お持ちの不動産を売却したいと思った時、皆さんならどうしますか?例えば、管理費や維持費などの都合から売却する事を検討した場合や、「せっかく売却するなら高値で売りたい!」などと思った時、どのような手続きが必要で、どんなことに注意するべきかなど、わからないことが多いのではないでしょうか?今回は、そんな悩みを抱える皆様にとって、とても有益となる情報をお届けさせていただきます!
不動産を高く売却するためのポイント
【所有している不動産の基本的な情報を把握しておく】
まず、所有している不動産の地域、物件の種類、築年数や間取り、近隣で売り出されている物件などを確認します。
例えば、最寄り駅までは徒歩何分なのか、またはバスを使う必要があるのか、病院やスーパー、コンビニなどの店舗が近くにあり、
学校、公園、公民館などの公共施設も整っているかを確認することが重要となります。
【耐震設計になっているかも重要ポイント】
近年は、東日本大震災が起きた事で防災意識が高まっており、耐震設計になっているのかどうかも1つのポイントです。
現在の建築基準法では、震度6強の揺れに耐えられる設計が義務化されていて、これが築年数の目安になります。
【第一印象が命(ビジュアルが与える影響)】
そして、買主に良い印象を与えるために、物件のビジュアルは重視しましょう。例えば、部屋にある備品の状態が悪かったり、フローリングに傷が付いていたり、タバコのヤニが壁に付いていたり、匂いが残っていたりするとマイナスの査定になります。このように、物件のビジュアルが悪い状態である場合は、不動産会社が買い取った後にリフォームしてから再販売することがあります。この場合、自分が希望していた売却金額よりも低くなるということを覚えておいた方が良いでしょう。
【売却先が「仲介業者」「買取業者」であっても覚えておきたい大切なポイント】
不動産を売却するにあたって、不動産会社を仲介して売却する方法を選択するか、不動産買取会社に直接不動産を買い取ってもらう方法を選択するのかを決めなければなりません。
この2つの方法については後ほど詳しくお話をさせていただきますので、ここでは売却先が「仲介業者」「買取業者」であっても覚えておきたい大切なポイントについて解説をさせていただきます。
【信頼できる不動産会社を選ぶポイントとは?】
売却するにあたり、信頼できる不動産会社を選ぶことは重要になります。選ぶ基準は色々とありますが、注意点もありますので、慎重に選んで下さい。
まずは、不動産会社の信頼度を確認できる方法のご説明をさせていただきます。基本的に、不動産の売買や仲介を行うには、必ず「宅地建物取引業の免許」が必要です。1つの都道府県で営業するには都道府県知事の免許必要で、複数の都道府県で営業するには国土交通大臣の免許がなければ営業することができません。免許番号はそれぞれの不動産会社に与えられます。
有効期限は5年ごとに更新されるので、更新回数が多いと、その不動産会社は営業歴が長いと判断できるので参考になるでしょう。また、法令(宅地建物取引業法など)違反などで、過去に業務停止処分、免許取消処分などの行政処分があった業者をインターネットで調べることもできます。国土交通省や都道府県の土木部、県土整備部などのHPから確認することができます。営業歴の長短でその不動産会社が良い会社とも限らないので、よく調べてから選びましょう。
【ローン残債の状況を真剣に理解してくれるか】
不動産会社の担当者が、ローン残債など細かい情報までヒアリングしてくれるかということも大切です。所有する不動産を高く売る際に、そのメリットだけではなく、デメリットも含めた情報も聞いてくれる担当者がいると相談しやすいです。そういった担当者ですと、どうしてその査定金額になったのかという根拠も示してくれます。
【信頼することが難しい場合は自分で査定の依頼をする】
上記のポイントだけでは判断が難しい場合は、1社だけで判断するのではなく、複数の業者の査定をしてもらい、どの不動産業者に依頼するかを決めた方が良いでしょう。
不動産の価格査定の基本的な手法として用いられるのが、「取引事例比較法」による査定方法です。これはまず、対象の不動産と取引事例に似たような不動産の価格を比較します。
基準となるのは、土地であれば、土地の形や方位や接する道路の状況、マンションなら、階数、間取り、部屋の方位、日照などを比較します。これらの基準で不動産を比較して、対象となる不動産の概算価格を査定します。取引事例となった不動産の価格は、当時の価格なので、現在の価格相場が下落していれば、修正を行います。これを「時点修正」と言います。
ただし、時点修正された価格がそのまま決まるわけではなく、その他の要因も加味した上で最終的な価格となるので、査定するに当たっては不動産の専門家とよく相談する必要があります。
【物件の種類別に高く売却するためのポイント】
物件の種類を土地、戸建て、アパート、マンションの4つに分けて、各種類の物件で高く売る場合のポイントを見ていきましょう。
【土地を高く売るポイント】
土地を少しでも高く売りたいと考えている方は多いと思いますが、いくらで土地が売れるか?については、はっきりいって不動産会社次第となります。
「土地の不動産売買に長けていない業者であれば、失敗する。」ことも多々あります。
従って、不動産会社に媒介契約を依頼する際は、土地の売買に長けた業者に依頼することが非常に重要です。
売主として土地を高く売りたいのであれば、「この不動産会社に売却を依頼しても良いのか?土地の売買に長けているのか?」を見極める必要があります。
【土地の売買方法を頭に入れておく】
土地を売買するときは「公簿売買」と「実測売買」の2つの方法があります。
公簿売買とは、実際に土地の面積を計測せずに、土地の登記簿に記載されている面積で坪数を計算することを言います。
実測売買では、実際に土地の計測を土地家屋調査士に依頼して、面積を出します。登記簿への登記から年数が経っており、現況と差異があるかもしれない場合はこの方法で用います。
土地家屋調査士に計測を依頼しているため、その分費用がかかりますが、公簿売買で買主が購入した場合、現況の土地の坪数と誤差があると法律に引っかかって買主が思っていたような建物が建てられない状況が発生して、売主とのトラブルになったりすることがあります。反対に実際に計測してもらった結果、当時の登記簿に記載されている面積よりも大きくて買主が得をした(売主は損する)という場合もあります。そのため、土地を高く売るためには、まず土地の状態を自身で詳細に把握(調査)しておくことが大切であるといえます。
【戸建てを高く売るポイント】
中古住宅を売る場合は、特に湿気によるカビと白アリに気をつけなければなりません。壁、台所やトイレ、洗面所などの水回りは特に査定に響きます。
売却する前にしっかりとカビ対策がなされていないと、クリーニングしなければなりません。その場合は、専門業者に依頼しなければいけないので、費用が発生してしまいます。
窓が広く、台所や風呂場の換気対策が十分なのも大切です。特に木造住宅だと白アリが発生することがあります。売却する前に業者に駆除してもらい、駆除してもらった証明書があると良いでしょう。
【アパートを高く売るポイント】
アパートを高く売るポイントは、そのアパートの収益性です。つまり、常に入居者が満室の状態、若しくは入居者を確保しやすいということが、高く売れるポイントになります。
