不動産の囲い込みとは?2025年法改正で変わった点と、売主が見抜く7つの質問
媒介契約を結ぶ前に、営業マンにこの一言を聞いてください。「他社が私の物件を広告してもOKですか?」
この質問に口ごもる会社、「うちだけで大丈夫です」と答える会社があります。そこにあるのが、業界で“隠れ囲い込み”と呼ばれるしくみです。2025年1月の法改正で囲い込みへの規制は強化されましたが、「広告の可否」だけは規制の外に残っています。
この記事では、囲い込みの構造、2025年の改正で何が変わったのか、そして売主が自分で見抜くための具体的な手順を、大阪で48年・2,500件以上の売却に関わってきた立場からすべて公開します。
■この記事でわかること
1. 不動産の囲い込みとは何か(定義と、誰が損をするのか)
2. なぜ囲い込みが起きるのか — 両手仲介と手数料の構造
3. 囲い込みの典型的な5つの手口
4. 最も見抜きにくい“隠れ囲い込み”=広告の独占
5. 2025年1月の法改正で何が変わり、何が変わらなかったか
6. 売主が囲い込みを見抜く4つの方法
7. 媒介契約の前に必ず聞く7つの質問
8. 媒介契約3種類の比較と選び方
9. 囲い込みに遭ったときの対処法と通報先
10. 「広告オープン型」で売ると何が変わるのか
11. よくある質問
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1. 不動産の囲い込みとは? ひとことで言えば「買主候補を減らす行為」
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不動産の囲い込みとは、売却を任された不動産会社が、他社からの問い合わせや内見依頼を意図的に遮断し、自社が抱える買主にだけ物件を紹介しようとする行為のことです。物件情報を「囲い込んで」外に出さない、という意味でこう呼ばれます。
ここで大切なのは、囲い込みが「売れない」問題ではなく「安くなる」問題だという点です。買主候補が減れば、競争が起きません。競争が起きなければ、価格交渉で押し切られます。それでも決まらなければ、売主は値下げを迫られます。つまり、囲い込みの代償を払うのは、常に売主です。
▼囲い込みが起きると、売主に何が起きるか
まず内見が入りません。すると「反響が弱いですね」と言われます。次に価格の見直しを提案されます。そして値下げをして、結局その会社が連れてきた買主に売ることになります。
この流れを、売主は「市場が悪かった」と受け取ってしまいます。実際には、市場に情報が届いていなかっただけかもしれません。
▼囲い込みは「悪意のある会社だけ」の話ではない
囲い込みという言葉を聞くと、一部の悪質な業者の話だと思われがちです。しかし実態はもう少し構造的で、担当者個人の人柄ではなく、評価と報酬のしくみがそう動かしているケースが少なくありません。
次の章で、そのお金の流れを具体的に見ていきます。
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2. なぜ囲い込みが起きるのか — 両手仲介と手数料の構造
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▼片手取引と両手取引の違い
不動産の売買では、売主側の会社と買主側の会社が別々になるのが「片手取引(分かれ)」、同じ1社が売主と買主の両方を担当するのが「両手取引」です。
片手取引の場合、売主の担当はA社、買主の担当はB社という別会社になります。A社が受け取る手数料は1件分です。そのかわり買主は、全国の不動産会社の顧客から集まります。
両手取引の場合、売主も買主も同じA社が担当します。A社が受け取る手数料は2件分です。そのかわり買主は、その1社の顧客が中心になります。
3,000万円の物件で考えてみます。仲介手数料の上限は、売買価格が400万円を超える場合、「売買価格×3%+6万円+消費税」という速算式で計算されます。3,000万円なら96万円+消費税、税込で約105万6千円です。
片手なら会社の売上はこの1件分。両手なら売主と買主の双方から受け取れるため、約211万円と、単純に2倍になります。
▼誤解のないように。両手取引そのものは違法ではありません
売主と買主の双方から依頼を受けること自体は、宅地建物取引業法で認められています。問題は、両手にしたいがために、売却の間口をわざと狭めること。その手段が囲い込みです。
「両手イコール悪」ではなく、「両手のために情報を止めることが悪」だと理解してください。
