不動産売却を個人で行う時の注意点
不動産の売却は、ほとんどの場合、不動産会社に仲介を依頼することになるのですが、中には、個人で売却を行うケースもあります。
例えば、親子や兄弟、夫婦や親族などの間での取引をすることもありますし、オークションサイトなどを利用して成約することもあります。
ここでは、不動産売却を個人で行う時の注意点について解説していきます。
個人で行う取引の手順
1.相場をチェック
まずは売却したい不動産の相場をチェックすることから始めます。
国土交通省のホームページから公示地価や取引事例を調べたり、国税庁のホームページから路線価を調べる方法もあります。
公示地価はおおよそ市場価格の90%から100%、路線価は市場価格の70%から80%が相場となっているため、そこから売却価格の算定をします。
面倒な場合は、一括査定サイトにて、複数の不動産会社に査定価格を出してもらうのも良いかもしれません。
2.売り出し価格を決める
先述した公示地価や一括査定サイトの査定価格などを参考にして、物件の売り出し価格を決めます。
最初の売り出し価格と、相場に近い価格と、交渉の際に「ここまでなら値下げしても良い」という価格を決めておくと、交渉の時に慌てなくて済みます。
3.広告を出す
インターネットのポータルサイトに有料で登録するか、もし無料で広告や宣伝をしたい場合には、オークションサイトへの登録や、SNSを利用して、知人のネットワークに告知する方法があります。
他には有料でチラシを作成して、自身で近隣にポスティングするやり方もあります。
4.購入希望者からの問い合わせの対応
広告や宣伝をすることで、購入希望者からの問い合わせがあった場合には、自身ですべて対応することになります。
購入希望者からの質問に答えられるように、ある程度答えを準備しておくと良いでしょう。内覧の日程も相手の都合を聞いて、自身で決めていきます。
5.売却価格の交渉
最初の売り出し価格通りに売却が決まれば良いのですが、大抵は購入希望者との交渉により値下げをすることになります。事前にある程度「値下げ幅」を決めておくと良いでしょう。
6.売買契約書の作成
購入希望者と価格の交渉が成立したら、次は売買契約に移ります。
売買契約の際に使用されるのが売買契約書ですが、インターネットで検索すると、
雛形が見つかりますので、それを使って作成するとスムーズにできるでしょう。
売買契約書には、売却価格に応じた収入印紙を貼ることになります。
売却価格や手付金については、金額と受領日も記載します。
固定資産税の精算や引き渡しの日などもきちんと記します。
7.決済および登記
代金の決済が済みましたら、所有権移転登記をします。
司法書士に依頼することが一般的ですが、個人で行う人もいるようです。
8.物件の引き渡し
マンションなどの場合、引っ越しを済ませた後に、購入者(買主)に鍵を渡して引き渡しが完了します。
仲介手数料が発生しない
個人での売却で最もメリットとなるのは、不動産会社に支払う仲介手数料が発生しない点でしょう。
仲介手数料は、不動産会社によっては無料や半額となるケースもありますが、ほとんどが上限金額で請求されることになります。
この仲介手数料の中から、不動産会社は物件の広告にかかった費用や人件費などが支払われます。
仲介手数料は、売却価格400万円を超える場合、(売却価格×3%+6万円)×1.08(消費税8%)にて計算されます。
仮に1千万円の売却価格としますと、(1千万円×3%+6万円)×1.08(消費税8%)=388800円が仲介手数料の上限金額となります。
個人売買が普及しない理由
不動産の売却を個人で行う理由には、先述したように、仲介手数料の節約という部分があるのかもしれません。
個人で簡単に誰もが売却できるのであれば、もっと個人売買が普及してもおかしくないように思われます。
個人売買が普及しないのはどういった理由があるのでしょうか。
1.販売活動の手間がかかる
あらかじめ買主が決まっているのならともかく、ゼロから探していくとなると、やはりインターネットの不動産ポータルサイトに有料で登録したり、チラシを印刷して新聞の折り込み広告やポスティングをするなどの手間がかかります。
その他にも購入希望者との質疑応対などを、自分一人でしなければなりません。
不動産会社に仲介をしてもらえば、この工程はすべて「おまかせ」することができます。
2.問題が起きた場合、自分で対処しなければならない
不動産は売却して引き渡しをすれば、それですべて完了ではありません。
物件の引き渡し後に、設備が故障したり、雨漏りなどがあった場合、売買契約の時点で説明していなければ、一定期間の間に起きたことであれば、修理費用は売主の負担となります。(瑕疵担保責任)
まとめ
不動産の売却を個人で行う時の注意点は、売買契約書などの書類の作成や、決済後の登記、そして問題があった場合の対処ということになります。
売却を検討している不動産を査定してみてはいかがですか?
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