賃借人がいる場合は、賃借人に立ち退いてもらった方が高く売却できることがありますが、立ち退いてもらうための費用などトラブルもあるので、現状で売却する方が現実的です。
【中古マンションを高く売るポイント】
中古マンションを高く売る方法として、次の言葉をご存知でしょうか?「PDCAサイクル」という言葉です。「PDCAサイクル」とは、事業活動で用いる品質管理業務などを効率よく進める方法に良く用いられています。
この「PDCAサイクル」はマンションを売却するときにも有効です。
・Plan・・・計画=より高い価格で売却するための計画
・Do・・・・実行=計画通りに売却活動を実行
・Check ・・検証=マンションの内装をしっかりと点検する
・Action・・改善=必要であればリフォームを考える/売却できないときは計画を見直す
このように書くと当たり前のことのように思えてしまいますが、実際に実行するのは大変だと思います。ですから必要範囲内は自分で実行し分からないことは専門家の知識を頼ることをお勧めします。
相場を知りセールスポイントを把握しておくと希望売却価格の設定も容易になります。少しでも高く売るためには、自身が所有している物件のセールスポイントを把握しておくことが大切です。
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不動産を売却する方法(仲介、買取)
前述で少しだけ触れましたが、ここでは不動産を売却する方法について詳しく解説をさせていただきます。
不動産を売却するには「仲介」と「買取」の2種類の方法があることは、皆さん既にご存知のことかと思います。
どちらも不動産業者が対応してくれますが、具体的な売却方法が異なるので、しっかりと理解しておきましょう。
【仲介業者を通じて売却する方法】
仲介業者を通じて売却するというのは、簡単にいうと「仲介業者」が購入希望者を探し、購入者が見つかり次第に売却するということです。
そのため仲介業者は、広告や不動産流通ネットワークを利用し購入希望者を探します。
仲介業者の場合は、不動産業者が代わりに広告費や人件費をかけて購入希望者を探しますので、成約時には国土交通省の規程内の仲介手数料が発生します。
【買取業者を通じて売却する方法】
一方、買取業者を通じて売却するというのは、簡単にいうと「不動産業者が直接買取を行ってくれる」ということになります。
仲介業者の場合と違い、購入者が見つかるまで待つ必要がなく、すぐに売却することが可能な方法ですね。
また、宣伝する手間や直接の売買となるため仲介手数料が不要となるため、売主側の負担がかなり軽減されます。
【仲介業者と買取業者の違い(結果的にいくらで売れるのかが鍵)】
<それぞれのメリットとデメリットについて>
上記のお話でいうと、手間や費用もかからないという点では「買取業者」の方がいいように思えます。しかし、まだ考えなければならない事があります。
それは、「いくらで買い取ってくれるか」です。仲介業者の場合は、仲介手数料が不動産業者の利益となるため、売却できたとしても相当額の手数料を支払う必要が出てきます。
一方で「買取業者」の場合は、買取業者が購入した不動産を再度販売し、そこから利益を得る、という構図になっているため「不動産を安く購入したい」という気持ちが表れます。
ただし、購入した後はリフォームや建て替えを行うこともあるため、皆さんが売却するためにこれらの費用を負担せずに済むと考えると、買取業者に依頼をした方が「賢い不動産売却」になるかもしれませんね。
【所有不動産をすぐに現金化したい場合は買取業者を推奨】
売主が、現時点で現金がどうしても必要な時は、買取業者に依頼することがベストかと思われます。
もしかすると、仲介業者より金額的には低価格になってしまう可能性がありますが、売主としては現金が今すぐ手に入るというメリットがあります。
ただ、ここに関しては「高く売る=賢く売る」ですから、仲介業者に依頼した際に売却までにかかる時間や面倒な手間などといった「見えにくいコスト」のことを考えると、
多少金額が下がっても買取業者に依頼をする方が望ましいかもしれません。
「仲介」と「買取」でどのような流れで売却に至るか
さて、ここまでは売却をするための全体的な概要(高く売るためのポイントや、売却する方法など)を解説させていただきました。
ここからは、先ほどから出てきている「仲介業者」と「買取業者」を分けながら、その違いや特徴についてより詳しく解説をさせていただきます。
「仲介業者での売却の流れ」
まずは、仲介業者に売却を依頼した場合の流れについてお話をさせていただきます。わかりやすく記載すると、以下のような流れになります。
不動産屋さん探し➡査定依頼➡価格提示(価格提示は売却価格になるとは限りません)➡不動産屋さんと契約➡広告展開(決まらないこともある)➡買受の申し込み(交渉次第で白紙になることもある)➡価格交渉➡売買の契約
(通常、買手の方はローンを組むケースが多く、その場合、買手のローンが不成立の際は、白紙解約となる特約をつける事が慣行となっています。「契約が終わり喜んでいたら解約になってしまった・・・」なんて事も珍しくありません。)➡残金決済
「買取業者での売却の流れ」
続いては、買取業者に売却を依頼した場合の流れについて見ていきましょう。
先ほどの仲介業者との流れと比較しながら見ていくと「その特徴」や「差」がおわかりいただけることかと思います。
不動産屋さん探し➡査定依頼➡価格提示➡打ち合わせ➡契約(些細な点でも質問して、不明点をなくしておきましょう。)➡残金決済・引き渡し
*買取価格の提示より、最短3日~1ヶ月(土・日・祝日を除く)で現金化が可能。また、売却の理由により、適切なアドバイスをもらえる場合あり
【仲介業者と買取業者の特徴を把握しておく】
上記のように、ここまでは仲介業者と買取業者それぞれに売却を依頼したケースの流れについて見てきました。
もっともわかりやすい特徴は「売却までのスピード」ですよね。さて、ここでは「仲介業者」と「買取業者」の違いをもっと掘り下げてお話をしていきます。
前述のようにそれぞれの業者ごとに分けてお話をしていくので、ぜひ参考にしてください。
【仲介業者の特徴】
<主な契約方法について>
仲介業者の場合、不動産の購入者を探す為に仲介役として他の不動産業者を利用するので、媒介契約を結びます。
媒介契約は、宅地建物取引業法第34条の2により義務付けられており、不動産業者からどのようなサービスを受けるか、また仲介手数料を明確にしてトラブルを未然に防ぐための契約です。
専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つの契約から選択します。詳細は後述しますので、ぜひこちらも併せてご確認ください。
<仲介手数料について>
ここでは、仲介手数料がいくらかかるのかを説明いたします。
売主側としては、その他にも税金の支払も発生しますので、この仲介手数料も予め計算しておくと、予定外の出費に悩まされなくて済みます。
不動産の売却が成立した場合、仲介業者への報酬として仲介手数料を支払います。(成立しない場合は、不要です)
この仲介手数料は「売却金額の3%+6万円(+消費税)」(売却価格400万超の場合)という考え方で設定されており、なおかつこの仲介手数料には、宅地建物取引業法により上限が決められているのです。
