昭和の時代だけじゃない!「原野商法」とその二次被害について

17-01-15

昭和の時代だけじゃない!「原野商法」とその二次被害について

 

「原野商法」というのは、1970年あたりから1980年代のバブル期にかけて、被害が続出して社会問題となった詐欺の一種です。

 

ほとんど価値のない山奥の土地などを、「将来必ず値上がりします」と、言葉巧みに本来の10倍から100倍ほどの価格で販売して、多大な利益を上げている不動産業者が存在していました。

 

原野商法の問題点

 

1970年あたりは、高度成長期の後の「空前の好景気」だったこともあり、株式や不動産の売買取引が活発に行われていた時期でした。

 

特に不動産に関しては、手元のスマホで誰もが情報を手に入る2017年とは異なり、買い手市場だったにもかかわらず、きちんとした情報が得られなかったため、「リゾート地の土地の購入」という言葉が、とてもとても魅力的に感じられたのかもしれません。

 

もちろんリゾート地の開発自体に問題があるわけではなく、きちんとした取引も少なからずあったと思われますが、原野商法で扱われる土地には、4つの「使えない」理由を持っていました。

 

1.都市計画区域外の土地

 

基本的に住宅は、都市計画法によって「都市計画区域」に指定されたエリアにのみ建てることができます。

 

ところが原野商法で販売されていた土地は、都市計画区域外の土地ばかりでした。

都市計画区域外の土地には、開発などがきちんと認められた場合を除き、住宅などの建物を建てることはできません。

 

2.辺鄙(へんぴ)な場所にある

 

原野商法で扱われていた土地は、山奥などの辺鄙な場所にあるものがほとんどでした。

そのため、地図を見ながら現地に向かっても、土地そのものを見つけることすら困難だったと言われています。

 

3.道路が存在しない

 

建物を建てるためには、「建築基準法で定められた道路」に接していることが条件となります。

原野商法で販売されていた土地は、そのような道路が存在しないため、購入しても別荘などの住宅の建設ができない土地でした。

 

4.ライフラインが存在しない

 

原野商法で扱われていた土地は、前述したように「道路が存在しない」ような土地ですので、ガスや電気、上下水道といったライフラインそのものがありません。

 

原野商法の二次被害

 

昭和の時代に被害者を続出させた原野商法は、昭和の終わりから平成に元号が変わった1980年代後半から二次被害に遭う人が出てくるようになりました。

 

原野商法で購入させた「使えない土地」を、「土地を高く買いたい人がいます」「そのためにも測量が必要なんです」といった言葉で、高額な費用を請求するケースです。中には新たに使えない土地を購入させるという手口もあるようです。

 

原野商法の二次被害に関しては、2014年10月に、大阪の不動産会社「株式会社未来土地コーポレーション」の社長が詐欺などの罪で起訴されているものが知られています。

 

原野商法のターゲット

 

2014年に発表された原野商法に関する国民生活センターへの相談件数は、2010年が457件、2011年が796件、2012年が751件、2013年が1048件、2014年が603件となっています。

2013年から2014年にかけての統計によると、契約当事者の年代には、70歳代が41.4%、80歳代が30.2%と、圧倒的に高齢者の割合が多くなっています。

 

契約当事者のエリア別では、南関東が53.9%、近畿地方が24.3%、東海地方が12.5%となっています。

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20141107_1.html

 

原野商法の二次被害で契約した商品

 

2006年に国民生活センターから発表されたデータによりますと、原野商法の二次被害で契約した商品のランキングは、1位が「測量サービス」で、全体の36%を占めています、2位が「山林」」で19.1%、3位が「造成工事」で6.5%、4位が「土地」で6.3%、5位が「別荘地」で6.1%となっています。

 

販売購入形態の割合は、訪問販売が63%、通信販売が16%、電話勧誘販売が16%となっています。

http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20060706_3.pdf

 

原野商法の被害に遭わないために

 

原野商法の被害に遭うのは、特に二次被害に関しては高齢者が多く、訪問や電話による勧誘が多くの割合を占めています。

被害を防ぐためには、勧誘は「きちんと断る」ことと、最寄りの消費生活センターへの相談をすることが有効となります。

 

特に高齢者の場合、家族や近隣の人が様子を見ることや、気づいた時に声をかけることも、大切です。(原野商法だけに限ったことではありませんが)

契約から8日間以内なら「クーリングオフ」も使えるので、早めに対応することで、被害を防ぐことにもつながります。

 

まとめ

 

原野商法は、本来ならほとんど価値のない土地を、「将来的に高額で売れる土地になる」というセールストークで、販売しています。

21世紀になると、「土地を買いたい人がいる」ことから測量などの名目で、お金をだまし取る原野商法の二次被害が問題化しています。

 

振り込め詐欺などと同様、被害に遭うのは高齢者が多いため、家族や近隣の人が様子を見に行ったり声をかけることも、被害者を減らすことに役立ちます。

今後開発が見込まれる土地やマンションを、不動産査定してみてはいかがですか?



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