不動産を売る場合には、仲介業者と直接買取業者があることを、すでにご存知の方は多いかと思います。一方で、「基礎的なお話から知りたい!」という方もいらっしゃるでしょう。今回は、そんなみなさまに喜んでいただくために、不動産を売るための方法と、その際に発生するメリットやデメリット(注意点など)を説明し、後半では買取相場の確認方法など、「相続を前提としないで不動産を売却する手段」などをお伝えしていきます。
さて、まずは基本的なお話です。
仲介業者とは以下のような特徴を持っているケースが多いです。
■取り扱っている不動産の仲介件数が多い
■物件の公法上権利関係や規制、周辺との相隣関係を踏まえながら、取引条件を調整してくれる
■トラブルや損害等発生時の解決策を提案してくれる
次は直接買取業者の特徴です。
■買い手は不動産業者である
■仲介業者と比較して仲介手数料が安くなる(無料のケースが多い)
簡素的に記しましたが、両者ともいいところはあります。なので、みなさまにとって「何を基準に売り先の業者を選定したら良いのか」ということを、これから詳しく説明をさせていただきたいと思います。
仲介業者って何?どんな場合に利用すべき?
仲介業者とは?不動産媒介契約って何?
不動産の売却には買取と仲介の2種類があり、ここでは不動産の売却を仲介業者に依頼する際について説明します。不動産の査定方法は2種類あり、不動産会社によって異なる査定方法を使い査定額を算出します。算出した査定額に納得し、仲介業者に不動産の売却を依頼するときには不動産会社との間で媒介契約を結ぶ必要があります。媒介契約には契約の内容が異なる専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つの種類があり契約の内容によっては依頼者の保護、取引の安全、流通の円滑化を図るため書面化を義務付けられています。不動産会社ではこの三つの媒介契約での相違点を説明し依頼者の意思を確認した上で媒介契約を締結することとなっています。
まずは三つの媒介契約についてご紹介します。1つの不動産会社にだけ売却の依頼をするか、複数の不動産会社に依頼するか、依頼主の自己発見取引、自身の意思で媒介取引相手を探すことができるかの違いになってきます。
一つの不動産会社に依頼する場合は「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」となってきます。複数の不動産会社にする場合は「一般媒介契約」になります。
1社にのみ契約のできる専属専任媒介契約、専任媒介契約の場合、不動産会社がこの物件に対する広告費などを多く使い販売活動が行いやすいなどのメリットがありデメリットとしては、依頼した不動産会社への依存度が高くなることが挙げられています。一方、依頼を複数の会社に行う一般媒介契約では、不動産会社が販売活動にコストをかけにくいというデメリットがあります。このように広告などでコストをかけても他社で売れてしまうリスクが有り得るからです。専任媒介契約の方が良いイメージがありますが不動産会社から売り主への販売状況報告の頻度が異なってきます。業務の処理状況を報告する頻度は、専属専任媒介契約では1週間に1回以上で、専任媒介契約では2週間に1回以上となっています。依頼主から見て3種類の媒介契約やメリット、デメリットのちょっとした豆知識をご説明していきたいと思います。住まいを売る場合、諸費用がいろいろかかります。代表的なものとして、仲介業者に依頼する場合には仲介手数料がかかります。それに合わせて不動産が売れるまでのつなぎとして内覧等の際に家を空ける必要があるため賃貸などの物件を借りる費用も掛かる場合もあります。さらに、売却後にかかる税金などを差し引いた金額が手取りとして、最終的に自身の所得となります。この金額は不動産の売却価格によって様々ですが仲介業者によって売却価格が変わるため、あまりにも高い金額で売りに出した際に長期間売れない状態が続く場合など、仲介業者選び1つをとっても損益が発生するので、業者選びのコツを習得することが大切です。
メリットは契約を結んだ仲介業者が広告や販促活動を売主に代わって、積極的に行ってくれることです。反対にデメリットは契約している不動産会社しか販売を行えないため、売主自身が売買契約を結ぶことができないということです。また、依頼した不動産会社への依存度が高くなってしまうため、不動産会社選びを慎重に行う必要があります。専任媒介契約で依頼できるのは、1つの不動産会社のみ。売主と契約を結んだ不動産会社は、媒介契約締結後、7日以内にレインズに登録、売主に対し2週間に1回以上の販売状況の報告の義務があるとされています。専属専任媒介契約で依頼できるのは、不動産会社1社のみです。売主と契約を結んだら媒介契約締結後、5日以内にレインズに登録されます。
仲介業者をおすすめする理由
さて、ここまでは仲介業者とは何か?という基本的な情報をお話しさせていただきましたが、ここからは仲介業者に不動産の売却を依頼するメリットのお話や、仲介業者をおすすめするケースなどをお伝えいたします。まずは、売却したい時期までの時間に余裕がある場合と、少しでも高く売却したい場合は「仲介業者がおすすめである」理由についてお話いたします。
<時間に余裕がある場合>
仲介会社を利用するメリットは、販売活動を1つの不動産会社だけに依頼するため、販売を積極的に行ってもらえる可能性が高く、1つの不動産会社なので情報整理が容易で売主が自ら見つけてきた購入者と売買契約を結ぶことも場合によってはできるという点です。売却までの期間としては一般的には数カ月はかかると見た方が良いでしょう。
<高く売りたい場合>
「すこしでも高く売りたい!」とお考えであれば、時間がかかることを承知の上で買い手が見つかるまで待ち続けるという選択になります。時間はかかりますが、買主が見つかれば基本的に売りたい金額で売ることができるというのが最大の利点であり特徴です。
仲介業者に依頼するメリット
少しかもしれませんが、仲介業者に依頼した方が良い場合のイメージがついたのではないでしょうか?