上限を超える手数料を請求することは法令違反です。(上限500万円)
そのため、売主側である皆さんは、次のような仲介手数料の請求をする業者には注意しましょう。
当てはまった業者に依頼してしまっている場合や、依頼を検討している場合は、もう一度、その仲介業者に依頼するかを考え直して下さい。
・上限額を超える手数料条件を提示
・上限額をあたかも法律により一律で設定された手数料であるとの説明
・仲介手数料以外に発生する広告費等を当然に請求
【買取業者の特徴】
買取業者に依頼をする場合は、買い手が不動産業者になるわけですから、買い取ったお金は不動産会社から直接支払われるということになります。
仲介業者とは違い、自分と不動産業者の間で直接取引が行われます。不動産業者が査定した金額に自分が納得すればすぐに売買は成立し、取引が完了します。
前述でもありましたが、買取後は不動産業者の名前で売りに出されるため、誰の土地なのか知られずに売ることができます。
「債務返済」「相続」「離婚」など、売却を人に知られたくない事情がある場合、広告などの宣伝活動が行われず、情報が公開されないため、他人に不動産を売却したと知られたくない人にとってはオススメです。
【買取業者に依頼する場合は「瑕疵(かし)担保責任」を負う必要がない】
この瑕疵担保責任についてまずは解説しましょう。瑕疵担保責任とは、売買の目的物に瑕疵(その物が取引上普通に要求される品質が欠けていることなど、欠陥がある状態)があり、
それが取引上要求される通常の注意をしても気付かぬものである場合に、売主が買主に対して負う責任のことをいいます。
買取業者に依頼をする場合は、最終的な購入者と売主(みなさま)が直接的に何かの契約をすることがないため、この瑕疵担保責任が発生しません。
この点は、売主側の皆さんにとっては相当なメリットであると言えるでしょう。
【買取業者のメリットまとめ】
これまでお話をした中で、買取業者にはいくつかのメリットがあることがわかりました。ここではそのおさらいをしておきましょう。
<買取業者に依頼をすると以下のようなメリットがあります>
「早急な現金化が望めること」
「瑕疵担保責任が免除されること」
「資金計画が立てやすいこと」
「買主探しの内覧が不要なこと」
「会社の同僚や近隣の人に知られることなく売却できること」
「仲介手数料がかからないこと」
などのメリットがあります。
このように、仲介業者と買取業者との特徴的な違いはいくつかの要素によって分けられています。
そのため、みなさまの所有不動産を「どうのように売却するか」という点で、再度考え直してみることを推奨いたします。
不動産を売却する前にメリット・デメリットを理解する
さて、ここまでは不動産売却を行う方法について、具体性を含めながらお話をさせていただきました。
ここでは不動産を売却すること自体の「メリット」「デメリット」について解説をさせていただきます。
不動産売却は言うまでもなく高額取引となってきます。だからこそ、メリットとデメリットについてはしっかり把握しておかなくてはなりません。
そして、それらを考慮してから、売却のタイミングを見極めて下さい。
メリットが大きい時に売却するのは高値で売却するための大切な条件といえます。
逆を言えば、デメリットが大きい時には売却を見送ることも1つの手段です。
そして、メリットを受けるためにはデメリットを受け入れるという事でもあり、デメリットは無くならず回避できるものでもないという事も念頭に置いておかなくてはいけません。
基本的には固定資産税や都市計画税など、維持にかかる税金を払い続けてまで保有するメリットが無くなる時が、その不動産の売却のタイミングと考えると良いかも知れませんね。
それでは、早速具体的に見ていきましょう。
【不動産を売却するメリット(ポイント)】
◎現金化ができる
これは不動産を売却する上での最も大きなメリットです。資産を現金化することで、その資金を色々なものに当てることができます。
例えば、得た資金を使い住宅のローンを完済させることができれば、銀行保証料が戻ってきます。また、その後の利子負担がなくなるので、そういった意味でもメリットとなります。
また、得た資金を使い、別のより良い不動産へと買い替えることも可能となります。
相続した不動産を売却する場合は、現金化してしまうことで遺産分割がしやすくなるというメリットも得られます。
◎維持費が無くなる
誰も住んでいない住宅は、定期的なメンテナンスをする必要がありますが、売却することで維持費も不要になります。
この維持費が家計を圧迫して、気がついたら「維持費を払うために働いている」みたいな状況になる危険性がありますので、このポイントも念頭に入れておきましょう。
◎税負担の軽減となる
使用していない不動産でも、所有していると固定資産税や都市計画税など、税金を払う義務が発生してきます。
しかしながら、不動産を売却することでそれらの負担を軽減することができます。
【不動産売却のデメリットとは?】
- 収益を得る機会が無くなってしまうという点
賃貸経営などをその物件で行っている場合は、家賃の収入などの収益を得る機会が無くなります。
- 仲介手数料や譲渡所得税などの諸経費がかかるという点
不動産売却を行う場合、仲介手数料や譲渡所得税などの色々な諸経費がかかります。これらの諸経費は、思ったよりも高額となるケースが多いです。
※買取業者に依頼をする場合は仲介手数料不要
- すぐに売却先が見つかる保証が無い点
不動産売却は勿論、買い主がいて初めて成立する取引です。買い主が見つからなければ、資金を得ることは当然ながらできません。
自分のタイミングで売却したい場合は、前述した通り、すぐに買取を行ってくれる「買取業者」に依頼をしてみると良いでしょう。
不動産売却には、上記のようなメリットとデメリットが存在しています。これを踏まえた上でどのような時に売却をすべきか考えていきましょう。
一方で、「不動産売却に踏み切るべきケースとは一体どのようなケースなのか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そこで次は「不動産売却に踏み切るべきケース」について簡単にご紹介をさせていただきます。
例1「所有している不動産を維持管理する人がいない。また、将来的にその不動産を利用する予定が無い」
このケースでは、お金を払い続けて維持管理するよりも、なるべく早い段階で手放してしまった方が良いでしょう。
例2「相続人が複数いる場合の不動産」
遺産分割をしやすくする為に、売却してしまうという方法があります。現金化して分割することで、遺産相続が複雑になることを避けることができます。
また相続税を支払うために現金が無い場合も検討の余地があるといえます。
不動産買取の仕組み、種類、流れ、必要な書類
次に「買取業者」へ依頼する場合に知っておきたい具体的な知識について、お話をさせていただきたいと思います。
【不動産買取の仕組みとは?】
何度も繰り返しとなってしまいますが、不動産の「買取」とは、不動産会社が直接不動産を買い取ることです。すでに皆さんはご理解いただいていることかと思います。
それでは、買い取った後ですが、そのまま中古物件として売り出す場合と、リフォームをして手を加え、きれいな状態で売り出す場合の2種類があることはご存知でしょうか?
