不動産の物件広告で見かける「住宅性能表示制度」とは?その信憑性は?

不動産の物件広告で見かける「住宅性能表示制度」とは?その信憑性は?

 

住宅性能表示制度は、2000年4月1日施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に則った制度であり、2000年10月から新築住宅に対して実施が開始され、2002年12月からは既存の住宅(中古住宅)に対しても実施されるようになりました。

 

住宅性能表示制度

 

住宅性能表示制度は、これまでは比較が難しかった住宅の性能について、同じルールに沿うことでユーザーが比較をしやすくすることを目的としています。

 

新築住宅に関しては、設計図面から評価される建築前の「設計性能評価」と施工完了後の評価である「建設性能評価」の2種類があります。既存住宅(中古住宅)に関しては、「既存住宅性能評価」にて評価されます。

 

レベルの指定

 

新築の注文住宅の建設前に、「耐火等級2」「省エネルギー対策等級3」といったように、性能ごとのレベル(数値)を指定することができるのはもちろんのこと、実際の施工にてレベル通り実施されているかどうかということを専門家の目で確認してもらえます。

 

分譲住宅に関しても、物件ごとの性能レベルが表示されるため、この数値で比較した購入の検討が可能となっています。

 

10分野の性能評価項目

 

新築住宅の性能評価項目には、次の10分野となっています。

 

1.構造の安定(耐震等級)

 

建物の地震に対する強さについての評価です。

建築基準法の基準を上回るものが「等級1」となっています。

数値が高ければ高いほど地震に対しての強さを表しています。

 

2.火災時の安全(耐火等級)

 

住宅内で火災が起きた場合に、安全に避難できることや、火の拡がり具合、隣接した建物からの火災による延焼の少なさを評価しています。

 

3.劣化の軽減(劣化対策等級)

 

経年劣化による土台や柱といった構造躯体への耐久性を評価しています。

木造に関しては腐食を防ぐ対策、鉄筋コンクリート造に関しては、コンクリートがもろくなることを防ぐ対策、鉄骨造の場合には、錆や腐食の対策が評価されています。

 

4.維持管理・更新への配慮(維持管理対策等級)

 

給排水管やガス管などの点検や清掃、部品の交換といった、メンテナンスのしやすさが評価されています。

 

5.温熱環境・エネルギー消費量

 

冷暖房効率を高めるための窓や壁の断熱性が評価されています。

「断熱等性能等級」や「一次エネルギー消費等級」にて表示されます。

 

6.空気環境

 

シックハウス対策として、ホルムアルデヒドなどの空気中の濃度測定や、換気設備について評価されています。

「ホルムアルデヒド発散等級」や「濃度測定」などで表示されます。

 

7.光・視環境(単純開口率)

 

建物の東西南北と上部に設置されている窓の大きさで、採光性を評価しています。

「単純開口率○○%」という形で表示されます。

 

8.音環境(重量床衝撃音対策等級)

 

主にマンションなどの共同住宅の、上下や隣の住戸に対する遮音性を評価しています。

 

9.高齢者等への配慮(高齢者等配慮対策等級)

 

高齢者や障害を持つ方のためのバリアフリー対策の評価をしています。

 

10.防犯(開口部の侵入防止対策)

 

ドアや窓などの外部開口部への防犯対策を評価しています。

 

性能評価の手順

 

国土交通大臣の登録による、登録住宅性能評価機関に所属する評価員によって、性能評価をします。

 

評価の手順として、設計図書が作成後、設計図書の評価をします。評価後は、設計住宅性能評価書が交付されます。続いて実際の施工をしている段階と、完成した段階での検査にて合計4回の評価が実施され、最後に引き渡しの際に、建設住宅性能評価書を交付されることで完了します。

 

指定住宅紛争処理機関の利用

 

住宅性能評価書の交付のあった住宅におけるトラブルがあった際には、各地の弁護士会で構成された「指定住宅紛争処理機関」にトラブルの処理を申請できます。

裁判を起こさない解決方法を採用しているため、1件につき1万円にて利用できます。

 

紛争処理は、早期解決や技術的な争点の少ない際に採用される「あっせん」と、「あっせん」にて解決が難しい法的や技術的な争点に適している「調停」、そして民事訴訟に代わる効果のある「仲裁」の3種類から選ぶことができます。

 

保険や税金などの優遇があります

 

住宅性能評価書が交付されることで、保険や税金などの優遇があります。

 

地震保険料の割引

 

例えば地震保険では、2014年7月1日以降保険が開始された場合、免震建築物で50%、耐震等級1で10%、耐震等級2で30%、耐震等級3で50%の地震保険料の割引があります。

 

住宅ローン減税制度

 

所有者本人が居住している住宅で、床面積50平方メートル以上で、10年以上の住宅ローンを設定している場合、住宅ローン減税が適用されることがあります。(2019年6月30日までに居住していることが条件です)

 

中古住宅での住宅ローン減税の適用条件の中に、耐震性を証明するための書類のひとつに、住宅性能評価書の提示があります。

 

贈与税の非課税措置

 

祖父母または父母から住宅用の購入資金として、贈与を受けた場合、2016年1月から2020年3月に契約した「質の高い住宅」に関しては1200万円まで非課税となります。

「質の高い住宅」の条件の中に、耐震性を証明するための書類として、住宅性能評価書が含まれています。

 

まとめ

 

住宅性能表示制度は、建物の評価基準のひとつであるとともに、保険や税金での優遇面があります。

住宅性能表示制度で評価されたマンションを、不動産査定してみてはいかがですか?

関連記事:不動産の売主が知っておきたい住宅性能評価(表示)のメリット

 

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