続いては仲介業者に依頼するメリットや、仲介業者の選び方について簡単にまとめてみましたので、こちらもぜひ参考にしてみください。
<仲介業者に依頼するメリット>
■売り手の状況に合わせて、柔軟に対応してくれる
■複数の潜在的な買主を探し回ってくれる
■買主が見つかった場合は、売り手が交渉しやすいような状況を作り出してくれる
■売り手の条件を変更した場合でも、柔軟に対応してくれて、購入を希望する買主を探してくれる
<仲介業者の選び方>
仲介業者を利用するメリットが少しはお分りいただけたかと思います。一方で、今度は良い仲介業者をどうやって見つけ出すかに悩みますよね。
そこで、ここでは、売り手の要望に柔軟に対応してくれる優良な仲介業者を見つけるための方法についてお話をします。
- 第三者サービスを使うとスムーズに仲介業者が見つかりやすくなる
- 第三者サービスを通すことが「サービス競争」を生み出すきっかけとなる
- 売却したいと検討している物件種別に強い仲介業者を探す
1と2に関しては、何と無くイメージがつくかと思いますが、3に関しては一例を挙げてお話をしましょう。例えば、大手仲介業者(都心の人気物件に強い)がいる一方で、大手がカバーしきれていない「地元の物件に強い仲介業者」もいますよね?最近ではこのような業者のことを「地域密着型の業者」と呼んだりもします。売却したいと検討している物件があるエリアには、必ずこのような地域密着型の業者がいるものです(中には訳あり物件に強い業者もいます)。業者を選ぶ際には、つい知名度が高い大手業者に目が行きがちですが、必ずしも大手業者が良いとは限りません。業者の質などを比較検討する際には、地元のネットワークに強い業者はどちらか?より早く情報を集めてくれるのはどちらか?より高い買い手を見つけてきてくれる業者はどちらか?といった選定の基準を持っておくと、皆さんの要望の実現の可能性がグッと広がっていきます。ぜひこれを機に、仲介業者を上手に活用してみましょう。
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直接買取業者とは?
不動産を売却する場合、先述した仲介業者に依頼し、買い手を見つけてもらう方法の他に、不動産会社が直接物件を買い取る直接買い取りがあることをお伝えしてきました。仲介業者の場合、不動産会社は売り手、買い手双方から仲介手数料を受け取る事で利益を得る会社が殆どです。
それに対し直接買い取りでは、不動産会社が直接物件を買い取ります。その後、購入した物件をリフォームなどして手を加え、再販する事で利益を得ます。なので、仲介業者に依頼する時と違い、仲介手数料を支払う必要がないのが最大の特徴です。
直接買取業者をおすすめするケースとは?
ここでは、直接買取業者をおすすめするケースについて触れさせていただきます。これまでお話をした仲介業者のメリットなどと比較しながらご一読いただくと、自分はどちらの業者に依頼をするべきかが見えやすくなると思います。それでは、直接買取業者を利用した方が良いと考えられるシーンや依頼するメリットなどを見ていきましょう。
<すぐに不動産を現金化したい場合>
みなさんの中で、下記に当てはまる方がいれば、直接買取業者に依頼した方が良いと考えられます。また、みなさんの周りにも、おそらくこのような方がいらっしゃるのではないでしょうか?