このように、買取業者の仕組みを知ると、一段と売却までのスピードや希望の売却額の実現に近づけることができると言えます。
これらを踏まえて、ここでは買取業者がどのような仕組みでみなさまの不動産を買い取っているのかについて、解説をしていきたいと思います。
<まずは買取業者に依頼する場合のおさらいポイント>
買取の利点
- 売却が短期間ででき、即現金化できる
- 瑕疵担保責任の免除がある
- 資金計画が立てやすい
- 近所の人に知られる心配がない
- 仲介手数料が不要
買取の欠点
- 買取価格が相場よりも安くなる傾向がある
- 買取では不利になりやすい物件の条件がある
【買取の種類について把握しておく】
買取の種類には「買取保証」と「即時買取」があります。この2種類を覚えておくことで、良い不動産売却が実現できますので、必ず理解しておきましょう。
【買取保証とは】
買取保証とは、一定期間を設けて不動産会社が売主の不動産の販売活動を行って買主が見つからなかった場合は、予め売主と不動産会社で決めていた価格で不動産会社が買取をする方法です。
【即時買取】
即時買取とは、売主が売却する活動を一切行わずに、不動産会社にすぐに買い取ってもらうことを言います。
例えば、急な転勤で今まで住んでいた家を期日までに売却したい場合などはこの方法が向いています。
ただし、デメリットは、買取保証と違って買取価格が安くなることが多いことです。
【手続きにかかる費用について把握しておく】
具体的には、買い取ってもらう不動産の売買契約書の印紙代、その不動産に抵当権がかかっている場合は、抵当権抹消登記費用、
そして、売却した際に利益を得たことで生じる譲渡所得税があります。
売主にとって分かりにくいのは、譲渡所得税ではないかと思います。売主が不動産を購入した時よりも、高く売れた場合、その利益分に対し、所得税と住民税が課せられるのが譲渡所得税です。
この譲渡所得税をいかに安く抑えるかが不動産を高く売るポイントに繋がります。
【譲渡所得税を安く抑えるには?】
この譲渡所得税を安く抑えるには、売主がその売却する不動産を所有していた期間によって異なってきます。
その基準は、売却した年の1月1日現在で、その不動産の所有期間が5年を超えているかどうかです。
5年を超えていれば「長期譲渡所得」、5年を超えていない場合は「短期譲渡所得」といいます。この長期譲渡所得、短期譲渡所得にかかる所得税率と住民税率がそれぞれ異なります。
長期譲渡所得は所得税が15%、住民税が5%の税率がかかります。一方、短期譲渡所得は所得税が30%、住民税が9%の税率がかかります。
さらに、譲渡所得税を抑える特例を利用する方法もあります。まずは、3000万円の特別控除の特例です。これを利用するには一定の要件をクリアしなければ利用することは出来ません。
要件は国土交通省のHPを参照して下さい。
【売却に必要な種類を把握しておく】
ここでは、買取業者に売却を依頼する際に必要な書類を説明させていただきます。(売却する物件の関連資料を、不動産会社が作成するために必要な書類のことを指します。)
<登記簿謄本>
まずは、登記簿謄本です。不動産を法務局に登記することで、登記簿謄本に記載され、登記簿に登記が完了したことを証明する書類の事です。
通常は、不動産のある地域の管轄している法務局に行って取得します。
現在は、オンライン化が進んだこともあり、「登記事項証明書」と呼ばれるようになりました。登記簿謄本と登記事項証明書は同じ意味です。
<身分証明書>
運転免許証やパスポートなどの本人を証明できるものを用意する必要があります。不動産に共有者がいる場合は全員分必要です。
<印鑑証明書>
引き渡し時点で発行から3ヶ月以内のものを用意する必要があります。不動産に共有者がいる場合は全員分必要です。
<実印>
不動産に共有者がいる場合は全員分必要です。
<住民票>
引き渡し時点で発行から3ヶ月以内のものを用意する必要があります。現住所と登記上の住所が異なる場合に必要となり、これも不動産に共有者がいる場合は全員分必要です。
<銀行口座書類>
売買代金のお振り込み口座として必要です。
<ローン残高証明書>
住宅ローンを利用している場合には、ローン残高の証明として必要です。
<売買契約書>
不動産購入の際に交わされた契約書
<権利書(登記済証)>
不動産の登記が完了した際に登記所から発行される書面で、物件の所有者を証明するものです。
<建築確認通知書/検査済書>
一戸建てや土地の売却に必要。戸建ての建築が適法に建築されたことを証明するものとなります。
<耐震診断報告書>
必須の書類ではありませんが、近年、地震への関心が高まっているため、あるに越したことはありません。
築年数が古く、新しい耐震基準導入前に建築された不動産には書類の提出を求められることがありますので、覚えておきましょう。
<建築設計図/工事記録書>
一戸建てや土地の売却に必要となるケースがあります。
必須ではないのですが、リフォームやリノベーションなどの際に重要となりますので、用意したほうが望ましいです。
<固定資産税納付書/固定資産税評価証明書>
固定資産税の確認をするために必要となる書類です。
<土地測量図面や建物の図面>
一戸建てや土地の売買の際に必要です。「どこからどこまで売却するか」を明確にするための書類です。ご近所トラブルを避けるためにも用意したほうが良いでしょう。
<管理規約書/使用細則>
マンションの売買の際に必要となります。必須なものではありませんが、どのような管理がされているか、どのような決め事があるかを知る上で重要ですので用意しておいた方が望ましいです。
<購入時のパンフレット>
必須なものではありませんが、物件を知る材料となります。これも、用意しておいた方が望ましいでしょう。
前述した通り、不動産直接買取の大きなメリットは、「短い期間に売却」ができることです。
不動産の売却額に納得し、売却を進めようとしたにも関わらず、書類の不備なので時間を要してしまうことは非常にもったいないです。
なので、売却時に必要な書類は、面倒かもしれませんが、あらかじめ用意しておくことを推奨します。
不動産売却に伴う諸経費とは?
