売買契約書の基本用語③「融資特約(ローン特約)」と「契約解除」について

売買契約書の基本用語③「融資特約(ローン特約)」と「契約解除」について

 

売買契約書に盛り込まれている融資特約(ローン特約)という条項と、契約解除の関係についてご説明します。

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「融資特約(ローン特約)」

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・融資特約(ローン特約)

融資特約とは、ローン特約ともいい、不動産の売買契約上で用いられる契約停止条件のことです。

 

一般的に不動産を購入する際に、金融機関やローン会社から融資をしてもらいローンを組む方が多いでしょう。

 

しかし、売買契約後に融資を受けられないと判断される可能性もあります。

その場合に、買主は契約時に支払った手付金をそのまま返還してもらい、売買契約を白紙に戻すことができる制度が融資特約(ローン特約)です。

 

融資特約(ローン特約)は、売主と買主の間で同意があった場合に、売買契約に盛り込むことができる条項ですが、最近では標準的に盛り込まれる一般条項のひとつになっています。

 

融資不成立

なぜ、契約後に融資不成立(ローンの審査が通らない)が起こるかというと、融資を申し込む時には売買契約書が必要となり、その融資やローンの審査は売買契約が締結されてから行われるためです。

 

つまり、契約する時点では、融資を受けられることを前提として不動産の代金を支払うことを取り決めていますが、その後、実際に融資が受けられるかどうかは確実ではないのです。

 

手付金の返還

契約締結時には、買主は購入する不動産の1割程度の金額を手付金として支払います。

 

手付金は、その他の理由で契約解除した場合には戻ってきませんが、融資特約(ローン特約)があれば、融資を理由にした契約解除の場合のみ、手付金はそのまま返ってきます。

 

不動産は金額の大きな買い物なので、1割とは言え、手付金も高額になることが多いです。

 

売主にしてみれば、契約締結まで進んだ取引はできれば白紙に戻したくないでしょうし、できることなら手付金も返したくはないと思うのが本心でしょう。

しかし、融資特約(ローン特約)を条項に加えないと、買主のリスクが大きくなってしまうので、なかなか買い手がつかなくなるといった状況になります。

 

また、融資の不成立の中でも、希望の金利が通らず金利を上げれば融資が通るといった場合もあります。しかし、高い金利で何十年も支払い続けるのは負担が大きくなってしまうため、買主は希望の金利でないと融資を受けないことを決めることもできます。

 

そうした場合、金利の条件も融資特約(ローン特約)の詳細に記載しておくことが必要になります。

 

 

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「契約解除」

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不動産売買契約は、契約締結後でも解除することは可能です。

しかし、手付金の放棄や返還、または違約金等が生じる場合もあります。

融資特約(ローン特約)も契約解除の一部ではありますが、買主の理由による解除でありながら、買主に損失は発生しない仕組みになっています。

 

解約手付

解約手付とは、契約時に買主から売主へ支払った手付金によって契約解除することです。

 

解約手付は、履行に着手するまでの期間内なら、売主・買主ともどんな理由でも違約金を支払うことなく契約解除することができます。

 

売主が契約解除する場合は、買主から支払われた手付金を倍にして買主へ返還する必要があります。

 

買主が契約解除する場合は、契約時に売主に支払った代金の一部である手付金を放棄することで契約解除することが可能です。

 

ただし、融資特約(ローン特約)の条項があれば、手付金を放棄する必要はなく、手付金はそのまま買主に返還されます。

 

「履行の着手」については、明確な線引きがされにくいのですが、売主の場合は、買主の希望に応じて土地の分筆登記をしたり建築を開始した場合などになります。

買主の場合は、中間金の支払いや新居の入居に関する引越し業者との契約や、引き渡し期限を過ぎた状態で残金を支払える状態にあることなどです。

買主の場合、ローンの申込をしただけでは、履行の着手にはあたりません。

 

履行の着手は線引きが曖昧なため、解約手付のできる期間などを明確に定めている場合もあります。

 

・違約解除

相手が履行の着手を始めた場合や、解約手付できる期間を過ぎてしまった場合は、違約解除となり、違約金や損害賠償が生じることになります。

その金額は、契約時に決められていることが多いですが、不動産代金の10%〜20%位が相場になっています。

 

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融資特約(ローン特約)は契約解除であることを認識しよう

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融資特約(ローン特約)は、融資が通らなかった場合の保険という位置づけで考えることができます。

 

しかし、実際に契約締結後の契約解除であることは事実なので、できることならあまり利用したくない制度ですよね。

 

そのためにも、確実に審査に通るように、融資先や金利の種類などは現実的に支払える方法を考えるようにしましょう。

 

また、万が一審査に通らなかった場合には、確実に融資特約(ローン特約)を受けられるように、曖昧な表現は避け、その詳細を契約書に記載するようにしましょう。

 

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