■相続税の納付期限が迫っている
■不動産を共有名義で相続したので現金化して分配したい
■事業資金に充てたい など
このように、即時的に不動産を現金化したい方々にとっては、直接買取業者が断然おすすめと言えます。
希望の売却価格に到達するかどうかが不安材料ではありますが、確実に現金化をさせたいのであれば迷いは不要でしょう。
<売りに出していることを近所に知られたくない場合>
地方などでは、ご近所付き合いや街の不動産などの顔なじみといった具合に、地域内交流が活発です。そのためか、仲介業者に依頼をしてしまうと、近所の人たちの目につく可能性が高まるわけですね。また、仲介業者はチラシやHP上に物件を掲載しますので、ご近所、お勤め先の会社内に知れてします事があります。他にも仲介ですと、直接購入希望者が家を実際に内覧に訪れます。ご近所に売却を知られたくないと考えていても必然と知られてしまうのです。このようなケースにおいても、買取業者を選択する方が得策であることは間違いないでしょう。
<売却と同時に次の不動産を買う予定がある場合(買い替え)>
このケースはイメージしやすいかもしれませんね。要は、売却した際の現金の使い道がすでに決定している場合ということです。仲介業者だと売却に時間がかかったり、売却が決まらないと住宅ローンが組めなかったりして、せっかくの住み替え先商品(次の不動産)を失うリスクが出てきます。このようなケースでは、迷わずに買取業者を選択する方が賢いと考えられます。
<直接買取業者に依頼するメリット>
さて、直接買取業者に依頼するメリットについて簡素的に記載しながら確認をしていきましょう。
■すぐ現金化することができる
■仲介手数料が不要
■売主の都合に合わせて売却することができる
■すぐに現金化できるので資金計画が立てやすい(融資なども計画も含む)
■瑕疵担保責任免責がある
■築年数の古い物件でも買取に応じてくれる
やはり即時的に不動産を現金化したい方々にとっては、直接買取業者が断然おすすめと言えるでしょう。
目の前の計画が立ちやすいということは、新しい道が開きやすくなるといっても過言ではないでしょう。
<直接買取業者の選び方>
さて、直接買取業者を利用することのメリットなどがお分かりいただけたかと思いますので、ここでは直接買取業者の選び方についてお話をさせていただきます。
まず、大手か中小かという点ですが、大手は稟議などのプロセスが多く、たくさんの時間を要してしまいます。一方で中小の業者であれば、迅速に売り手側の要望に対応してくれるケースが多いため、中小の業者を選択する方が良いと判断できるかもしれませんね。ただし、資金力や信頼性に欠ける場合もあるので慎重な選択と判断は必要です。もっとも望ましい業者は以下のような条件が当てはまる業者と言えるでしょう。
■十分な資金力がある
■専門家との連携が強い
■信憑性の高い裏付け(実績)が豊富にある
■中小ならではの柔軟性がある
これらの条件を満たしている中小の業者であれば、まず相談をしてみることをおすすめします。
中小でも失敗をしてしまうケースがあるため、上記を念頭に入れながら直接買取業者を選んでいきましょう。
仲介業者で失敗した事例の紹介
さて、ここまでは「仲介業者」と「直接買取業者」における、おすすめするシーンやメリット、そして業者の選び方についてお話をさせていただきました。これまでのお話の中には、いわゆる「リスク」に関する内容が乏しかったかと思います。不動産売却は、動くお金がとても高額のため、決して失敗はしたくないですよね。そのため、ここでは実際に売却をした際に起きてしまったトラブルを2つの事例と共にご紹介をしていきます。
「事例1 査定額から大幅に下落して売却せざるを得なかった事例」
最初の事例ですが、結婚当初にマンションを購入したAさん。購入当初は広くて満足していたものの、子供が生まれた事により現在の住まいでは手狭になり、引っ越しを兼ねて現在のマンションを売却する事を決めました。購入時の不動産会社ではなく、売却時にはより高く売り新居購入の費用に充てたいと思っていました。そこで、ネットの情報を元に高額査定が売りの仲介業者へ行ったところ、査定額はなんと4000万円と高額な査定になりました。これに気をよくしたAさんは、購入費用が浮くと意気揚々とその仲介業者を後にしました。ちなみに、その物件とほぼ同条件のマンションの査定価格が他社では3000万円前後でした。
