不動産売却時の内覧をスムーズに進めるための3つの知識     

不動産を売却するときに必須となるのが「内覧」です。

 

内覧とは、売却する不動産を購入希望者に向けて「物件のすべてを公開する」ことを言います。

 

内覧は、購入希望者にとってその物件を購入するか否かを決める最も重要なポイントとなります。

 

それだけにとても大切なものですから、内覧時には「物件の持つポテンシャルのすべて」を出し切り、「これを逃したらこれ以上の物件には出会えないかもしれない」と購入希望者に感じさせるだけの工夫が必要です。

 

では実際に内覧を行う際には、どのような準備をし、どのような心構えで臨めばいいのでしょうか?

 

また、内覧までこぎつけてもそれが成約に繋がらない理由とは何なのでしょうか。

 

今回は、内覧を確実な売却につなげるための3つの知識をご紹介します。

 

そもそもなぜ内覧するのか

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内覧は売却に必須と言いましたが、そもそもなぜ内覧はそこまで重要で、どうして行う必要があるのでしょか。

 

内覧の必要性について改めて考えていきましょう。

 

内覧とは何か

内覧とは、簡単に言うと「物件を買いたい!」という人に実際に物件の内部を公開することを言います。

 

平面図ではわからないリアルな物件の内部に触れることで、購入希望者はその物件で生活するための想像をより膨らませることができるのです。

 

内覧の必要性

なぜ内覧は必要なのか、それは「売主も買主も売買のリスクを減らせる」ということ、そして「物件自体の雰囲気や物件の周辺環境まで買主が知ることができる」ことにあります。

 

中古物件の購入を決めるとき、購入希望者は様々な情報をトータルで判断し購入に至りますが、間取り図や表示価格だけで時に何千万もする買い物はできないものです。

 

「間取りはいいけれど、内部は傷んでいるかもしれない」、「立地はいいけれど治安は悪いかもしれない」、そんな不安を払拭し、「よし、この物件を買おう!」という最終的な後押しをしてくれるのが内覧だと言えます。

 

購入希望者から見た内覧

そんな内覧も、購入希望者から見ると2つの目線が考えられます。

 

一つは先ほどから述べている「購入の最終的な判断のため」、もう一つは「実際に購入するまでの勉強として」内覧している人も多くいらっしゃいます。

 

後者の場合物件が気に入っているわけではなく、同じ築年数と価格帯でどれぐらいの物件があるのか、その地域での中古物件の相場観を養うために内覧をしていることになります。

 

しかし、その時に買うつもりがなくとも、物件を気に入れば即決する可能性は大いにあり得ます。

 

どんな内覧希望者も邪険に扱わず、すべての内覧希望者に対等に接するようにした方がいいでしょう。

 

内覧前に準備することとは?

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仲介する不動産業者も決定し、物件売り出しの広告が出たら早速内覧の準備に入ってください。

 

内覧の前に準備しなければいけないことは沢山あります。しっかり準備して内覧希望者が気持ちよく内覧できるように心がけていきましょう。

 

物件資料をそろえておく

まずは物件に関する資料をすべてそろえておきます。

 

購入当時に受け取った図面類の一式、リフォーム歴があればリフォームの工事内容が解る資料、土地の境界や測量に関する書類、毎年支払っている固定資産税や都市計画税の領収書もあると親切です。

 

内覧時にそこまでの書類を開示することはありませんが、まれに内覧が即契約につながり、すぐに書類が必要になることがあります。

 

購入希望者の気が変わらないうちに素早い対応ができるよう、常に準備を怠らないようにしてください。

 

掃除は必須

できるだけ物件をきれいにすること、これは内覧の準備で一番大切なことです。

 

いくらいい間取りでいい立地でも、物件自体が汚いと印象も悪くなってしまいます。

 

できるだけ物件をベストな状態で内覧を行うのが理想ですので、よりきれいにしておくべきお掃除ポイントをご紹介します。

 

「水廻りは念入りに」

キッチン、洗面、お風呂、トイレ等、一般的に生活感が出やすく汚れがたまりやすい箇所はピカピカに磨いておきましょう。

 