不動産の売買取引にはさまざまな費用がかかります。不動産は、一般的に自動車やその他の物と違い、「諸費用込み」というような販売の仕方がないことが特徴の一つです。
不動産を売却する場合は、手取り金額がいくらになるのか、などをある程度正確に把握してから実際の取引にあたらなければならないと考えてください。
ここでは、不動産売却に伴う諸経費について解説をしていきます。ぜひ、ご一読ください。
【仲介業者に依頼した場合にかかる諸経費について】
<不動産仲介手数料(売買契約にかかる法定手数料)>
ここは前述でもお伝えした通り、不動産業者の仲介として売買契約をする物件では、一般的に仲介手数料がかかります。
仲介手数料の支払時期は、売買契約時や残金決済時(物件引渡時)など、不動産業者によって任意に定められていますので、
契約前に必ず仲介をする不動産業者に確認することが重要ポイントです。
仲介手数料の計算方法
- 対象となる金額
・200万円以下の部分:5%
・200万円超400万円以下の部分:4%
・400万円超の部分 :3%
上記のように、仲介業者に依頼する場合は高額な手数料がかかってきます。一方で、買取業者に依頼をした場合には仲介手数料は発生しません。
繰り返しとなりますが、十分にこの点を理解して、不動産売却を検討していきましょう。
<印紙代>
不動産売買契約書には、印紙税法により契約金額に応じ収入印紙を貼ることとなっています。
一般的に印紙代は、売主、買主の折半にて負担するのですが、この収入印紙は、契約書原本に貼りますので、契約書を何通作成するかを契約前に不動産業者に確認するようにしてください。
<抵当権等抹消費用>
売却する物件に抵当権などの所有権以外の権利等が設定されている場合は、それらの権利等は物件を買主に引き渡す前に抹消する必要があります。
物件を担保に金融機関から融資を受けている場合(住宅ローンを含む)に、抵当権などの権利が設定されていることがあり、この場合はローンを完済し残債が残っていない場合でも、
その権利の抹消手続きを行わないと、抵当権は物件に設定されたままになってしまいます。抹消の手続き自体は、その権利の抹消登記を行うことでできます。
この費用に関しては、権利の種類や数によるため、不動産業者に必ず確認するようにしましょう。
<引渡しの準備等にかかる費用>
売却する物件の名義が自分以外になっていたり、住所氏名等が変更になっている場合は、そのままでは買主が所有権移転登記(名義変更)をすることはできません。
そのため、変更(修正または訂正)をする必要があります。この修正の手続きは、登記によって行いますが、費用については変更登記の数などによりますので、ここも不動産業者に確認してみてください。
また物件の引渡し条件が下記の場合は、その費用も事前に見積もっておく必要があります。
・現状渡し
・リフォーム渡し
・更地渡し
<譲渡所得にかかる費用>
不動産を売却した場合、譲渡所得に対する所得税及び住民税がかかります。この税金には、軽減などの特例措置もありますので、こちらも詳しくは不動産業者(買取業者)か税の専門家に必ず確認しましょう。
不動産の査定基準 損をしないための売却術
さて、ここでは実際に売却をする上でみなさまが特に関心を持つ「売却時の価格」に直接的に関係するお話をさせていただきます。
不動産の売却を検討されている方がリサーチするべきことの一つとして大切なのが、自分の不動産の価値を調べるための「査定」についてです。
しかし、査定には様々な方法があります。全てについて詳しく理解するのは困難ですよね?
だからこそ、不動産売却で損をしないためにも、今ここで「不動産の査定方法」について理解しておきましょう。
【3つの査定方法を把握しておく】
まずは、不動産の査定方法には以下の3つの査定方法があることを理解しておきましょう。ここから1つずつ詳しく解説をしていきます。
①取引事例比較法
まず取引事例比較法についてですが、取引事例比較法とは、対象不動産と同じような条件の不動産の取引事例の価格と比較をしながら、他の取引事例の価格をベースに、
「市場全体の動向」や「取引の時期」などを踏まえて調整を行い、対象不動産の査定価格を算出する方法のことを示します。不動産の査定価格を算出する際に、最も基本的な査定方法として使われています。
②収益還元法
収益還元法とは、対象の不動産が将来生み出すであろうと予測される「純利益」と「現在価値」を総合(収益価格)して査定価格を算出する方法のことを示します。
ここではあまり関係ないかもしれませんが、投資不動産の査定価格の算出において多く使われている方法です。
③原価法
原価法とは、対象不動産を仮にもう一度建築した場合の原価を割り出したあとに、建築年数による低下した価値を原価修正し、「現時点の価値を推定する方法」です。
建物や一戸建ての査定価格を算出する際に使われている方法です。
上記のように、不動産売却の際に重要な査定方法は3つとなります。ぜひ、念頭に入れておきましょう。
それでは、ここからは売却をする物件の種類ごとにポイントとなる査定に関するお話をさせていただきます。
【マンションのポイント】
マンションを売却する際に、どんなところが査定価格に影響するのかをここでは解説させていただきます。
<マンション査定に影響する7大ポイント>
①最寄駅からの距離
東京や大阪など、都心かどうかや駅からの距離が査定価格に大きく影響します。徒歩10分以内というのが一つの目安です。また、新幹線が止まる、特急が止まる、快速が止まるなどということもポイントになります。当然このような主要駅の方が査定価格は高くなる傾向にあります。
さらに、複数の電鉄(JRと私鉄、地下鉄)にアクセスが可能なマンションは、より査定価格が高く評価されるポイントとなります。
一方で、地方などの場合は駅までの距離よりも、駐車場が重要視される傾向にあります。
理由はみなさんもお分かりの通り、都会と違って電車やバスなどの公共交通機関の利用よりも「車移動」が主体だからです。
②周辺環境などの立地条件
徒歩圏内に買い物ができるスーパーがあるのか?ということも重要なポイントになってきます。また、子供の学校までの距離や公園などの遊び場が近くにあるか?といった点も査定価格に影響します。
(家族連れの購入者の場合は、必ずといっていいほどこのポイントを重視します。)
その他、病院・郵便局・コンビニ・銀行・役場などがあるかも重要なポイントです。さらに、「夜間の緊急病院」があったりするとさらに高く評価されます。
つまり、生活に便利な施設が近くにあればあるほど、査定価格が高くなるということです。
また、マンションが国道や高速道路沿いなどに建てられている場合は、交通量や騒音なども査定に影響する場合がありますので、高速道路側に防音壁があるかどうかも確認をしておくと良いでしょう。
ここで補足ポイントですが、大型トラックの交通量が多い場所では、壁や窓ガラスの防音性能まで細かくチェックされます。このこともよく覚えておきましょう。
③眺望や方角など
当たり前のことかもしれませんが、部屋やバルコニーからの眺望が良い物件は人気があり、これも高額査定となるポイントの一つです。さらに、夜景が綺麗な場所に建てられているマンションは、階数が上がるほど高額査定となります。ただ、気をつけるべきポイントは、近隣に超高層マンションの建設予定がある場合です。このケースにおいては、残念ながら査定ポイントが下がる可能性が示唆されます。
また、日当たりも関係してきます。南向きである方が査定にもプラスになり、角部屋であればさらにプラス査定となるでしょう。西向きや東向きであれば、南向きに比べて査定価格は若干下がります。
④築年数や物件のグレード
