自分で不動産売却をできない時の「委任状」の作り方
不動産を売却する場合は、不動産の所有者自身が契約を行うことが原則となっています。
しかし中には、遠方に住んでいるなどの諸事情によって契約が結べない場合があり、その際には「代理人」を立てることによって、売却手続きを代わってもらうことができます。
所有者は正式に依頼を行うために、委任状を作成しなければなりません。今回はこの委任状の作り方や、委任の際に注意したいポイントなどについて見ていきたいと思います。
・委任の際に必要とされるもの
代理人に依頼をする際には、下記のような証明書類、確認書類などを準備しておきましょう。法律に基づいて、正しく手順を踏んでおくことが大切です。
■売り主の委任状
■売り主と代理人の方の印鑑証明書
■代理人の実印
■売り主と代理人の本人確認書類
売り主は代理人に連絡し、印鑑証明書や実印、本人が確認できる書類などを準備してもらいます。
売り主自身も、委任状を作ってからさらに自分の実印や印鑑証明書、本人確認書類などを忘れずに用意します。印鑑証明書は3ヶ月以内のものを1通使うので、期限が切れていないかどうかチェックすることも忘れずに。
万が一書類に不備があると書類が差し戻され、適正な委任ができなくなる可能性があります。書類を書きなおして再提出するまでのスケジュールの乱れが生じる可能性もあるため、念入りに準備を進めていきましょう。
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・委任状の書き方
委任状は不動産の所有者が代理人に権限を与えるための書類です。当然のことながら、内容については必要最小限の項目をすべて網羅し、白紙などにならないよう注意して記載しなければなりません。
委任状にはまず「委任状」と一番上に記載し、その下に以下のような順番で記載していきます。
■委任者の住所・氏名・押印
■代理人の住所・氏名
■受任者を代理人と定める旨
■登記の目的
■原因
■権利者の住所・氏名
■義務者の住所・氏名
■不動産の表示
■該当する不動産の概要
■不動産の金額
■引渡しの予定日時
■委任状の有効日時および記載日時
これらを明記することで、委任状に記されている委任者と代理人の関係が分かり、さらに該当の不動産について売却を依頼されたということが伝わりやすくなります。
・委任状作成時のポイント
委任状を作成する際には、「所有者自身が第三者の代理人に正式に委託をします」ということを最低限伝えなければなりません。委任の内容を書かずに委任状を作っても、内容が明瞭でなければ差し止められてしまう可能性があります。
すべて白紙で提出する「白紙委任状」を作成する場合には、代理人が所有者から委任されていること以外のことでも自由にできてしまうため、思わぬトラブルやリスクを呼び込む可能性があります。
委任状は万が一のトラブルを防ぐために、代理人ができる行動をきちんと書面で制限し、それ以上の勝手な行為ができないように定めておかなくてはなりません。悪用などを防ぐためにも、委任内容は明瞭に記載しておくことです。
不動産の売却を他の方に頼むことで、不動産の所有者自身は手続きなどの手間が省け、非常に楽になります。
しかし権利を第三者に委任することにはリスクもつきもの。思わぬトラブルを呼び込まないためにも、委任をしてから任せっぱなしにするのではなく、きちんと義務を果たしてくれているか、逐一チェックしていくことが大切です。
売却に関する契約は複雑な部分も多いです。それを代理で行ってもらうのですが、面倒だからといって途中で投げ出してしまうわけにはいきません。
したがって、委任をする相手(代理人)は、代理権の内容を把握し、決まり事を遵守してくれる人を立てるようにしましょう。
委任状を作り、正しく申請したとしても、委任する側とされる側に面識がなかったり、あまりよく知らない間柄であったり、ただの親戚というだけ・・・のような関係では、少し心もとない感じがします。
最後まで正しく代理人として契約を進めてくれるかどうか、信頼に足る人物にお願いするのがベストです。
物件の所有者ではない人が契約の現場にやってくる場合、買い手は非常に不安に感じます。その場合、買い手が司法書士に依頼をして、売り主ご自身の本人確認と売却意思の確認を取る場合もあります。
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・司法書士への代理依頼も可能
家族や友人など身の回りの人間から代理人が立てられない場合は、司法書士に委任をする方法もあります。
日本の法律では、司法書士や弁護士には不動産の売却の代理人となることができる旨が規定されているため、安心してお任せすることができます。
法律に詳しい専門家に代理人をお願いすれば、トラブルの多い不動産売買契約についても安心です。委託の際に費用が少々かかってしまいますが、その分安全かつ確実に売却手続きが進められます。
・まとめ
いかがでしたか?委任状は正しい書式に則って、記載漏れのないように書きしるすことがポイントになります。
白紙で提出をしたり、記載漏れなどが発生しないように注意し、信頼のできる代理人を立てたうえで、確実に不動産売却を進めていきましょう。
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