素人には無理な場合には、少し割高ですがハウスクリーニングを利用することをおすすめします。

 

「照明を綺麗にしておくと好印象」

照明のカバーもきれいにしておくと、物件が明るい印象になります。

 

内覧時には電灯をすべてつけてお出迎えしますが、この際に電灯のカバーが汚れていると明るさが半減してしまいます。しかしきれいにしておくことで明るさが増し、「この家には暗い印象がない」とイメージづけることができるのでおすすめです。

 

「余計なものは置かない」

家中どこでも、余分なものは処分してしまいなるべくシンプルにしておきましょう。

 

ごちゃごちゃとした内装は生活感が出過ぎてしまい、購入希望者から見ると「この家が自分のものになった時」という想像がしにくくなります。

 

「家の外まできれいにする」

特に一戸建ての場合、家の中ばかりではなく外もきれいにしておきましょう。

 

クモの巣等も取り払い目立つ外壁の汚れは拭いておく。家の周りにゴミを溜めない、細かいゴミや草も掃除して取り除いておくのが理想です。

 

「共用部分も自主的に掃除を」

マンションを売却する際には、マンションの共用部分も自主的に掃除をしましょう。

 

予想できる質問に回答を用意しておく

事前に質問されそうなことに対する回答を用意しておくと、スムーズな応答ができます。

 

質問への明確な回答は、購入希望者との信頼関係にも繋がります。

 

内覧者がよく聞く質問は以下を参考にしてみてください。

 

・周辺環境について

・騒音について

・風通しや日当たりについて

・夏や冬の快適性

・隣人の雰囲気

・住んでいて不便に感じること

・リフォームの有無と修繕履歴

 

内覧当日

内覧当日、売主側がしておくべき準備はまず部屋の換気を十分に行うこと。

 

毎日生活している人には解りませんが、住宅には独特の生活臭が染みついています。そのにおいは時に不快を感じるものですので、内覧当日の朝は十分に室内を換気しておきましょう。

 

そして内覧者が到着直前には、室内の電灯をすべてつけ、内覧できるところの扉を解放しておきます。

 

できればクローゼットや収納の扉も事前に開け、「隠したい部分はない」ことをアピールしましょう。

 

内覧者が到着したら、笑顔で丁寧なあいさつを心がけてください。優しい雰囲気を醸し出すことで、内覧者は疑問をこちらにぶつけやすくなります。

 

中古物件の場合、疑問があるうちには購入を控えるのが一般的ですので、内覧者が質問しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。

 

※内覧者が使うスリッパについてですが、仲介業者が用意してくれることがほとんどです。気になる方は事前に仲介業者にスリッパの有無について確認しておきましょう。

 

内覧が成約に結びつかないのはなぜなのか?

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ここまで万全の準備と受け入れ態勢で内覧を行っても、それがなかなか成約に結びつかないことは多々あることです。

 

なぜ我が家は成約につながらないのか、売却できない理由を探っていきましょう。

 

内覧が成約に結びつかないときに考えられること

内覧が成約に結びつかないときに主に考えられる理由は6つあります。

 

「理由1-物件の価格」

売れない理由の第一に、「そもそも物件の価格が高すぎる」ということが考えられます。

 

周辺物件の相場に則していなかったり、相場通りでも物件の状態から行くと「これは高すぎる」と感じてしまう物件は売れないことが多いのです。

 

物件が売れないときには、まず最初に価格の見直しを検討してみましょう。

 

「理由2-競合物件が近所にある」

近隣に同じような状態でもっと魅力的な物件があれば、顧客は当然そちらに流れてしまいます。

 

住宅街で複数の物件の売却時期が重なっている時には、他の魅力的な物件が売れるまでこちらに購入希望者は流れてこないのです。

 

「理由3-物件の状態が悪い」

物件状態が悪いことを加味して相場より安い価格で物件を売り出しても、状態が悪すぎる物件は売却が難しくなるでしょう。

 

この場合には、思い切ってリフォームしてから再度売り出すか、古屋付き土地として売り出すか、建物を取り壊して土地だけを売るか、最終的にはこの3択から選ぶことになります。

 