マンションの築年数が浅ければ浅いほど査定額は高くなります。また築年数では、1981年(昭和56年)以前に建てられたマンションなのか、それ以降に建てられたマンションなのかが重要になります。(1981年6月以降に建てられているマンションは新耐震基準を満たしているから)1981年以前の震度5程度までの地震に耐えうる設計から、新基準では震度6強以上の地震でも倒れない設計と基準が変わりました。
1981年以前のマンションでも、補強工事をして新基準に適応しているマンションも多数存在します。この新基準に適応しているマンションの方が高く評価されるので、ご自身の所有物件もぜひ調べてみましょう。
マンションのグレードも査定に影響してきます。建築した会社が同じでも、建物によってグレードが分けられていたり、同じマンションでも部屋によってグレードが違うという場合がありますよね。このグレードによっても査定価格が変わってきますので押さえておきましょう。
⑤保守・セキュリティー
定期的なメンテナンスが実施されているような(管理組合がしっかりと機能している)マンションや、近年大規模な改修工事を行っているマンションは査定ポイントが高くなります。
(大規模修繕改修工事を行えば、次に行うまでには時間的余裕が生まれるため査定評価は高くなる)また、管理人の有無や24時間体制で管理人が常駐しているマンションだと高い評価になる可能性が高まるでしょう。
エレベーターのセキュリティーがしっかりしているマンションも、安全面の評価としてカウントされます。ここも、要チェックポイントの一つですので、ぜひ確認しておきましょう。
⑥リフォームや使用状況について
過去に行ったリフォームはプラス査定となるのか?この疑問に対しては「No」です。リフォームするのに200万円掛かったからといって、査定額が200万円高くなる訳ではありません。「査定額を上げるためのリフォーム」を検討する方が非常に多いのですが、赤字になるリスクがとても高いため、自己判断で行うことは控えた方が良いでしょう。
また、部屋の使用状況も査定には大きく影響します。壁紙の汚れなどは売却時に交換するので問題ありませんが、フローリングの損傷などは改修するとなれば費用が高額になる場合があります。そのため、大きな傷がないかチェックしましょう。
部屋の汚れについては、掃除して落ちる部分については査定には影響しないとされています。しかしながら、部屋の汚れなどが目立つと内覧に来られる方への印象が悪くなりますので、内覧時までには目に見える部分は綺麗に清掃しておくようにしましょう。
⑦査定時の時点修正
マンションの査定を依頼すると、「時点修正」という言葉を不動産業者から聞くことがあるかと思います。この時点修正とは、新築時からの経過年数や過去の取引事例を参考に、現在の価値を算出する方法です。この点に関しては、とても細かい内容となるので、「時点修正というものがある」とだけ覚えておけばよいでしょう。
【一戸建てのポイント】
一戸建ては、実際に現地を見ないと正確な査定額が出せない場合が多いと言われています。ここでは、一戸建ての査定価格を決める要素や業者選びのポイントなどを知っておきましょう。
<築年数による査定価格の違い>
前述でも申し上げましたが、建物は築年数によって査定価格が決まります。特に、一戸建ての場合は「築年数10年」で建物の価値はほぼゼロになるとされており、築10年以上の中古住宅の査定価格は土地の値段のみということになります。
少しでも高く一戸建てを売却したいという場合は、築10年までの築浅の状態で売却するのがベストと言えるでしょう。長く住んだ家を売却する場合はある程度妥協することも必要かもしれないので、その点も念頭に入れておきましょう。
<その他のポイント>
マンションのケースと同様で、最寄り駅の利便性や駅からの距離なども重要なポイントとなります。周辺環境が良好かなどの条件も当然ながら影響してきます。また、一戸建ての特徴ですが、土地の価値が上がっていればその分査定価格も上がるということも押さえておきましょう。
【アパートのポイント】
ここでは、アパート1棟を売却する際のおさえておきたいポイントをお話しさせていただきます。以下の3点にまとめましたので、よく確認しておきましょう。
<①アパート1棟の査定は困難>
アパートの査定額は、一般住居の査定とは違って、簡単に金額が出るものではありません。なぜならそこには「将来の収益性」が絡んでくるからです。アパートの地域、築年数によっても査定額には大きな幅がありますが、利回り10%でも十分というアパートもあれば、15%でも低いというアパートもあり、決して単純な話でありません。このケースは、買主が投資家である場合が多く、想定利回りが物件価格に与える影響は非常に大きいと心得ておきましょう。
<②高い査定が付くポイント>
基本的にアパートの売買は投資対象の売買ということになるため、将来の利回りが少しでも高く想定される物件ほど、査定価格も高くつきます。もちろん、買取業者などに売却をするケースもありますが、いずれにしても同様のことですのでお話をしておきましょう。具体的には、過去・現在・将来見込まれる入居率、賃貸需要の伸び、高い家賃を取れる確証があればあるほど、査定価格は高くなります。
ただし、どれだけ高い入居率を示していたとしても、家賃滞納が多い物件の場合は、査定のマイナス要因となります。アパート住人に連帯保証人がついているかどうかも、査定に影響を与えてきますので、注意が必要です。
<③古い物件にもチャンスあり>
アパートは、築年数が古いからと言って売れにくいというわけではありません。なぜなら、そこには減価償却に関わる大きな節税効果が期待できるからです。木造アパートの減価償却期間は22年ですので、築23年以上の物件の場合であれば、最短4年で減価償却をすることができます。これは買主にとって、大きな節税効果をもたらしますので、ぜひ覚えておきましょう。この節税効果を狙って、むしろ古いアパートを探している投資家や不動産業者が多いのも事実です。
【土地のポイント】
さて、最後は土地の売却に関するポイントですが、土地は価値の高い資産となります。土地相場というのはおおよそ決まってはいるものの、高く売却するにはどのような方法があるのかを見ていきましょう。
<土地の市場相場を把握しておく>
土地売却の場合、まずは市場相場価格を知っておく必要があります。売却する価格が高すぎると買い手がつかずなかなか売却できないことになりますが、その一方で売却価格が低すぎると、売却は早くできる可能性は高いです。しかしながら、希望する価格より安い価格で売却されてしまう可能性もあるので注意が必要です。市場相場の価格を把握して、希望とすり合わせて土地売却価格を決定することが大切なので覚えておきましょう。
<土地売却は余裕を持つことが大切>
通常、最初の購入希望者は希望価格よりも安い価格でオファーがくることが多いです。それを断り、次のオファーも希望価格に合わないからと断っていくうちに売却できないまま時間が過ぎてしまうというリスクが生じます。そのため、しっかりとした「売却時期」を計画し、おおよその売却価格の許容範囲を設定しておきましょう。後になって、「あの時売却を決めておけばよかった」と後悔する人があとを絶ちません。土地などの不動産を高く売却するには余裕を持つことが重要です。
<オークションを利用>
土地などの不動産を高く売却する方法の一つにオークションがあります。オークションであれば、出品している期間中に複数の買い手と商談することができるため、その中で一番希望に合った売却価格を提示した買い手と取引できます。これは、上記でお話をした「余裕を持つこと」につながるポイントです。ぜひ、このポイントも念頭に入れておきましょう。
不動産業者を探す際のポイントとは?
