不動産の売却は、売却を考え始めた時点からスタートしています。
不動産を売却してから「しまった!」という事態が起こっても後の祭りです。不動産売却をより良いものにしたいのなら、不動産売却に関する知識は持っておいて損はありませんし、知識ばかり詰め込み過ぎるということもありません。
不動産の売却をするときに真っ先に思い浮かべるのは「不動産仲介業者」いわゆる街の不動産屋さんだと思いますが、不動産を売却できるのは仲介業者だけではありません。
不動産の買取を行う「買取業者」もありますし、仲介も買取も行う不動産業者もあります。
そして各業者・会社によって、不動産の査定方法も査定額も変わってきます。また、それぞれの不動産業者によって得手不得手、メリット・デメリットがありますので、ある一面だけを見て売却方法を決めるのはやめた方がいいでしょう。
このような知識は必ず不動産売却に役立ちます。確かな不動産売却のコツや知識を持って、売却を成功させる方法をご紹介します。
不動産売却は色々な業者がある
まず初めに、不動産業者は一つだけではない、ということについてお話していきます。
不動産を売却するときには、売却する不動産の種類や、売却の方法によって異なる不動産業者の中から最も適した業者を選ぶことが大切です。不動産業者の種類と、その業務内容について見てきましょう。
不動産業者の種類
不動産業者の種類には、次のようなものがあります。
買取専門業者
買取・再販のみを行う不動産業者
仲介専門業者
売買・賃貸などそれぞれの仲介のみを行う業者
買取保証のある仲介業者
仲介で売却できなければ最終的に買取を行う業者
分譲業者
新築マンションや新築戸建ての分譲販売を行う
専門業者
商業施設やテナントを専門とする業者や、不動産投資ファンドも不動産業者に含まれる
ご覧のように、業者ごとに取り扱う物件も業務内容も大きく異なります。
中古不動産の売買を行える業者は?
上記の表の中で、個人向けに中古不動産売買を行うのは買取専門、仲介専門、買取保証のある仲介業者となります。
分譲業者の取り扱いは、新築物件のみです。
仲介業者の業務内容
ここからは、中古物件の売買を行う業者それぞれの業務内容について解説していきます。
まずは不動産仲介業者の業務内容ですが、主に不動産を売りたい人と買いたい人の橋渡しがその仕事内容です。
まずは不動産を売りたい人の相談を受け、物件を査定し査定額を決定します。
不動産の売り出しを始めたら、広告等を用いて買主を探します。
購入希望者があらわれると、物件の内見のサポートをし、売買契約時には売買契約書の作成および説明まで行います。
その後代金清算、物件引き渡しまで立ち合い、不動産売買が完了するまで手助けをしてくれるでしょう。
不動産仲介業者は、このように不動産売買のサポートをすることで仲介手数料を得て、それを利益としています。
買取・再販業者の業務内容
不動産の買取・再販業者の場合、その業務内容は「買取った不動産をリフォームして再販」するまでが含まれます。
まずは不動産を売りたい人から話を聞き、査定を行います。
査定額が決定し、その金額に売主が同意できればすぐに売買契約へと進みます。
買取った不動産はリフォームされ、リフォーム後の物件の買主を探し、購入希望者があらわれたら売却します。
不動産の買取・再販業者は、リフォーム後の物件を売却してはじめて利益を得るようになっています。
買取保証のある仲介業者の業務内容
仲介も買取も行う仲介業者は、「買取保証」という形で不動産売買を進めているのが特徴です。
不動産を売りたい人から相談を受け、査定しますが、この時「仲介による売却」の査定額と、「最終的に買取するとき」の査定額、2つの査定額が出ます。買取の査定額は仲介の査定額の9割程度となることが多いようです。
その価格で納得できれば、仲介業者と「専属専任媒介契約」を結ぶのが買取保証の一般的な流れです。
