相続した不動産で年間30万円の出費!損する物件は早めに売ったほうがいい?
相続した空き家。活用できず高い固定資産税を払い続けている人いますよね。手入れや管理が行き届かなくて放置すると「特定空き家」に認定されてしまい厄介です。
かといって空き家を取り壊して更地にした場合は固定資産税が6倍になりますし、なにかと扱いに困っているという話を聞く機会が多々あります。
空き家で年間30万円の出費
特定空き家に認定されないためには、住居用として痕跡を残さなければなりません。つまり、住んでいない・利用していないと判断されれば、特定空き家に認定されてしまうわけです。
各地域の地方自治体が空き家を見て回り、特定空き家に認定されると罰則や罰金といったペナルティ(空き家対策の特別措置法)が科せられ、いろいろと面倒になります。
そのため、特定空き家にならないように空き家を定期的に手入れしたり管理したり、たとえ住まなくても水道や電気など通しておく必要があるのです。
ここで問題になるのが管理費や維持費。
名古屋市に住んでいるAさんは3年前に父の遺産を相続し、そのなかに実家も含まれていました。すでに母も他界している状態。
父が亡くなり岐阜県の実家は空き家となり、3年前からAさんが定期的に管理しているそうです。管理や維持に必要な費用は年間、およそ28万円~30万円とのこと。
<管理費・維持費の内訳>
- 固定資産税 4万円
- 住民税の均等割り 8,000円
- 火災保険料 2万円
- 地震保険料 2万円
- 水道光熱費 5万円
- 地域の年会費 15,000円
- 年2回、雑草の除去を業者に依頼 5万円
- シロアリ駆除や修繕費用 15,000円
- 年3回の交通費(空き家の掃除に行く)6万円
合計・・・278,000円
一度、建物の修復に10万円ほど必要だったようで、Aさんが過去3年で支払った総額は約95万円。平均すると空き家の管理で年間30万円前後を出費していたことになります。
売却するべきか、維持するべきか
思い入れが強い大切な実家ということもあり、「売ったほうがいいのか」「このまま維持し続けるべきなのか」、Aさんは相続した空き家の対処に困っていました。
そんなとき、Aさんにアドバイスしたのが奥様。悩みを解決しやすいように奥様は次のような問題点を並べ、「空き家をどうするべきか?」をAさんと冷静に話し合ったとのこと。
・問題点1 維持し続けるには年間30万円の出費は避けられない
・問題点2 将来的に大幅な修繕が必要になると費用の負担が大きい
・問題点3 管理せず放置すると特定空き家に認定されて罰則を受ける
・問題点4 空き家を壊して更地にすると固定資産税が今の6倍になる
・問題点5 空き家の状態で自分の子供に相続すると子供も同じ悩みを抱える
そして、Aさんに用意された選択肢は次の5つ。
・選択肢1 空き家を維持するために年間30万円を払い続ける
・選択肢2 空き家を壊して更地にして6倍の固定資産税を払い続ける
・選択肢3 空き家を放置して特定空き家に認定され罰則を受ける
・選択肢4 空き家の状態で売却する
・選択肢5 空き家を壊して更地にした状態で売却する
空き家を賃貸したり更地にして駐車場などで再利用したりする手段もありますが、地域的な問題もあって活用は望めない状態。維持するか、売却するかの選択肢しかありません。
維持するメリットと売却するメリット、放置する危険性を客観的に照らし合わせて冷静に考えたところ、「空き家を維持するデメリットや問題点の大きさ」に気づいたそうです。
負担が軽くなり悩みも減った
空き家の売却を決意したAさんは、4つの不動産会社に査定を依頼。査定価格を確認したあと、不動産会社と媒介契約を結んで販売活動をスタートさせました。
訪問査定の価格は1,100万円。相場より少し低い価格でしたが、築年数が古いわりには使用している建材や維持の状態が良いとの理由で、売り出し価格も強気の1,380万円を設定。
しかし、さすがに強気な価格では売却が難しく、購入希望者の価格交渉に応じた末に1,200万円で売買成立。最終的には相場と似たような金額で売ることができて納得。
これまで3年間で支払った95万円の維持費と差し引きしても利益が残る結果となりました。売却後、Aさんは売却を仲介した担当者に、こう話したそうです。
「父が亡くなって以来、相続した空き家の維持費は大きな悩みでした。10年後も払い続けている姿を思い浮かべると、支払が来るたびにゾッとしていました」
「しかも、地域的に土地の相場が下がる可能性も高かったので、早めに売却して正解だったと思っています。なによりも、毎年の出費が減って管理の悩みもなくなるのでホッとしています」
誰も損しない、まさに納得のいく不動産売却が成功した良い例と言えますね。優良な不動産会社が仲介したからこそ、好ましい結果に終わったと言えるでしょう。
空き家の維持や管理で悩みや問題を抱えている人は、Aさんのケースを参考に今後の対処法を検討してみてはいかがでしょうか。
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