測されていますが、総住宅数は増加しているので、それに伴ってこれからも空き家の割合は増えていくことが予想されます。
不動産が欲しいという方にとっては中古物件よりも新築に魅力を感じるのは当然でしょう。不動産業者にとっても新築の物件を建てた方が利益になりますし、積極的に提案したい部分でもあると思います。ですが、既に日本の現状においては、住宅が過剰供給され過ぎているというのが、空き家が増加している理由のひとつとなっています。
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今後も増え続けると予想される空き家への対策
空き家が増加している理由についてご紹介してきました。平成25年の調査で空き家の数、割合共に過去最高となっていますが、これからも増加の一途を辿る可能性もあります。その増加を食い止めるための「空き家対策特別措置法」の施工ですが、平成25年度から実施されていますので、今後の動向に注目したいところです。
空き家が増加することによって周辺の環境の悪化が懸念されます。衛生面や安全性にも不安がありますし、犯罪の温床になるといった危険性があるのです。住宅が飽和状態にある今、これからは新築の住宅を建てるのではなく、リノベーションなどで現在建っている建物を活かす必要があるのではないでしょうか。
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