止まらない空き家問題?対策が急がれるのは都市圏!

日本全国、放置された空き家が増加し問題になっていることをご存知でしょうか。

倒壊の危険がある築古の空き家や、ゴミがそのまま残され近隣住民に迷惑をかける空き家も多数存在しています。そして空き家問題は地方だけの問題ではなく、人口が過密状態にある都市圏にあってもなお増え続けているのです。

しかしそんな空き家でも、活用できれば「財産」に生まれ変わります。

相続によって得た住宅や移住で手放す予定の住宅も、賃貸物件に変えてしまうことで、その家にかかる固定資産税などの経費を賃料で賄えるほか、安定した収入を得ることも可能です。

しかし賃貸物件を持つということは、その収入によって所得税の負担が増えることも考えておかなければいけません。

今回は、賃貸物件を所持することでどの程度の税金が必要になるのか、確定申告についての節税方法、経費の計上方法などについて詳しく解説していきます。

不動産所得の経費

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税金は「収入が大きければ大きいほど負担が増える」物です。そして経費は、「経理上収入を減らすことができる」物です。

収入が大きくとも、それ以上に経費があれば、経理上の収入は「ゼロ」とすることも可能です。

既に所持している住宅を賃貸にする際には、大きく経費として計上できるものがあまりありません。どんなに小さなものでも経費計上することで、コツコツとしかし確実に不動産所得による税金を抑えることができます。

はじめに、不動産所得にかかる税金と、経費として利用できるものについてお話していきます。

不動産所得にかかる税金はどのぐらい?

不動産所得にかかる税金は、「所得税」と「住民税」の2種類があります。

所得税は確定申告時に支払い、住民税は毎年春に各自治体から納税通知書が届き、それをもって支払うようになっています。

所得税と住民税、それぞれの金額を計算するためにまず「不動産所得」を計算してみましょう。

・不動産所得=総収入-必要経費-控除分

この計算式からわかる通り、不動産による収入はすべてが所得として計上されるわけではありません。

控除分には基礎控除の38万円と、青色申告をしていれば青色申告による控除65万円を差し引くことができます。

※青色申告について、詳しくは後述いたします。

この計算式に当てはめると、例えば不動産による収入が500万円、経費は50万円、控除分103万円の時には347万円が不動産所得となります。

不動産所得以外に給与所得や事業所得がある場合、それらの所得と合算した上で所得税が算出されます。

所得税の税率は以下の通りです。

課税所得

税率

控除額

195万円以下

5%

0円

195万円超330万円以下

10%

97,500円

330万円超695万円以下

20%

427,500円

695万円超900万円以下

23%

636,000円

900万円超1,800万円以下

33%

1,536,000円

1,800万円超4,000万円以下

40%

2,796,000円

4,000万円超

45%

4,796,000円

例).課税対象となる不動産所得が400万円、給与所得が650万円(いずれも控除・経費計上済み)のAさんにかかる所得税は?