そして、いざ売却のために媒介契約の締結をしたAさんでしたが、売りに出して2か月・3か月と日が経ち不安を感じていた時の事です。売却を依頼した仲介業者から一本の電話がありました。その内容は、複数の媒体を使用して買い手を探しているが一向に見つからないので売却価格を下げたいとの電話でした。Aさんは新居を購入する費用に充てたいと思っていた為、少し悩みましたが売れずに不安になるくらいならと売却価格の値下げに応じました。そして価格を3400万円と大幅に下げて再度売却をすることになりましたが、Aさんはこの時まだ同条件のマンションが3000万円程度で売りに出されている事を知りませんでした。
当然ですが、同条件で3000万円と3400万円では、Aさんとしては大幅な値下げでも、見ている人からすれば3000万円の方を買うのが普通ですから、Aさんの物件はやはりまた数か月売れ残ってしまいます。あれだけの値下げをしたにも関わらず、また数か月売れ残る状態をみて、かなり不安になってきたAさんは、ついに住宅情報サイトや情報誌で自分のマンションと似たような物件の相場を調べ始めました。すると、同じ条件程度のマンションが3000万円程度で売りに出されている事を知りました。焦ったAさんは仲介業者に電話をし、相場について尋ねたところなんと仲介業者はその事を知っていたとの回答が来たそうです。怒りに震えたAさんはその仲介業者に抗議しましたが、仲介業者の返事は、査定価格はあくまで査定したものであり、実際に売却できる価格ではないとのこと。Aさんは怒りを通り越し脱力感で膝から崩れ落ちる事に…。結果的に、Aさんのマンションは売却するまでに9か月かかり、価格はなんと2800万円での売却になったそうです。最初の査定価格から1200万円も下げての売却となってしまい、新居の購入も4000万円で売れる事で算段を立てていたので多くの自費での負担を強いられる結果になってしまったそうです。
「事例2 チラシに掲載されている内容を鵜呑みにしてしまい失敗した事例」
続いての事例ですが、ポスティングなどのチラシの内容が詐欺まがいであった事例です。マンションにお住まいの方であれば、一度は経験があるかもしれませんが、自宅のポストに「あなたのマンションを買いたい人がいます!」といった内容のチラシが届きます。チラシに乗っている会社は大手不動産会社の場合が多く、あたかも購入者が本当に存在しているかの様な内容で架空の購入希望者が提示した予算や、購入希望時期から購入者の職業にいたるまで掲載してるチラシもあります。こう言ったチラシを見た人の中には、この金額なら高いし、売ってしまおうかな…と思ってしまう人がおり、そのチラシに掲載している大手不動産会社に電話で相談し、媒介契約を結び、売りに出してしまう結果になる事もあります。
当然ですが、売却をいざ開始しても購入希望者はいるはずもなく、どれだけ経っても購入の申し込みもありません。チラシの内容が嘘だという事に気付き、不動産会社に不信感を抱いてもその時には既に手遅れの状態です。既に必要書類も提供し、媒介契約を締結してしまった為に、他の不動産会社に売却依頼をしようと乗り換えることも簡単にはいかない状態です。
結局その不動産会社から先の事例と同じように売却価格の値下げを要求され、チラシに書いてあった架空の購入希望者の予算を大幅に下回る価格での売却となり、損をしてしまったという結果に。「あなたのマンションを買いたい人がいます!」という内容をうたっているチラシには間違いなく注意が必要です。媒介契約を取る為だけに法外な査定額を出したり、大手不動産会社だからと安心してしまう事も、失敗に繋がる要因となる事が多いです。
ですから、必ず査定の際には複数の不動産会社に査定を依頼し、単に価格の違いだけではなくその価格を出した根拠を確認すると共に、周辺の同じような条件の物件を目安に、自分の不動産がどの程度の価格で売れるのか、どの程度の価格であれば適正なのかの相場を自分でもある程度把握しておくことで、この事例のような失敗は防ぐことができるのではないかと思われます。
どうしたら不動産売却を成功に導けるのか?