▼参考:2024年7月からの手数料ルールの改正
空き家などの流通を促すため、2024年7月1日から、売買価格800万円以下の物件については、あらかじめ売主・買主に説明し合意した場合に限り、上限30万円(税別)まで受け取れるようになりました。従来の「400万円以下・売主からのみ」という枠が広がった形です。
安い物件ほど手間がかかるのに報酬が出ない、という構造を是正するための改正です。囲い込みとは別の論点ですが、手数料の話をする際には知っておいて損はありません。
▼営業マンの評価は「価格」ではなく「件数」で決まる
もう一つ、売主が知っておくべき構造があります。多くの不動産会社で、営業担当者の評価と歩合は成約件数と手数料の総額で決まります。「いくら高く売ったか」ではありません。
すると、担当者の合理的な行動はこうなります。
ひとつ、早く決めたい。高く売る努力に3か月かけるより、今月中に確実に決まる価格で決めたい。
ふたつ、件数を積みたい。売却価格が多少下がっても、成約件数が増えるほうが評価される。
みっつ、買主も自分で取りたい。両手にできれば、同じ1件で報酬が倍になる。
売主のゴールは「1円でも高く、納得して売ること」。営業マンのゴールは「できるだけ早く、できれば両手で決めること」。そもそもゴールが違うのです。
だからこそ売主は、担当者の人柄ではなく、契約条件で見抜く必要があります。
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3. 囲い込みの典型的な5つの手口
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囲い込みは、次のような形で行われます。上から順に、外から見つけやすい順です。
▼手口1 レインズに登録しない、登録を遅らせる
レインズは、国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する、不動産会社同士の物件情報ネットワークです。ここに載って初めて、全国の不動産会社が「この物件を紹介できる」と認識します。
専任媒介・専属専任媒介では、レインズへの登録が法律上の義務です。それにもかかわらず、登録しない、あるいはギリギリまで遅らせるという行為が実際に存在します。
▼手口2 問い合わせに「商談中です」と嘘をつく
レインズに登録した上で、他社から「内見させてください」と連絡が来ても、「今、商談中でして」「申込みが入っています」と断る。これが最も古典的な囲い込みです。売主からは何も見えません。
▼手口3 レインズの取引状況を虚偽で登録する
2025年1月からレインズの取引状況の登録が義務化されましたが、逆に言えば「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」と虚偽で登録すれば、他社は手を引くことになります。これは後述のとおり、宅地建物取引業法上の監督処分の対象です。
▼手口4 物件資料を出さない、連絡が取れない
販売図面を送らない、電話に折り返さない、内見枠を「調整中」のまま放置する。明確な拒否をせずに、実質的に取引を止める形です。
▼手口5 他社の広告を禁止する。これが“隠れ囲い込み”
そして、売主がほぼ100%説明を受けないまま行われているのが、この5つ目です。次の章で詳しく解説します。
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4. 最も見抜きにくい“隠れ囲い込み”=広告の独占
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▼説明される話と、説明されない話
媒介契約の場で、営業マンは広告についてこう説明します。
「スーモに掲載します」「ホームズにも出します」「アットホームにも載せます」「オープンハウスもやります」。
どの媒体に広告を出すか。この説明は、必ずあります。そして、これはどの会社でも当たり前にやっていることです。
ところが、もう一つの説明はまずありません。
▼誰も説明しない、もう一つの論点
「他社が、この物件を広告することを許可しますか?」
レインズに物件を登録する際、売主の物件を他社が広告に掲載してよいかどうか、つまり広告可か広告不可かを設定する項目があります。ここを「広告不可」にすると、その1社だけが独占的に広告を出す状態になります。
▼「広告不可」の何が問題なのか
レインズに載っていても、「広告不可」と書かれていれば、他社は自社サイトやポータルサイト、チラシに載せることができません。つまり、他社は買主を集める動きが取れないのです。
