2つの不動産査定、「簡易査定」と「訪問査定」って実際にはどう違うの?

2つの不動産査定、「簡易査定」と「訪問査定」って実際にはどう違うの?

 

不動産を売却する場合、不動産会社などで専門の鑑定業務を担当する鑑定士に依頼し、物件や土地の査定を行います。そこで導き出された査定額をもって、売り主に価格を提示し、売り主が納得すると売り出し価格が決まります。

 

査定には大きく分けて2つ、「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」という方法があります。

 

・簡易査定(机上査定)について

簡易査定は、必要な情報だけを集めて簡易的に価格を査定する方法です。別名「机上査定」とも呼ばれています。担当者による現地調査を経ずに、売買予定の不動産のデータを元に客観的な査定を行います。

 

簡易査定では不動産そのものの情報はもちろん、不動産の周辺で行われた過去の取引事例や成約事例などを手掛かりにしたり、その年の公示価格などのデータを参照して、概算で価格を算出します。

 

担当者が現地を訪れない簡易的な査定ですので、物件や土地の正確な価格は算出することができません。しかし、売り主側に時間がない場合や、詳細な訪問査定が必要ない場合、不動産の売買を本格的に進める前段階などに活用できます。

 

簡易査定の流れとしては、以下の通りになります。

 

1、簡易査定を申し込む(物件や土地のデータを不動産会社に伝える)

2、物件の周辺の成約事例や条件が近い物件の価格を元に価格を算出する

3、条件の違いなどを鑑みて補正を加え、価格を最終決定する

4、不動産会社から依頼者に対して簡易的な査定額が伝えられる

 

簡易査定においては、戸建てであるかマンションであるかといった基礎的な情報のほか、駅などの公共交通機関への距離や物件の築年数・面積・階数などを考慮します。

 

物件の特徴やメリットなども伝えると、簡易的な査定結果にも物件ごとの追加情報が加味されるため、査定結果に微妙な違いが出てきます。簡易査定を申し込む際、不動産会社によっては「できるだけ詳細に情報を入力してください」と求められる場合もあります。

 

簡易査定はあくまでも「我が家がいくらで売れるかな?」といった疑問を解決するために、売り主が簡易的に利用する査定方法です。本格的に物件の売買を進める際には、簡易査定とは別に訪問査定を行わなくてはなりません。

 

・訪問査定について

訪問査定は、簡易査定に使用される物件や土地のデータを使用しながら、さらに現地に担当者を派遣して行われる詳細な査定方法です。簡易査定を行ってから訪問査定を行い、具体的な売却計画の策定に入る不動産会社も多いです。

 

訪問査定では依頼者から受け取った情報を精査し、土地や物件の細かい特徴や差異などをチェックして、土地価などのデータも鑑みながら正確な不動産の価格を算出します。物件の立地や状態など、詳細なチェック項目にもとづいて、専門の鑑定士によるチェックが受けられます。

 

訪問査定の流れとしては、以下の通りになります。

 

1、訪問査定を申し込む

2、日程を調整し、担当者が現場を訪れる

3、物件や土地の状況、状態、日当たりや騒音などをトータルでチェックし査定価格を算出する

4、訪問査定から数日後に不動産会社から依頼者に対して詳細な査定額が伝えられる

 

訪問査定はすべての不動産会社が行っているわけではなく、中には簡易査定を申し込んでから訪問査定につながらないケースもあります。不動産会社から連絡や返事があれば、話し合いをして具体的な訪問査定の日取りを決めます。

 

・査定は複数回行うのがおすすめ

不動産売買においては、精度の高い査定結果を導いておくことが大切です。特に訪問査定では物件ごとによるメリット・デメリットが客観的に判断されるので、簡易査定よりもさらに具体的な価格を知ることができます。

 

不動産会社によって査定額が変動する可能性もあります。査定額に納得できない場合は、別の不動産会社に査定を依頼し直すことも可能ですし、いくつかの査定結果を比較したうえで売却計画を進めていくと安心です。

 

簡易と訪問、両方の査定を併用する方法も可能です。いきなり不動産を売却したくない、もしくは売却計画がまだ曖昧な状態であるという場合に、簡易査定だけを申し込んでおいて、そこから徐々に売却を検討していくこともできます。

 

訪問査定を経ると、不動産会社は家主が「売却に真剣である」とみます。まだそれほど具体的な売却は考えていないけれど、とりあえず家の価格が知りたいという時には、簡易査定から利用してみてください。

 

・まとめ

不動産の価格や価値を知るには、簡易査定と訪問査定という2種類の方法が利用できます。どちらも不動産会社が行う査定方法ということで、信頼性は高いのですが、会社によって査定額が変動することも忘れてはならないポイントです。

 

1社だけに査定を申し込むと、その会社の算出した価格だけで売却計画を進めなくてはなりません。しかし数社の査定結果を持っていれば、そこから「うちは本当はいくらで売れるのか?」と比較検討をすることができますので、ぜひ数社の査定を利用されることをおすすめします。

 



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です