仲介業者での失敗例を挙げましたが、この失敗の内容が誰しも必ず当てはまる訳ではなく、時期や場所などの条件によって様々な違いがあります。ですが、これらの条件を考慮しても当てはまらない売却方法があります。それ直接買い取りという方法です。直接買い取りであれば、不動産会社が直接物件を買い取る為、不動産が売れにくい時期などの時期的な要因もなく、買い手が現れるのを待つ必要がありません。また、価格が仲介業者に売却を依頼する時と比べて低くなる傾向にあるという点がありますが、時間をかけることでその不動産を管理する維持費や経費なども発生しますし、上記のような価格が高くても売れ残り、結果として低い価格での売却をするという結果になってしまうのであれば、期間とかかる維持費、仲介手数料を差し引いた価格と考えた場合に、明らかに損をするというほどの価格差ではない場合もあります。
直接買取に適している不動産とは
では、直接買取業者に依頼する場合は、どんな不動産が直接買取りに適しているかを説明していきます。
まず初めは、「築年数が古い物件」です。
築年数が古いというと、個人差があると思われますが、一般的には築30年を超える物件であれば買い取りを検討する条件として当てはまると言えるでしょう。もちろん、築30年を超えてもなお綺麗なままの物件は多く存在しますが、それはあくまで外見的、つまり表面上の話で、壁の奥など隠れた部分の老朽化までは確認できません。例として、給水管やトイレ・お風呂の排水管は25年~30年が寿命だと言われています。それらの箇所が売却後に欠陥として見つかった場合は瑕疵担保責任という義務により、売主自身で修繕しなければなりません。マンションなどの場合は配管設備も複雑なため、構造によっては高額な修繕費がかかる事も珍しくはありませんので、これは大きなリスクと言えるでしょう。この様なリスクを避けるために、築30年を超えるような物件の場合は売却より買い取りを選択する人が増えてきているようです。
続いて、「過去に事件・事故などがあった物件」です。
直接的な表現で申し訳ありませんが、過去に火災や事件、自殺などの事故があった物件はなかなか買い手が見つからないのが現実です。また、見つかった場合、かなり低価格での取引となってしまう事が殆どです。この様な事故、または事件があった物件の場合は、仲介業者に依頼して購入希望者を探そうとしても、その事件や事故などの説明がうまくいかず、時間だけが過ぎていく場合が多いのではないでしょうか。そのような場合には、低価格でも買い取ってくれる業者に買い取りを依頼する方がメリットは大きいのではないかと思われます。
最後に、「物件の状態が悪いもの」です。
例えば、マンションを相続したものの、内装や設備等の状態が非常に悪く、そのままの状態では売る事も、ましてや賃貸などまずできる状態ではない、という物件の場合には業者での買い取りを選択するのがよいでしょう。この物件を売りに出す場合、状態を回復するためのリフォームが必要になります。ですが、リフォームに数百万円という金額をかけても、その金額を売却価格に上乗せするのは非常に困難です。綺麗にしても売れる保証はなく、お金と手間もたくさんかかりますので、素直に買い取りを利用する方がメリットは大きいと思われます。この様な物件でも不動産業者は、きちんと買取りをしてくれます。何故かというと、数百万のリフォーム費用が業者の場合は一般の人より安価でリフォーム出来るからです。更に、売却相場よりも安く手に入れることでリフォーム費用を加味しても、最終的に再販した時に十分な利益が見込める為、買い取りを行うのです。一般的には仲介を選択しますが、物件の状態や期間などの条件によっては直接買い取りの方が適している場合もありますので、初めから仲介の一択で考えるのではなく、選択肢の一つとして加えることで選択肢が広がると共に、買い取りという方法を上手く活用する事ができるでしょう。また、買い取りと一口に言っても、依頼する業者によって買い取り価格は大きく違ってきますので、少しでも高く買い取りをしてもらう為には必ず1社だけではなく複数の業者から見積もりをとる事が大切です。また、買い取りの場合複数社にて一括査定が行えるサービスが現状あまりないのが難点である事と、地域によっては不動産の買い取りはしないという不動産会社もある為、注意が必要です。ですが、大手不動産会社であればインターネット上にてHPを設けているところがほとんどですので、そちらを使って事前に確認するか、または電話にて直接問い合わせて一度相談してみるのがよいでしょう。補足的な情報ですが、売却を検討している不動産の住所によっては「対応していない」場合があるため、事前に対応エリアをしっかりチェックしておくことも忘れずに準備をしましょう。
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【まとめ】
ここまで、不動産の売却について色々なケースや流れを説明してきましたが、抑えておくべき事としては売却をする際には2種類の売却方法があり、それぞれに適したケースに当てはまる方を選ぶことが大切です。
ですが、買取業者にも地域によって特色があり、東京などの関東と大阪などの関西では特色も異なりますので、ホームページ等で確認してみるとよいでしょう。
また、先述した内容の補足となりますが、そもそも売却の前に遺産の分配が進まないという場合には「遺言執行者」を立てるという方法があり、委任状や手紙等で分配協議のお知らせ等をしてくれますのでそちらを活用するのも手です。
売却時の諸費用が気になる方は、相続するタイミングで賃貸化し、学校法人などに貸し出すなどの手法や、土地を競売にかけて入札してもらうような不動産の活用をすることで節税できます。ですが、大きな金額が動くため領収書に印紙を貼るなどの普段行わない手続きが多くある為、専門家への相談をお勧めいたします。この記事を参考に少しでも売却価格を上げる事に活用できれば幸いです。
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