家族が壊れる前に——相続不動産の真実

Odin不動産売買株式会社 代表取締役 西 恭平

母が亡くなってから、兄妹の会話がなくなった。
たった一枚の登記簿が、家族を引き裂いた——。
相続不動産とは、「過去」と「未来」が交差する場所だ。
私は大阪で数百件の相続相談を受けてきたが、
“売ることが悪”だと思い込む人ほど、最後に深く傷ついていた。
この物語は、家族を守るために「家を手放す決断」をした人々の、
静かで、けれど真実の記録である。


母が遺した家——家族の崩壊はここから始まった

「兄が、勝手に実家を売ろうとしているんです。」
電話の向こうの女性の声は震えていた。
東大阪の古い住宅街。母が亡くなったのは、わずか2か月前のことだった。

築47年の家。白い外壁は雨で黒く汚れ、玄関先には母が育てていた鉢植えが残っている。
「母の形見だから、売らないでほしい」と泣く妹。
「税金も修理費も誰が払うんだ」と叫ぶ兄。

葬儀が終わったあと、家族の関係も終わってしまった。
兄妹をつないでいたのは母であり、母がいなくなった瞬間、家は絆を断ち切る凶器に変わった。

家は“想い出”か、“負債”か

私はこの仕事をして26年になる。これまで数百件の相続相談を受けてきたが、
家が原因で兄弟が絶縁する光景を何度も見てきた。

不動産は単なるモノではない。親の歴史、子どもの記憶、兄弟のプライド、そしてお金。
それらが複雑に絡み、誰もが「正しいことをしている」と信じたまま、壊れていく。

「家を守る」と言いながら、現実には誰も守れない
老朽化した家は、税金と修繕費で静かに家計を削る。
“思い出”では、固定資産税は払えない。

放置された家が“負債”になる構造

  • 誰も住まないのに、毎年かかる固定資産税。
  • 草が伸び、隣人から苦情が届く。
  • 台風で瓦が飛び、損害賠償が発生する。

相続登記をしないまま放置すれば、2026年からは過料(罰金)対象になる。
未登記のままの家は、法的にも“持ち主不明土地”として扱われる。
つまり、「放置する自由」は、もうないのだ。

相続が「家族」を壊す理由

相続の会話をするとき、人は二つの言葉を交互に使う——「感情」と「理屈」。
感情は「思い出を守りたい」。理屈は「負担が大きい」。
だが、その両方を満たす選択肢はない。

兄は「母の想いを残そう」と言う。
妹は「現実を見て」と言う。
どちらも正しい。だが、二つの正義がぶつかると、争いになる。


実際の現場:大阪市東成区の事例

母が亡くなり、三人の兄妹が家を相続した。
長男は大阪に残り、次男は東京、三女は海外在住。
名義は共有のまま。誰も住まない。
やがて連絡が取れなくなり、家は3年間放置された。

雑草が生え、近所から「虫が出る」と苦情。
行政が「改善命令」を出し、やむなく売却を試みたが、登記人不明で契約が進まない。
最終的に弁護士を入れて処理したが、相場より300万円も安く売ることになった。

放置は、愛ではない。放置は、時間を敵に回すことだ。

家を“残す”ことが目的化していないか

多くの家族が「残すこと=親孝行」だと思っている。だが、現実は違う。
残すことが家族を縛り、家を老朽化させ、次の世代に重荷を渡している。

家を守るとは、「建物」ではなく「家族の関係」を守ること。
それを忘れると、家はいつか家族を食い潰す存在になる。

「売る」ことは、裏切りではない

ある兄弟は、「母の家を売るなんて絶対に許さない」と言い合った。
だが、3年後に彼らは決断した。

「母は、家を残したかったんじゃない。家族が仲良く生きてほしかったんだ。」
そう言って家を売り、売却資金の一部で墓を整え、残りを三等分した。

最後に長男が言った。
「母の家を売ったけど、母の想いは残せました。」

この瞬間、私は確信した。
家を売ることは、壊すことではなく“解放”なのだ。

相続不動産に潜む“制度の壁”

  • 共有名義だと全員の署名が必要。
  • 1人でも行方不明だと契約できない。
  • 相続登記を怠ると、後から手続きは数倍面倒になる。
  • 控除特例を逃せば、3000万円の節税機会を失う。

これらは知っているか知らないかで損益が何百万単位で変わる
不動産相続は、感情の問題であると同時に、情報戦でもある。

だからこそ、「相談」が必要だ

家族の話し合いは、時に限界がある。だからこそ、第三者が必要だ。

Odin不動産売買では、「家族を壊さない相続」をテーマに、
法律・査定・再生・税務の観点から最適解を提案している。

売却ではなく、家族の再生こそが目的だ。

行動する人だけが、家族を守れる

法律は変わる。家は老いる。人は年を取る。
でも、「行動するかどうか」は今、決められる。

– 登記は済ませたか?
– 共有名義を整理したか?
– 家族で方向性を決めたか?

これらを放置したままでは、いつか“特定空き家”の通告が届く。
そのとき、あなたは自分の家を守る自由さえ失う

最後に——“家族を守る”ということ

家を残すことが愛情ではない。壊さないようにと我慢することが、かえって家族を壊すこともある。
大切なのは、思い出を心に残す勇気と、現実を動かす決断だ。

「母の家を売ってよかった」
そう言える家族が一組でも増えること。
それが、私がこの仕事を続ける理由だ。


Odin不動産売買株式会社
大阪市城東区
代表取締役 西 恭平

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