不動産を売る前に知っておきたい、借地権のこと

不動産を売る前に知っておきたい、借地権のこと

 

借地権とは、他の人から借りた土地に、自分の建物を建てることができる権利のことです。単純に土地だけを借りるのではなく、そこに自分の持ち物である建物を建てることがポイントなので、借りた土地で駐車場を経営するのは、借地権には含まれません。

 

あくまでも、自己所有の一戸建てやマンション、アパートやビルを建てることが前提となっています。

 

借地権は4種類

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借地権は、地上権と旧法賃借権、新賃借権と定期借地権の4種類があります。

このうち、地上権だけが「物権」であり、旧法賃借権と新賃借権と定期借地権は、「債権」に分類されます。

 

物権の代表となるのは所有権であることから、地上権は「借りる」というイメージよりも、「購入する」というイメージの方が強いかもしれません。

 

地上権とは?

 

地上権は、物権であることから、ほとんど所有権に近い権利と考えておくとつかみやすいかもしれません。

 

登記簿謄本(登記事項証明書)にも、「地上権」として登記されますし、地主の承諾がなくても、他の人に売却したり貸すこともできる権利です。建て替えや増改築やリフォームも、地主の承諾を得る必要はありません。

土地を借りている人の自由度が高い権利と言えるでしょう。

 

借地借家法の適用がされることと、抵当権が地上権そのものに設定可能なのが特徴です。

地代はほとんどの場合、地主に支払われることが多いのですが、中には支払われないこともあるようです。(地下鉄のトンネルの場合など)

 

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借地借家法の制定時期

 

1992年8月1日に、「借地借家法」が制定され、それ以前の「借地法」に該当するのが「旧法賃借権」であり、「借地借家法」に該当するのが、「新賃借権」と「定期借地権」です。

ここからは、わかりやすくするために、旧法賃借権=新賃借権ということにして、まとめて「賃借権」で解説していきます。

(実際の違いについては後述します)

 

賃借権と定期借地権は何が違うの?

 

賃借権と定期借地権の違いは2つあります。ひとつは「契約更新」、もうひとつは「契約期間」です。

 

1.契約更新(法定更新)

 

賃借権と定期借地権の違いのひとつに、法定更新(契約更新)をするかどうかという点があります。

 

旧法賃借権には、法定更新があり、定期借地権は法定更新がありません。

そのため、旧法賃借権の場合は、更新さえしていれば半永久的に土地が使えることになります。一方、定期借地権の場合は、契約期間の満了=契約期間の終了ということになります。

 

2.契約期間

 

旧法賃借権の契約期間は、契約期間があるものとないもので分かれます。

堅固(けんご)建物(石造やコンクリート造など)の場合、契約期間がある場合は30年、契約期間がない場合は60年となっています。

 

非堅固建物(木造など)の場合、契約期間がある場合は20年、契約期間がない場合は30年となっています。

ただし、旧法賃借権には、法定更新があるため、実質的な契約期間は「ない」と言っても良いかもしれません。

 

一方、定期借地権の契約期間は、一般定期借地権が50年以上、建物譲渡特約付借地権が30年以上、事業用定期借地権が10年以上50年未満となっています。

定期借地権の場合は、契約期間満了=契約完了となるため、契約期間には注意が必要です。

 

旧法賃借権と新賃借権の違いとは?

 

旧法賃借権と新賃借権には、ほんの少しではありますが、違いが存在します。

主な違いは契約期間と更新後の契約期間があります。

 

契約期間と更新後の契約期間

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旧法賃借権の場合は、堅固(けんご)建物は30年、非堅固建物は20年の契約期間であり、更新後の契約期間も堅固建物30年、非堅固建物20年となっています。

 

一方、新賃借権の場合は、建物の区別はなく、契約期間は30年間、1回目の更新後の契約期間が20年、2回目以降の更新後の契約期間は10年となっています。

ただし、貸主と借主の間で、もう少し長めの期間で決めた場合には、その期間が適用されます。

 

3種類の定期借地権

 

定期借地権には、前述したように、一般定期借地権と建物譲渡特約付借地権と事業用定期借地権の3種類があります。

 

一般定期借地権

 

一般定期借地権は、契約期間が50年以上で、契約の更新はなく、契約の満了後は、更地にしてから地主に返すことになります。

建物の用途が限定されないため、土地をデベロッパー(開発業者)に貸して、分譲マンションを建設する場合に使われることが多いようです。

 

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建物譲渡特約付借地権

 

建物譲渡特約付借地権は、契約期間が30年以上で、契約の更新はなく、契約の満了後は、地主に土地を返すと同時に、建物を地主に買い取ってもらうことになります。

 

建物の用途が限定されないことから、マンションやアパートの他、店舗やオフィスビルを建設して、賃貸経営をすることが多いようです。

 

契約満了後は、そのまま地主が買い取った建物の、賃貸経営を引き継ぐことが考えられます。

 

事業用定期借地権

 

事業用定期借地権は、契約期間が10年以上50年未満で、契約の更新はなく、契約の満了後は、地主が建物を買い取る必要がありません。

 

建物の用途が事業用となっていることから、コンビニエンスストアや工場の用地として使われます。居住用でなく、事業用のため、地代を多くもらえるメリットがありますが、一方で、借主が限定されるデメリットがあります。

 

まとめ

 

借地権は、登記簿謄本(登記事項証明書)に、建物と土地の名義が異なる場合に設定されていることが多い権利です。

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