万が一のときに備えて知っておきたい不動産の「相続登記」について
「相続の手続きは専門家に頼むから私は知らなくても」そう思う人もいるでしょうが、ある程度の基本を備えておくことは大切です。
相続登記といっても、大まかな内容を把握するだけでいいのです。いざというとき、どのように考え、どう対処すればよいのか心構えができます。
相続登記とは?
相続登記とは、「相続問題に関する不動産の手続き」です。仮に父親が亡くなり息子に遺産を相続する際、資産の一部に父親名義の土地や建物があるとします。
その土地や建物を引き継ぐときの処理が「相続登記」です。土地や建物などの固定資産を「不動産」と呼び、不動産を法務局へ登録することを「登記」と言います。
この建物は誰が所有するもので、この土地は誰のものなのか、所有者を特定するために名義で管理するのです。つまり、相続登記とは「不動産の名義を変更するための手続き」となります。
父親が亡くなり息子に不動産を相続する場合、父親から息子へと名義を変更しなければなりません。この際に行わなければならない手続きが相続登記になります。
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相続登記の手続きは自分でも可能?
不動産に関する知識や相続の法律の問題、書類作成や法務局での処理が可能であれば自分でも手続きできます。しかし実際には、一筋縄で解決できない問題が「相続登記」です。
知識はもちろんのこと、細かな書類作成や法務局への手続きなど、相続登記には順を追って処理しなければならないことが非常に多いです。
相続登記のポイント
相続登記の必要書類
相続登記申請書・登記原因証明情報・住所証明情報・不動産の評価証明、これらの書類が必要となります。また、それぞれの書類は内容によって取得する場所も異なります。
手続きの期限
「いつまでに」といった期限はありませんが、先延ばしにすれば面倒な処理や手続きが増える可能性があるため、早めに手続きを完了させたほうが好ましいです。手続きを先送りにしておくとトラブルや必要以上の手間がかかる場合もあるので早期の処理が大切です。
書類を申請する場所
相続登記は法務局に必要書類を申請して不動産の名義変更を手続きします。
相続登記の費用
自分で相続登記を手続きする場合、費用の目安は次のとおりです。
・登記事項証明書代・・・数千円単位の費用
・戸籍、住民票、評価証明書代・・・数千円単位の費用
・法務局への交通費又は郵送代・・・数千円単位の費用
・登録免許税・・・不動産評価額によって金額が異なります
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とにかく書類集めが大変
相続人が決まったあと、相続登記の手続きに必要となる書類を法務局や役所で取得します。まずは法務局に行き「登記事項証明書(登記簿謄本)」を発行します。
現在ではインターネットを利用してオンラインで取得することも可能です。登記事項証明書を見て相続の対象になる不動産の名義や所在地を確認しなければなりません。
次は不動産を相続する人の、「戸籍」「住民票」を取得します。相続人が不動産を譲り受ける所有者として名義を変更する際に必要な書類です。
そして、「不動産の評価証明書」を法務局で発行します。これは、相続する土地や建物の価値が記されている書類です。
相続登記の手続きを行う際には「登録免許税」を支払わなくてはなりません。登録免許税を計算する際に必要となる書類が不動産の評価証明書です。
そして、重要書類がなくなった人(被相続人)に関する書類です。被相続人とは、不動産を譲り渡す人のこと。これに対し、不動産を譲り受ける人が相続人というわけです。
被相続人の戸籍謄本や住民票の除票など、必要書類を申請する際に重要な証明証となりますので必ず取得しておかなければなりません。
そして、書類づくりも大変
必要書類を集めたら、「相続登記申請書」と「登記原因証明情報」を作成します。
相続登記申請書
不動産の所有権を被相続人から相続人へと移転するための申請書。必要事項を記入したあとに「評価証明書」を基準にして登録免許税を計算します。算出した金額分の収入印紙を購入し、相続登記申請へ貼り付けます。
登記原因証明情報
これは、相続人であることを証明するための書類です。被相続人と相続人との関係を説明する見取図が必要となります。登記原因証明情報に相続人の住民票や戸籍、評価証明書、相続登記申請書の写しを添付。被相続人を証明する戸籍謄本など身分証明書や遺言書も登記原因証明情報の一部として添付します。
大まかではありますが、このように相続登記の手続きを自分で処理することは可能です。しかし実際は、相続でバタバタしているときに冷静に本人が処理するのは難しいです。
自分で手続きした場合は確かに専門家へ依頼するよりも費用(報酬)が安くなりますが、書類を集めたり作成したり、法務局へ足を運ぶなど結構な手間が必要ですね。
そうした理由からも、やはり専門家に相談するのがオススメです。いつ自分の身に降りかかるかわからない相続の問題。相続登記について覚えておくと役立つかもしれません。
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