1.400万円+650万円=1050万円が課税される所得

  1. 課税所得1050万円の税率は33%、控除額は153万6000円
  2. 1050万円×33%-153万6000円=192万9000円

このことから、Aさんの所得税は192万9000円であることがわかりました。

では次に、住民税について同じくAさんを例題にみてみましょう。

住民税には「所得割額」と「均等割額」があり、所得割額は一律課税所得に10%、均等割額は4000円となっています。

  1. 所得割額=1050万円×10%=105万円
  2. 均等割額=4,000円

これを合計すると、105万4000円がAさんの支払う住民税となります。

所得税と住民税を合計すると、なんと298万3000円もの税金をAさんが負担しなければいけないことが解りました。

Aさんの不動産による課税所得は400万円ですから、そのほとんどが税金に消えてしまうとなると「割に合わない」と感じてしまいそうです。

不動産所得を減らしてくれる経費一覧

このように大きな負担となる所得税と住民税を少しでも減らしたいのであれば、経費を計上して課税所得自体を減らすほかありません。

経費として計上できるものは以下の通りです。

・固定資産税

・物件管理費

・火災保険料、地震保険料、賃貸用保険料

・接待費

・交通費

・修繕費

・新聞図書費

・会計や税務に利用した費用

会計士や税理士を利用した際に支払った報酬、管理会社との打ち合わせでのランチ代なども経費として計上できます。

物件管理の為に使った交通費、壊れた設備の修繕費など、不動産管理の為に費やしたお金は忘れず経費計上しましょう。

経費を増やすための家事按分について

更に経費を増やす方法として、家庭でも不動産管理にも利用しているものを「家事按分」してみましょう。

例えば、物件管理に利用している車を家庭でも利用している場合、その燃料代は家事按分をすることで一部を経費として計上できます。

また、管理会社との連絡に利用している携帯代やインターネット代金などの通信費も、家事按分が可能です。

家事按分は、家庭と不動産管理両方で利用した金額を100とした場合、その何割を不動産管理に利用したか、という考え方で経費を計上します。

たとえば通信費のうち、2割を不動産管理に利用してれば、その2割分を経費として計上することができます。毎月5000円通信費を支払っているのなら、1000円分を経費とできるのです。

家事按分で注意したいのが「利用実態以上に経費として計上しないこと」です。

もちろん、不動産管理に利用した割合を増やすことで経費も増えますが、そうすると税務署から脱税を疑われる可能性があります。家事按分は、あくまでも実態に即したものにしてください。

税理士や会計士に依頼するときに気をつけたいこと

先ほども少し触れましたが、税理士や会計士に税務を依頼すると、それらも経費として計上することができます。

但しこれらの報酬は高額なため、賃料収入がそれほど多くない場合には利用すると逆に損してしまうこともありますので注意しましょう。

確定申告と青色申告について

給与所得がある方は、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必須になります。

賃料収入が多い場合には、青色申告事業者になって「青色申告の控除65万円」を受けましょう。

控除はそのまま所得から差し引かれますので、課税所得が700万円の場合、青色申告による控除65万円がない場合には税率23%ですが、控除があれば20%になり大きな節税効果を生みます。

青色申告をするためには、まず管轄の税務署に行き「青色申告承認申請書」と「開業届」を提出します。

確定申告の時には、複式簿記によってつけた帳簿が必須のため、簿記の知識が必要になります。

確定申告は毎年2~3月の決められた期間内に、管轄の税務署にて行ってください。

不動産投資時の経費

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ここまでは「既に所持している住宅を賃貸にする」前提でお話してきましたが、ここからは「投資として」不動産を利用する場合の経費と節税方法についてご紹介します。

