一戸建てを「売る」ではなく「貸す」場合のリスクについて
戸建てのような持ち家が不要になったり、諸事情によって手放さなければならなくなった場合の選択肢としては、「取り壊して更地にする(土地として持ち続ける)」「第三者に売る」「(身内や親戚も含む)第三者に貸す」といった、3つの方法に分けることができます。
どれも一見妥当な方法に思えますが、いざ貸しはじめたら経費ばかりかかって、結局は売った方が早かった・・・という結末を迎えるケースも珍しくはありません。
そこで今回は、戸建てを第三者に貸す際のリスクについて詳しく見て行きたいと思います。
入居者が決まらなければ収入は得られない
当たり前のことではありますが、戸建てを貸そうと思っても、肝心の入居者が決まらなければ、その間の収入はゼロになります。収入が入らないのにその物件をいつまでも空けておくことはもったいないですし、空けている間の保守・管理にもお金がかかります。
また、第三者に貸す物件の住宅ローンがまだ残っていて、完済していない方については要注意。第三者から得られた家賃収入を物件のローン返済に充てるというのは、あくまでも入居者が決まってからの話になります。
空室期間中は自分自身の貯蓄を切り崩したり、給与から直接返済に充てなくてはならないので、お金のやり繰りに考えを巡らせておかなければなりません。ローンを家賃収入でまかなおうとしても、入居者が見つからなければローンはそのまま残り続けます。
一度入居者が決まっても、現実問題として、いつまでも同じ入居者が家を借り続けてくれるとは限りませんし、実際は税金や管理にかかるお金の負担などもかかってきます。
建物や設備の修繕
どんな建物でも、時間とともに少しずつ劣化していきます。雨風にさらされるなどして、建物は自然に老朽化していきます。最近では、台風や地震などの自然災害が頻発していることもあって、より老朽化が進みやすく、耐震補強や修繕対策などが重要視されています。
住宅の内部の設備も同じく、備え付けの家電製品やオール電化システムなどは定期的にメンテナンスや修理が必要になります。入居者が新しいものに交換してくれる場合を除いては、ほとんどが家主の手によって修繕されることになります。
家賃収入から得たお金の一部は、定期的な物件内外の修繕や、入居者が退去し新たな入居者を獲得するまでの間のリフォームやクリーニング費用に充てることになります。
家賃を下げざるを得ないケース
戸建てを誰かに貸す際に問題となるものが家賃です。ある程度の年数が経っている家については、それに見合った家賃に設定しなければ借り手がつきにくくなるおそれがあります。老朽化が目立つ建物なども、賃貸物件として少しでも魅力に感じてもらえるよう、家賃を減額したうえで貸し出す必要があるでしょう。
家賃を減らすほどに借り手にとっては魅力的な物件となりますが、周辺環境や物件の借り手の減少などによっては、家賃をさらに下げざるを得なくなる場合もあります。「これ以上は下げられない」という価格のボーダーラインを設定していても、借り手の意向やニーズによっては、さらに価格を下げざるを得ない可能性もあります。
入居者の問題
家を貸すとなると、家主は入居者がきちんとマナーを守って家を使ってくれるように、信頼関係を築いておく必要があります。
マナーの悪い入居者の場合、家賃滞納や近所とのトラブル、騒音問題、家を手荒に使うなどといった問題が起きやすいので、いざという時にはきちんと話し合いができるように準備をしておかなければなりません。
特に壁や床などへの原状回復に関して、入居者が退去する際に費用を請求したところ、断られてトラブルになったというケースもあります。もちろん請求をしなければ家主が負担することになるため、入居者のリスクというものはあらかじめ頭に入れておく必要があるでしょう。
災害に関するリスク
家を第三者に貸す際には、地震や台風などの甚大な災害に対する備えや、万が一家が壊れてしまった場合の修理費用、維持管理に関する問題についても考えておかなければなりません。
借り手は「安全に暮らせる」と信頼して家を借り受けます。前もって各種耐震補強や室内外の設備を災害対策用の素材に変更するなど、あらゆる災害に備えをしておきたいところです。
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家を貸すメリット
空いている物件を第三者に貸し出すのはリスクがつきものですが、一方で以下のようなメリットも期待できます。
1、家賃収入が得られる(周辺環境の変化によってさらに家賃相場が上がる可能性もある)
2、不動産資産として保有できる
3、貸し物件にした後所有者がふたたび住むことも可能
まとめ
空き物件は住居用としてそのままにしておくことも可能ですが、売るか貸すかで悩んだ時は、メリットだけでなくデメリットもよく考えていかなければなりません。
さまざまなリスクを考慮に入れ、周辺環境や物件へのニーズなども鑑みていくことが大切です。
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