今さら聞けない!中古住宅や土地の売却における「境界確認」の必要性
一戸建てなどの中古住宅の売却の際には、隣接した建物や土地との間にある境界を、きちんと確認しておくことで、境界に関するトラブルを防ぐことにつながります。
境界は、土地確定測量の際に境界杭または境界標を埋設することによって確定します。
土地境界確定測量
土地境界確定測量は、土地の測量を行い、隣接する土地や建物との境界を確定させることで、土地の現状での面積を計測し、測量図を作成することをいいます。
土地境界確定測量の対象となるのは、隣との境界杭や境界標が見つからない土地や、境界の目安となるフェンスや壁がない土地があります。
他にも人気のあるエリアの土地や、相続税の物納の担保となる土地も該当します。
土地の売買契約の前に、買主から要請されて行うことが多いのですが、あらかじめ売主が取引を円滑に進めるために行っておくケースもあります。
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土地境界確定測量の流れとは?
土地境界確定測量は、土地家屋調査士によって行われます。
土地の売却の際に、売主が仲介を依頼した不動産会社から土地家屋調査士を紹介されることが多いようです。
まずは資料調査から
土地境界確定測量は、まずは資料調査から始まります。
土地のある地域の法務局や市町村役場に行き、登記簿謄本(登記事項証明書)や地積測量図や古地図から調査をします。参考のために航空地図を使うこともあります。
この段階で過去の境界確定資料や、過去における境界に関するトラブルを確認しておき、依頼者への見積書によって見積金額が提示されます。
近隣への挨拶回りと事前調査
測量をする土地の近隣の家に挨拶をしに行き、測量の目的を伝えたり、測量の立ち会いに都合の良い日時や、過去の測量の有無や資料の有無を尋ねます。
この挨拶回りの時に、最初に集めた資料をもとにした事前調査も行います。
測量と境界の確認作業
すでに埋設されている境界標や境界杭を確認し、土地の測量をします。
図面を作成
測量の結果で出た数値と、資料の内容を照合しながら、図面を作成します。
立ち会い
隣接する土地や建物の所有者に立ち会ってもらい、境界を確認します。
国有地や市有地と面している土地の場合は、市町村役場の職員が立ち会うこともあります。
境界杭または境界標の埋設
立ち会いをした「すべての人達」からの承諾が得られましたら、コンクリート製の境界杭もしくは金属プレート製の境界標を埋め込みます。
必要書類の作成
写真の撮影や筆界確認書の作成をしてから、地積更正登記や分筆登記に必要な書類を作成します。
署名と押印
隣接した土地の所有者全員から、作成した境界確認書に署名と押印をしてもらいます。
土地境界確定測量の期間
土地境界確定測量の期間は、早くて1ヶ月から2ヶ月、平均では3ヶ月から4ヶ月となっています。隣接した土地の所有者から承諾されない場合、1年以上かかることもあります。
ごくごくまれな例ではありますが、隣接した土地の所有者から承諾が得られず、境界の確定ができなかったケースも過去にはあるようです。
境界確認書
境界標や境界杭の埋設で境界を確定したとしても、後々の工事などで境界杭が抜けてしまうことや、動いてしてしまうこともあるようです。
売買によって隣接した土地の所有者が変わることで、その所有者からの土地の面積に関するクレームの可能性もあります。
そうしたトラブルを回避するために作成されるのが、境界確認書です。
境界確認書には次のような項目があります。
1.境界確認を実施した土地の地番
2.境界の位置を示した図面
3.図面通りの境界であることを確認した日付とその内容
4.2通の境界確認書が作成され、隣接した所有者とともに保管し合うこと
5.土地の所有者の変更があったとしても、境界確認が継続されること
6.土地の所有者の住所、署名、印鑑登録した実印の押印
7.隣接した土地の所有者の印鑑証明書
8.境界確認書の作成日と作成者の氏名と押印
9.その他の特記事項
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境界確認をするメリットとは?
境界確認をすることで、3つのメリットがあります。
1.面積の確定
土地の面積が確定することで、円滑な売買取引につながることが考えられます。
実測面積による取引となるため、購入者の不安が解消されるメリットもあります。
2.近隣トラブルの回避
境界杭や境界標が設置されるため、境界にまつわる将来的な近隣トラブルの回避につながります。
3.相続手続
相続の際、土地を売却したり、財産分割をする場合、境界が確定していることで、容易に行うことができ、費用の負担も少なくなります。
まとめ
中古住宅の売却の際に、隣接した土地や建物の境界を確認しておくことで、買主との間の取引が円滑に進めやすくなります。
境界の確認には、土地境界確定測量を行い、境界標や境界杭を埋設してもらい、境界確認書を作成した後に、近隣の土地の所有者から署名と押印をしてもらうことで境界が確定します。
境界が確定することで、将来的な境界に関するトラブルの回避につながり、近隣の所有者が変更しても境界が継続されます。
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