時にはローンを利用して賃貸物件を購入し収益を得る不動産投資では、どのようにして節税することが可能なのでしょうか。詳しくみていきましょう。

不動産投資で節税できる理由

不動産投資では大きな節税が期待できます。

まず、不動産による所得は給与所得と通算されますから、不動産投資で「経理上の赤字」が出れば、給与所得分の所得税も安くすることができます。

不動産投資では、経費として大きなウエイトを占める「減価償却費」を計上することができます。

減価償却費は、建物の耐用年数がある間は経費として利用することができますので、長期間にわたる節税が可能です。

更に、投資に利用したローンも「建物分の利息だけ」経費とすることができますので、この二つを合算することで大きく節税できることがお分かりいただけるでしょう。

不動産投資で安くなる税金

不動産投資による節税では、所得税や住民税が安くなるのはもちろん、将来的には相続税も大きく減額できる可能性があります。

多額の資産が将来相続人の生活を圧迫しないよう、不動産に資産を分配させておきましょう。

「不動産投資で相続税が安くなる理由」

まず、不動産は購入した時点で「実際の建築価格の5~6割」程度まで評価額がおちます。さらにこれが賃貸物件だと、さらに30%の借家権分を控除することが可能です。

例).購入時3000万円の賃貸物件の相続税

固定資産税評価額→3000万円×50%=1500万円

さらに借家権控除→1500万円×(1-30%)=1050万円

このように3000万円の賃貸物件でも、相続するときにはその資産は1050万円と計上されることになります。

土地部分についても、貸家建付地については評価額が2割ほど減額され、こちらについても相続税を軽減することができます。

それに加え、相続税の土地評価には「路線価」が利用され、路線価は多くの場合実際に購入した価格の80%程度とされています。

例).購入時8000万円の土地の相続税

路線価による評価額→8000万円×80%=6400万円

貸家建付地の評価額→6400万円×20%=5120万円

ご覧の通り、8000万円をそのまま所持していれば8000万円に対し相続税がかかってしまいますが、土地に変えることで5120万円まで遺産を減らすことが可能です。

建物と土地を合計すると、1億1000万円の資産が相続時には6170万円となり、その結果相続人は賃貸物件による賃料収入を得ながらも大きく相続税を減らすことができるということになります。

不動産投資で計上できる経費

ここからは不動産投資で計上できる経費について解説していきます。

大まかには【不動産所得の経費】の項で紹介したものと同じですが、既に所持している住宅を賃貸にする場合とは異なり、不動産投資では取得した不動産の減価償却費と投資用ローンの利息(建物分のみ)を経費として計上することができます。

さらに、アパートの共用部分の光熱費、例えば廊下についている電灯の電気代なども経費とすることができます。

「減価償却費について」

減価償却費の計算は「定額法」という計算方法が用いられます。

定額法では、建物の取得金額に償却率をかけたものが1年間の減価償却費として認められます。

住宅の構造別耐用年数と新築時の償却率

事業用賃貸マンション

耐用年数

償却率

木造

22年

0.046

軽量鉄骨

27年

0.038

鉄筋コンクリート

47年

0.022

例えば木造賃貸住宅で新築時の取得金額が5000万円であったとき、償却率をかけると、230万円が減価償却費であることが解ります。

中古で賃貸物件を取得した場合、耐用年数は以下のように計算できます。

築年数による耐用年数の計算方法

築年数が耐用年数を超えているとき→新築時の耐用年数の20%。端数は切り下げ

築年数が耐用年数の途中であるとき→(新築時の耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)

「ローンの利息について」

投資用賃貸物件を購入したときのローンのうち、建物分の利息とローン保証料は費用として計上することができます。

ローンの保証料は、保証会社にローン支払いを保証してもらうための費用ですが、ローンを組む金融機関によっては利率に含み、借入時に保証料をとらないこともあります。

ローンの利息ですが、不動産所得が赤字計上となった時にはこの部分を経費とすることはできません。また、土地分のローン利息も含むことができません。

そして注意したいのが、「ローン利息を経費とする前提の収益計算」をしてしまうと、ローンで首が回らなくなってしまうことがある、ということです。

ローンの利息は個人の住宅ローンとは異なり固定金利とできる期間も短いものが多いですし、利率自体も高くなっています。

収支の計算を間違えると、「破産」してしまうこともありますので、負債と資産の割合や収入と返済額の割合などよく計算してからローンを利用するようにしましょう。

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まとめ

空き家を利用しての賃貸経営や、不動産収入による税金について、お分かりいただけましたでしょうか。

不動産投資および賃貸経営を成功させるためには、税金を減らすための知識を多く持ち、正しく経費を計上することが大切です。

減価償却費や費用の家事按分など、計算が難しいものも中にはありますが、確定申告に慣れてしまえばそこまで大変な作業ではありません。

確定申告で苦労しないためには、年末・年始にまとめて帳簿をつけるよりも、毎月末にその月の収支を帳簿づけしておくようにしましょう。

不動産投資と賃貸経営は、毎月安定した収入を得られるだけではなく所得税や住民税、さらには将来的な相続税まで節税することが可能です。

投資用物件を利用して、賢く節税し確実に収益をあげていきましょう。

 

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