結果として、買主を探す窓口は、その1社の顧客だけになります。表向きは「レインズにも登録済み、大手ポータルにも掲載中」というクリーンな状態のまま、実質的に囲い込みが成立してしまう。だから“隠れ”囲い込みと呼ばれます。
▼広告は「媒体」ではなく「出す会社の力量」で決まる
「大手に任せておけば広告は万全でしょう」と考える方は多いのですが、ここにも誤解があります。
その1 同じ媒体でも、結果は同じにならない
スーモもホームズもアットホームも、どこの会社も使っています。同じ媒体です。差がつくのは、写真の撮り方、見出しの言葉、紹介文の書き方、そして問い合わせへの返信スピード。同じ物件でも、掲載する会社が違えば反響数は変わります。
窓口を1社に絞るということは、その会社の広告の巧拙に、売却結果を全額賭けるということです。
その2 紙の広告は、今も効いている
チラシ、新聞折込、ポスティングは、現在も十分に効果があります。特に、その地域に長く住んでいて「そろそろ住み替えたい」と考えている層や、親族のために近隣で物件を探している層には、紙のほうが届きます。
一方で、大手のなかには紙媒体をやめてネット広告のみに絞っている会社もあります。1社に絞るということは、その会社がやらない手法は、この売却において存在しないことになるという意味です。
その3 「大手が苦手」な買主層は確実にいる
強引な営業を嫌い、大手を避けて地域の会社に相談する買主は確実に存在します。窓口を1社に絞るのは、その人たちをまるごと候補から外すのと同じことです。
▼実際によくあること
「大手に専任で任せたのに、まったく別の、広告も出していない会社が買主を連れてきて成約した」。このケースは珍しくありません。
買主を連れて来られる会社は、1社ではないのです。広告をオープンにしておけば、大阪の物件を他府県の不動産会社が買主を連れてきて満額で成約する、ということも十分に起こり得ます。
▼なぜ、誰も説明しないのか
理由はたった一つです。他社に広告を許すと、その会社の手数料が減るから。
他社が広告を出せば、その他社が買主を見つける可能性が高まります。そうなれば片手取引になり、報酬は1件分。独占広告なら、両手になる確率が上がります。売主が高く売れるかどうかは、この判断の基準に入っていません。会社の方針としてそう決まっている場合すらあります。
どれだけ良いことを言う営業マンでも、広告の可否について説明がなければ、それは怠慢です。そして多くの場合、聞かれなければ説明しません。だから売主のほうから聞く必要があります。
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5. 2025年1月の法改正で何が変わり、何が変わらなかったか
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囲い込みは長年「業界の慣習」として放置されてきましたが、2025年1月1日施行の宅地建物取引業法施行規則の改正で、初めて実効性のある規制が入りました。
▼変更点1 レインズの取引状況の登録が義務化
専任媒介・専属専任媒介でレインズに登録する際、宅建業者は物件の取引状況を登録し、変化があれば更新することが義務付けられました。区分は次の3つです。
ひとつめ、「公開中」。他社からの紹介を受け付けている通常の状態です。販売中はこの状態になっているかを確認してください。
ふたつめ、「書面による購入申込みあり」。買主から書面で申込みが入っている状態です。本当に申込書が存在するか、担当者に確認してください。
みっつめ、「売主都合で一時紹介停止中」。売主の事情で紹介を止めている状態です。売主が頼んでいないのにこの状態になっているなら、要注意です。
▼変更点2 登録証明書から、売主が自分で状況を確認できるようになった
レインズに登録すると発行される登録証明書は、以前から売主に交付する決まりでしたが、2025年1月4日以降に発行されるものには、売主専用の確認画面にアクセスできる二次元コードが記載されるようになりました。売主自身がスマートフォンで読み取り、自分の物件の取引状況を直接確認できます。
専任・専属専任で媒介契約を結んだら、必ず登録証明書を受け取り、二次元コードから自分で状況を確認してください。「公開中」以外になっていて、心当たりがなければ、その場で担当者に説明を求めましょう。
▼変更点3 実態と違う登録は、監督処分の対象