ここでは、実際に不動産を売却する先(不動産業者)を探すためのポイントについてお話をさせていただきます。これまでお話をした通り、売却先は大きく2つ(仲介業者・買取業者)に分かれますが、ここでは特に重要である「業者選び」を中心に、「信頼できる業者の選び方」についてお話をさせていただきます。
仲介業者と買取業者
本格的に不動産業者に依頼するために調べてみると、不動産業者には不動産仲介業者と不動産買取業者の2種類の業者があることがわかってきました。
両者の違いは、仲介業者を通して買主を見つけるか?買取業者に直接売るかの違いでした。
更に調べていくと、この二つの業者にはそれぞれメリットとデメリットがあることがわかりました。
【信頼できる業者の選び方とは?】
売却を依頼する不動産業者は、出来る事なら信頼できる良い業者を選びたいもの。
信頼できる業者の選び方には、大きく3つありますのでぜひ参考にしてみてください。
<営業年数を確認する>
まずは営業年数です。長く営業しているという事は経験が豊富という事です。また、安定した経営がなされているという事でもありますので信頼できるというわけです。ではどうやってそれを調べるかといえば、免許番号の数字でそれがわかります。不動産業者には免許があります。免許番号は広告や事務所、ホームページに記載されているのでこれを確認します。具体的には免許番号にあるカッコの数字です。この数字は更新するごとに増えていく数字です。
例えば中古マンション買取業者のように、その物件の種類や特徴に特化した業者もあります。ビルや農地などを得意とする畑違いな業者には頼まないようにしましょう。取引実績などから会社の大まかな得意分野を把握しましょう。
<依頼しない方が良い業者>
不動産業者にもやはり悪質な業者は存在するので、そんな業者に引っかかっては詐欺の被害者ともなってしまう可能性があります。
そのような業者に当たらないように気をつけるポイントについてもまとめてみたいと思います。
自治体は不動産会社の詳細な情報が記載されている書類を保有していますのでそれを確認してみましょう。誰でも閲覧ができるものとなっています。そこには賞罰の履歴があるので記載内容を確認しましょう。ここに汚点がある不動産会社には注意が必要です。
他にも、店頭や店内の整理整頓ができていない会社、宅地建物取引業の免許を持っていない会社、実際に専任の宅地建物取引師が在籍していない会社であったり、担当の営業が売却完了前に変わってしまったり、売却を中々しない業者は依頼を止めた方が良いです。特に売却を中々しない業者は下記にある、「調べる過程で見つけた業者選びの失敗例と被害」で説明している被害例の1つである「囲い込み」をしている可能性があります。
<業者選びの失敗例と被害例を3つ>
①「不動産を売却する買い主が決まり安心していたら、登記と引渡しの段階になって、勝手に登記をされていることが判明する」
この後、不動産会社と一切の連絡ができなくなり、代金も貰えず、不動産も失い泣き寝入りしたという話です。
このようにして失った不動産を取り返すのは非常に困難だそうです。印鑑証明は引渡しまで絶対に業者に渡してはいけません。
②「囲い込みによって最終的に物件を安く買いたたかれる」
仲介手数料は売り主からだけではなく買い主からも取ることができます。売り主の仲介業者と買い主の仲介業者が違っていれば問題ありませんが、同じ仲介業者だった場合は単純に2倍の仲介料が入ります。これは両手取引といいます。この両手取引をしたいが為に、自社内のネットワークだけで完結させようと、他社に物件の情報を故意に流さないという行為があります。これを囲い込みといいます。囲い込みでは自社のネットワークだけで完結させようとするため大抵売れ残ります。その売れ残った物件を、売れ残ったことや諸経費を口実に安く買い叩かれた、という被害です。囲い込みは禁止されていますが、今でも平然と行われているそうです。
③「値こなしで大幅な値下げをされてしまう」
物件の査定時、故意に売れるはずのない高額な査定価格を提示し、その物件を高く評価していることをアピールしたうえで媒介契約を結んでしまうことを値こなしといいます。当然、そのような物件は売れ残るため、時期を見て大幅な値下げを要求してくるのです。次に先述した囲い込みを行い、両手取引をさせようと自社ネットワーク内での買い主が見つかるまで、値下げをさせられます。契約を解除しようとしても、違約金や諸経費を不当額で要求し、逃げ道を防がれてしまいます。
【不動産業者に任せられることとは?】
では一体、不動産を売却する際に不動産業者にはどのようなことを任せられるのでしょうか。簡単にまとめましたので、ぜひおさらいも含めてご確認ください。
○売主から相談を受けた内容や条件を元に、適切な売却方法などのアドバイスをしてくれる
○物件調査を詳細に行ってくれて、査定額も算出してくれる
○売却予定の物件に法令上の問題がないかなどの役所調査を行ってくれる
○条件にあった最も適切な売却計画をたててくれる
○契約書の作成や登記関連の手続きを代行してくれる
このほかにも、ここでは記せないくらいたくさんのメリットがあります。基本的には、不動産業者に売却を依頼するデメリットよりも「メリット」の方がはるかに多いことは事実です。しかしながら、上記でも示した通り「不動産業者の選び方」については別の話です。ぜひ、上記のポイントを念頭に置きながら「最適で良い不動産業者」を選択しましょう。
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不動産売却依頼の方法
ここでは、不動産を売却する際の依頼方法について解説をさせていただきたいと思います。まずは「仲介業者」へ依頼するにあたり、押さえておいていただきたい情報がありますので、こちらからご確認ください。
【仲介業者への売却依頼で知っておきたいこと】
まず契約に関してですが、不動産を売却するにあたり、仲介業者に依頼する場合には必ず「媒介契約」という契約を結びます。
媒介契約とは、不動産業者が売り主に代わって、売却する不動産を購入する買い主を見つけ出す、という契約です。そして同時にそれは、売り主が不動産業者に依頼する仲介業務の内容や仲介手数料の金額などを明確に示させることで、仲介業務で起こり得る様々なトラブルを未然に防ぐための意味合いも兼ねています。 媒介契約を結ぶことで不動産業者と依頼者の売却と仲介の依頼関係を明らかにします。契約後は、不動産業者と依頼者には、お互いに義務と権利が発生してきます。一度媒介契約が締結されれば、不動産業者は契約内容を記載した書面を作成して記名し押印して依頼者に交付しなければならないとも定められています。
<媒介契約の種類は?>
不動産売却の媒介契約には3つの種類があります。それぞれの違いを下記に説明してきたいと思います。
「専属専任媒介契約」
3種類ある媒介契約の中では、売り主にとってもっとも強い拘束力を持ちます。強い拘束力というのは、他不動産業者への仲介の依頼はもちろんのこと、自ら探し出した相手や親戚、知人などとの直接契約も禁じられます。つまり、依頼者は他の不動産業者に重ねて依頼することができず、また自分で購入希望者である取引相手を探すこともできないという契約です。全面的に不動産会社に任せる事になるので、不動産会社の側も成約に向けて安心できる反面、責任も重くなっています。その代わりに仲介業者の売却活動に関する報告の義務も他の契約方法の中でもっとも高くなり、その状況報告の義務に定められた報告の頻度は1週間に1回以上となります。また、不動産業者は媒介契約締結後、その物件を5日以内に国土交通大臣が指定している流通機構へと登録する必要があります。
「専任媒介契約」