売り出しから一定期間以上経過しても売買契約に至らなかった場合、この不動産業者にそのまま不動産を買取してもらうことになります。
買取保証では売れなければ1か月単位で値下げを行う業者もあり、ただの仲介よりも早いスパンで値下げを行い素早く売却が進んでいくのが特徴です。
但しどのような物件でも買取してもらえるわけではなく、戸建てであれば敷地面積40㎡以上で築30年未満、マンションであれば新耐震基準を満たし専有面積が40㎡以上であることといった細かな条件を設けている仲介業者が多いようです。
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不動産査定方法も業者によって違う
同じ不動産の売却でも、業者によって売却までの流れが全く異なることがお分かりいただけたかと思います。
ここからは「不動産査定」の方法や「査定額」も業者の種類によって異なるということを、より詳細に解説していきますのでご覧ください。
不動産仲介業者の場合
不動産仲介業者の場合、机上査定から訪問査定を行います。
机上査定とは、不動産のあるエリアの地価と物件の広さからおおよその価格を割り出すものです。
机上査定が終わると、次は現地で「訪問査定」が行われます。ここでは対象不動産のプラス要素やマイナス要素を加味し、机上査定価格より細かな査定金額が出されます。
不動産仲介業者による訪問査定は、対象となる不動産の隅々まで細かく見ていくのが特徴です。
また、不動産だけではなくそこに行くまでの交通ルート、利便性、周辺の環境なども査定額に反映されます。
このように不動産仲介業者による査定はとても細かいので時間がかかりますが、査定額は買取よりも高い金額が出るでしょう。
但し、あくまでも査定額であって、売却額ではないという点に注意してください。
不動産仲介業者に査定額を高くしてもらうコツは「不動産をきれいにしておくこと」です。売りたい不動産の印象が良くなれば、査定額も高くなる傾向にあります。
不動産買取業者の場合
不動産買取業者の査定では、インターネットから申し込むことが多いようです。
不動産仲介業者は「まちの不動産屋さん」の要素が強いのに対し、買取業者は「不動産買取のプロ」、サイトをもってインターネットで営業活動をする会社が多くあります。
不動産買取業者のサイトから査定を申し込むと、まずは簡単に「机上査定」、その後「訪問査定」が行われます。
不動産買取業者の場合、査定額がそのまま売却額となります。不動産買取業者に高い査定額を出してもらうコツは「得意な不動産の種類を見極める」ことです。
戸建てを売却するなら戸建てを多く買取している業者を、マンションならマンション買取が多い業者を、というように選んでください。
「不動産買取一括査定サービスもある」
インターネットで不動産買取について調べていると、「不動産買取一括査定サービス」というものが良く目につきますが、これはサイトに登録されている複数の不動産会社に一度の申し込みで「机上査定」を行ってもらえるというサービスです。
複数の業者に査定してもらえるというメリットがありますが、その後の営業への対応が大変になってしまうこともありますので気をつけましょう。
買取保証のある仲介業者の場合
買取保証のある不動産仲介業者の場合も同じく机上査定から訪問査定を行います。
買取保証のある仲介業者は、査定額を「仲介による売却」と「買取」の2種類を用意します。
大手の会社では売り出し当時はこの価格、1カ月後にはここまで値下げ、2カ月後にはここまで値下げ、3か月後に売れなければこの額で買取します、というように金額が提示されることが多いようです。
買取価格は仲介の査定額に対してかなり下がる可能性があるようです。
買取保証のある仲介業者に高い査定額を出してもらうコツは、仲介業者と同じく「不動産をきれいにしておくこと」です。しかし、同じく、査定額=売れる価格ではないことを覚えておきましょう。
不動産会社にもそれぞれメリット・デメリットがある!
