高齢者が不動産を手放すときや、新たに不動産を購入するとき、
そして、賃貸住宅に入居するとき。
それぞれ、高齢者ならではの問題や特別な手続きがあります。
特に不動産を手放すときについて、どんな問題が起こりえるのかみていきたいと思います。
司法書士と高齢者
日本の法律では、「意思能力を欠く」「判断能力を欠いている」という人は、財産処分や不動産の売却に関しては司法書士が意思確認を行わないといけません。
高齢者となるのが、社会一般的には65歳以上といわれています。
高齢化社会の日本では、男性で79歳、女性で86歳が平均寿命なので、65歳は高齢者という感じをしないと思いますが、高齢者として扱われます。
意思確認の方法は司法書士の間でも様々なようです。
高齢者で意思確認を欠いている、判断能力を欠いているとなると、
「成年後見制度」を受ける必要があります。
成年後継人は、家族ではなく裁判所で決められます。
司法書士が成年後見人となることが多いです。
高齢者と不動産取引
高齢者が不動産取引を行う場合には、先ず「意思確認の有無」「判断能力の有無」を確認した後になります。
例えば売買による所有権移転登記申請代理の受任に際しては、誰を登記権利者、誰を登記義務者とし、どの物件について年月日売買を原因とする登記申請
をするかの意思の確認です。
万が一、確認しないまま取引を行うことになったら、後日契約が無効と判断されることもあります。
司法書士の意思確認が不適切だっと判断され、不動産登記が完了しているとトラブルの元となりますね。
高齢者の中でも、85歳以上となると、3~4人に1人が痴呆症であるとされています。
生前贈与を考えて不動産会社に相談の来られても、名義人である方が痴呆の疑いがあれば受け付けることが難しくなります。
施設に入所している高齢者の場合は、不動産取引が難しくなる可能性が高いです。
司法書士だけにゆだねるのではなく、意思能力の判断に疑義がある場合には積極的に医師(主治医、担当医)、介護担当者に高齢者についての判断能力に関する情報提供を求めるべきですね。
不動産取引は、一般的に高額で難しい契約といわれています。
その為にも、不動産業者は「宅地建物取引主任者」の資格を持つ人が、「重要事項説明書」という書面で説明を行い、「契約書」を作成します。
生前贈与もできず、相続となり遺産分割協議でもめてしまうケースも多いです。
高齢者の方の不動産を処分するときなどは、痴呆の兆候がでてから慌てて行うのではなく、早い時期から家族で相談しておくべきです。
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