専属専任媒介契約と比べると、拘束力が弱いタイプの契約が専任媒介契約となります。他不動産業者への仲介の依頼は同じくできませんが、自らが探し出した相手や親戚、知人などとの直接契約はできるようになっています。つまり、依頼者は他の不動産業者に重ねて依頼することはできませんが、自分で取引相手を探す事は可能です。仲介業者の売却活動に関する報告の義務も発生しますが、専属専任媒介契約よりは拘束力の弱い契約となっていますので、その状況報告の義務に定められた報告の頻度は2週間に1回以上となります。
また、専属専任媒介契約と同じく、不動産業者は媒介契約締結後、その物件を7日以内に国土交通大臣が指定している流通機構へと登録しなければならなくなります。
「一般媒介契約」
売り主にとっては、もっとも拘束力が低い媒介契約となります。他業者は自由に仲介依頼できるので、売り主は複数の不動産業者に依頼できます。これはある意味において不動産業者が一番、売り主に選んでほしくない媒介契約とも言えます。売り主独自の直接契約も、もちろん可能となります。
<仲介業者との間に発生する手数料>
仲介業者と媒介契約を結ぶと、その不動産業者は売却活動を始めます。やがて買い主が決定し、最終的な売却価格が決定すると、媒介契約を締結した不動産業者に仲介手数料を支払わなければならなくなります。これは、ここまで何度もお伝えしてきた内容となりますが、要は「売却するために本当に必要な金額(費用)なのか?」ということを考えなければなりません。高く売るどころか、結果として「おいしい顧客」として吸い上げられているということも起こりうるのです。この点を十分に理解して、売却する方法を選択していきましょう。
<値引きの可否>
仲介業者に仲介手数料の値引きをお願いすることも十分に可能です。ですが、この値引きをお願いするタイミングは媒介契約時までとなり、この時までに値引きをしてほしいと申し出なければ、それ以降での値引きは非常に難しくなります。こちらの不利益につながるような、何かミスがあった場合を除いて、値引きは全くされません。そういう意味でも媒介契約は重要なタイミングとなります。融通が効きづらい契約でもあるため、この点でいっても、後述する「買取業者」を選択する方が賢い売却ができるかもしれませんね。
【買取業者への売却依頼で知っておきたいこと】
ここまでは、仲介業者に売却を依頼する際に知っておいていただきたいことをお伝えしてきましたが、ここでは「買取業者に売却を依頼する際に知っておいていただきたいこと」をお話させていただきます。
<買取業者と直接売買契約を締結する>
仲介業者とは違い、買取業者へ売却をする際には「不動産売買契約」を締結します。ここでのポイントは「仲介業者に依頼した際に発生するリスク」が一切生じないことにあります。まずは、上記のように仲介業者には「契約方法」によって売主にとってやることが非常に多いのに比べて、買取業者に依頼すれば「売買契約のみ」で完結してしまいます。しかも、相手はプロの業者ですので「しっかりとした業者を選定」できてさえいれば安心して取引を行うことができます。
売却後の税金
さて、最後の章になりました。最後にお金に関わる「税金」についてお話をしてお別れをしたいと思います。不動産の売却ができたからといって安心してはいけません。この売却後の「税金」について疎かな知識のままいると「高く売却できたのに損をする」という事態が生じます。ぜひ、しっかりと読み込んで、不動産を1円でも高く売るという希望を実現させましょう。
【譲渡不動産の売却後の税金について】
ここでは、譲渡不動産の売却後の税金についてお話をしていきます。まずは、控除される費用はいくつかあるということを押さえておきましょう。
<印紙税>
不動産を売買する時に作成する「売買契約書」に記載する金額に応じて、貼付する印紙代です。
※1万円未満の取引は、印紙の貼付が不要です。
尚、平成30年3月31日まで印紙税額に軽減措置が施行中です 。
<登録免許税>
不動産の売買には、所有権移転登記の手続きが必要となり、登録免許税は買主が負担します。但し、現住所と登記上の住所が異なる場合や住宅ローンが残っている場合は、売主が負担する事になります。
<消費税>
土地の売買は、消費税の課税対象とはなりません。
※但し、不動産会社に支払う仲介手数料には消費税が課税されます。
<譲渡所得税>
不動産を売却した際の差益に対する、所得税・住民税の課税の事です。
譲渡所得税は、給与所得・事業所得とは別に課税される分離課税です。
所得税(譲渡所得)の計算についてですが、財産の種類や所有期間によって、その計算方法は異なります。
譲渡所得の計算方法
譲渡所得 = 譲渡収入 - (取得費+譲渡費用)
譲渡収入とは、不動産(土地・建物等)の売却によって得られた収入です。
取得費とは、土地建物の購入代金の他、購入手数料、登記費用などの取得に要した費用です。
譲渡費用とは、仲介業者に支払った手数料、印紙代(売買契約書)、測量費などです。
取得諸費用とは、仲介手数料、印紙税、登録免許税、不動産取得税、取得から実際に使用するまでに掛かった借入金の利子、土地の測量、造成費など、不動産を取得した際に、掛かった費用が対象となります。
※取得費が分からない時
相続した不動産の場合、取得当時の資料等が無く、取得費を正確に把握出来ない場合が想定されます。
その場合は、譲渡収入の5%を取得費として計上出来ます。その他に売却代金の5%未満の時も、5%に設定する事が出来ます。
また、取得時に掛かった、増改築費や改良・設備等の費用も含める事が出来ます。この他に、特例として相続税の一部を取得費として計上する場合があります。
<相続財産に対する取得費の特例>
相続税が課税されていると、相続税額の一部を取得費として加算できる特例があります。土地、建物にも適用出来ます。
譲渡所得税額は、譲渡収入・費用・取得費から控除額を計算して、残りの課税対象額に税率を乗じた金額です。
<不動産を売却する時の節税対策について>
不動産の売却によって利益が出た時は、譲渡所得税という税金を納める必要があります。譲渡所得税とは、不動産の売却により生じた所得に対して掛かる税金ですが、売却による利益が大きいほど税金の金額も大きくなります。
※購入金額 > 売却金額 の場合には税金は発生しません。
譲渡所得税を安く抑える為に、以下の特例を利用する方法があります。
<3000万円の特別控除の特例>(国税庁HP)
不動産を売却する時に一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3000万円の特別控除の特例を受ける事が出来ます。
<不動産の所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例>
不動産の所有している期間が10年以上の場合のみ、「3000万円の特別控除の特例」と併用して、軽減税率の特例を利用する事が出来ます。
<買い替えの特例>
不動産を売却して、代わりの住居用の不動産を購入した場合、買い替えの特例を利用する事が出来ます。
まとめ
いかがでしたか?不動産売却をするにあたり、様々な注意点や押さえるべきポイントがあったかと思います。 売却をすべて業者任せにするのか、それとも自分でできることは自分で行うべきかなど、悩んでしまう方はとにかく「専門家」に任せることをお勧めします。ただし、これまでお話をしたように、ある程度の知識はあったほうがいいと思います。仲介業者と買取業者で悩まれている方は、ぜひ「自分がどのような結果を求めているのか?」「どちらの方がリスクなのか?」といったことを念頭に判断していくことをお勧めします。ここでは「買取業者」のメリットなどを特に強調してお伝えしてきましたので、もしもう少し詳しく話を聞きたいという方は、ぜひ買取業者に気軽に相談してみましょう!時間的に余裕のある方もない方も、ぜひこの記事を参考にして、少しでも得をするように不動産を買取してもらいましょう!
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