安い価格の物件は、いくら値下げしても売れません。売却時の状況を変えて、違うニーズを持った購入希望者を募りましょう。

 

「理由4-築年数・断熱性能・間取り」

物件の築年数が経ち過ぎている、古すぎて断熱性能がゼロに近い、間取りが現代の生活に則していない等の理由も売れない原因の一つです。

 

こういった物件も、リフォームか、古屋付き土地として売り出すか、思い切って解体してしまうかを選ぶことになるでしょう。

 

「理由5-内覧時の対応が悪い」

自分では対応をよくしているつもりでも、内覧者にとっては「ここの家主は対応が悪い」と思われてしまうこともあります。

 

内覧時の対応に不安があるときには、なるべく仲介業者にすべてを任せるか、内覧時に対応する人間を自分以外の家族に変える必要があります。

 

「理由6-必要なメンテナンスを行っていない」

外壁のコーキングや塗装、屋根の塗装や張替えは定期的に行う必要があります。

 

これを行っていない住宅は一目でわかりますし、メンテナンスがされていない住宅はもちが悪いのが一般的です。

 

もし塗装等のメンテナンスをしていない場合には、安いプランでもいいので塗装しておくと物件の印象ががらりと変わります。

 

そもそも内覧に来ない時は

内覧が成約に繋がらないどころか、そもそも内覧希望者もあらわれない物件にはこのような特徴があるようです。

 

 

・物件の価格に妥当性がない

・担当者が営業をしていない

・物件情報が流通していない

・物件自体に魅力がない等

 

これらの項目に思い当たる節があれば、改善の為の努力をしましょう。

 

内覧を売却につなげるコツ

内覧は物件の購入検討をしている人にとって「最後の後押し」となります。

 

最後に、内覧者の購買意欲を高めるためのコツについてご紹介します。

 

内覧時はついて回らないこと

まだ居住中の物件の内覧は、内覧希望者にとっても気を遣うことが多くなります。

 

内覧者がじっくり隅々まで内覧できる環境づくりのため、内覧時は外で待機しついて回らないようにしましょう。

 

内覧後に聞かれたことは素直に答えること

もし内覧時に質問されたら、隠し事はせず素直に答えましょう。

 

ここで嘘をついてしまうと、後々大きなトラブルに発展することがあります。但し、物件の価格に関する相談を受けてはいけません。

 

内覧時の値下げ交渉は売主にとって大きな損失につながります。

 

現時点では値下げを受けられないこと、どうしても値下げしてほしいのならまずは仲介業者を通して交渉してくること等、はっきりと伝えましょう。

 

物件のアピールポイントはしっかり伝える

そして物件をアピールすることも大切です。但し、押しつけがましいアピールやしつこい語りかけは逆効果となります。

 

内覧者に聞かれたときにアピールポイントをさりげなく伝えるか、帰り際に少しだけこの物件の何がいいのかについて語るのもいいでしょう。

 

アピールする際には、例えば閑静な住宅街に物件がある、治安も良く学校なども近い等具体的な部分が望ましいです。

 

さらに、手放すことになったのは決して物件が悪いからではないというアピールも大切です。転勤などの差支えない事情であれば、正直に売却理由を伝えるのもおすすめです。

*よく似た内容の記事はこちら
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まとめ

このように、物件の売却に欠かせない「内覧」という機会をチャンスに変える工夫が「上手に物件を売却するコツ」となります。

 

内覧時の対応が悪いと、本当にこの物件を購入したい人でもしり込みしてしまうこともありますし、逆に物件の状態はイマイチでも気持ちいい内覧ができれば購入を決めてしまう人もいるでしょう。

 

内覧時には、購入希望者はお客様であるという意識を絶対に忘れてはいけません。

 

また、内覧しても成約に至らないときには住宅を空き家にしたり、必要なリフォームを行うなどの検討も必要です。売れない物件をそのままの状態にしていてもいつまでも売れませんから、適宜値下げすることをおすすめします。

 

これから内覧を行うという方は、内覧に関する疑問点は不動産業者に相談しましょう。また、内覧が成約に至らないときも、どのようにして売却に結び付ければいいのか都度担当者に相談することをおすすめします。

 

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