これら不動産会社には、それぞれ得意分野と不得意分野があり、またメリットもあればデメリットもあります。
不動産業者ごとの特徴をよく知り最善の売却とするために、それぞれのメリット・デメリットについて理解しておきましょう。
不動産仲介業者のメリット・デメリット
まずは不動産仲介業者のメリットとデメリットについてみてみましょう。
メリットは何と言っても「より高く売却できる可能性がある」ということです。あくまでも可能性ですが、売り出し価格ですぐに売却することができれば、買取よりも高く売却できるでしょう。
買い手は仲介業者が探してくれますから、自分で営業することもありません。売買契約は仲介業者にいる「宅地建物取引士」が責任をもって行ってくれるのも安心できる要素の一つです。
しかしデメリットとしては、売却時期も売却金額も、その時にならないとわからないという部分にあります。
いつまでも「待ち」の姿勢でいることは、精神に大きなストレスを与えます。すぐに売りたいのに売れない、買いたいと言って訪れた人が急に手の平を返して買わないと言い出してしまうなど、仲介による売却ではよくある話です。
何度も何度も面倒で大変な内見対応をしたのにもかかわらず全く売れないとなると、売主側は疲弊しきってしまいます。
しかも仲介による売却では仲介手数料が大きな負担となります。不動産の売却にはさまざまな諸費用が必要となりますが、仲介手数料は諸費用の中でも大きな割合を占めますので「仲介手数料がなければもっと高く売れたのに」と感じてしまうかもしれません。
不動産買取業者のメリット・デメリット
不動産買取業者の最大のメリットは「不動産をすぐに売却できる」ということです。
業者によりますが、最短3日で買取をする、というスピード感を売りにしている買取業者もあります。
さすがに3日は早すぎる、と思うかもしれませんが、「売りたいときにいつでも売れる」というのは、不動産売却をする上ではとても心強く安心できるものです。
売却の際には無駄な交渉や面倒な手続きも一切なく、売却できるまであれこれと作業をしたり頭を悩ませることもありません。
売却はだれに知られることもなく、秘密裏に行うこともできますし、売却金額もとても分かりやすいのが特徴です。
仲介による売却では売れないような「ちょっと訳あり」な物件でも、買取業者なら買い取ってくれる可能性も高くなります。
もしあなたが不動産売買について全く知識がなかったとしても、買取であればなんの心配もなく売却することができるでしょう。
デメリットとしては、買取価格は仲介の査定額よりも安い、という部分にあります。
しかし仲介による売却はいつ売却できるかわからず、やっと売却できたころには売り出し価格より大幅に値下げされている可能性もありますから、買取による査定額が低くとも、一概にそれが損であるとは言えません。
また、不動産買取業者はそれぞれ「不動産の種類」に特化している会社が多く、不動産買取業者に依頼するときには必ず「自分の不動産に見合った」会社を選ぶようにしましょう。
得意な物件の種類がわらないときには、直接業者に問い合わせてみましょう。
買取保証のある仲介業者のメリット・デメリット
最後に買取保証のある仲介業者のメリットとデメリットについてみてみましょう。
買取保証のある仲介業者の最大のメリットは「最終的には必ず売却できる」という部分にあります。
つまり「買取業者」と「仲介業者」のいいとこ取りしているような形です。一定期間は高く売れる可能性を秘め、期間が過ぎればあらかじめ決められていた金額で売却することができますので、不動産売却後の生活設計も仲介による売却よりはわかりやすいでしょう。
デメリットは、「手続きの多さ」にあります。査定も時間がかかりますし、仲介から買取と2つのステップを踏むことで何度も不動産会社と話し合いをする必要が出てきます。
買取保証による売却はとてもメリットが多いように感じますが、面倒な手続きが苦手な方や、仕事が忙しくなかなか時間が取れない人には向かない売却方法だと言えるでしょう。
まとめ
不動産業者の種類ごとによる違い、お分かりいただけましたでしょうか。
不動産を売却するときには、単純に査定額や売り出し価格が高いことが重要ではなく、自分にとって最適な売却方法を見つけることが大切です。
すぐに売りたいときには買取を、一円でも高く売りたいときには仲介を、面倒な手続きがおっくうでなければ仲介と買取両方のメリットを持つ買取保証を選ぶといいでしょう。
特に「売却を知られたくない」人や「今すぐ現金が欲しい人」は、「買取」以外に最適な売却方法はありません。
不動産売却の前には必ず資金シミュレーションを行い、先の見通しを立ててから「どの売却方法が最適か」よく考えて不動産業者を選びましょう。
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