物件の実際の販売状況とレインズの登録内容に相違がある場合、宅地建物取引業法第65条第1項に基づく指示処分など、監督行政庁による処分の対象となります。「申込みが入っている」と虚偽で登録して他社を遠ざける、といった行為が明確に処分対象になったのは、大きな前進です。
▼それでも残っている“抜け穴”
2025年の改正でも、「広告の可否」は規制されていません。
取引状況が「公開中」で、レインズにもきちんと登録されていて、法令上は何一つ違反していない。それでも「他社の広告は不可」としておけば、他社は買主を集める動きが取れません。
つまり、2025年の規制強化を通過してもなお、“隠れ囲い込み”は成立してしまうのです。売主が自分で聞くしかない領域が、ここに残っています。
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6. 売主が囲い込みを見抜く4つの方法
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▼方法1 レインズの登録証明書と二次元コードで確認する
最も確実で、しかも無料です。手順は次のとおりです。
1. 専任・専属専任の媒介契約を締結する
2. 期限内にレインズに登録されているかを確認し、登録証明書の交付を求める
3. 証明書の二次元コードを読み取り、売主専用画面で自分の物件の取引状況を見る
4. 販売中なのに「公開中」以外になっていないかをチェックする
5. 売却期間中は、月に1回から2回、定期的に見る習慣をつける
「登録証明書はどこですか」と一言聞くだけで、担当者の姿勢はかなり分かります。渋る、忘れる、後回しにする会社は、その時点で判断材料になります。
▼方法2 他社の広告可否を、契約前に確認する
本記事の核心です。「他社が私の物件を広告してもOKですか?」と、媒介契約を結ぶ前に聞いてください。契約後では条件を変えにくくなります。
「もちろんOKです」と答えたら、全国の不動産会社が買主を連れて来られます。売主の利益を優先する方針の会社です。
「基本は当社だけで対応します」と答えたら、独占広告です。両手を狙っている可能性が高いと考えてください。
「他社に出されると情報が荒れます」と答えるパターンもあります。よく使われる説明ですが、買主候補が減る不利益を負うのは売主です。
質問の意味が通じない場合は、広告可否の設定を理解していない可能性があります。担当者の経験値を疑ってください。
なお「情報が荒れる」という説明にも一定の理屈はあります。掲載価格や情報の食い違いが起きる、というものです。ただし、それは会社側が情報を正しく管理すれば防げる話であり、売主が買主候補の減少という不利益を負う理由にはなりません。納得できない場合は、「広告は可、ただし掲載内容は事前確認」といった条件も提案できます。
▼方法3 業務報告の「中身」を見る
専任・専属専任では、依頼者への業務処理状況の報告が法律上の義務です。ここで見るべきは、報告があったかどうかではなく中身です。
ポータルサイトの閲覧数やお気に入り登録数が、数字で書かれているか。
問い合わせ件数と、その内訳(個人からか、同業者からか)が分かるか。
内見の実施件数と、内見者の反応や見送りの理由が書かれているか。
他社からの紹介依頼が何件あり、どう対応したかが書かれているか。
「反響はありますが、もう少し様子を見ましょう」という曖昧な報告が続く場合は、数字での報告を求めてください。数字が出てこないのは、動いていないサインである可能性があります。
▼方法4 第三者に問い合わせてもらう
知人や親族に、別の不動産会社を通じて自分の物件について問い合わせてもらう方法です。「商談中です」と断られれば、囲い込みが疑われます。
実効性は高い一方で、担当者との信頼関係を壊すリスクもあります。まずは方法1から3を試し、それでも不自然さが残る場合の最終手段と考えてください。
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7. 媒介契約の前に必ず聞く「7つの質問」
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そのまま読み上げて使えるよう、質問文の形で並べます。この部分をスクリーンショットに撮って、面談に持って行ってください。
質問1 「他社が広告を出すことを、許可していただけますか?」
最重要です。「当社だけで」と答える会社は、買主を独占したい会社です。
質問2 「レインズには何日以内に登録し、登録証明書はいつ渡していただけますか?」
専任は翌日から7日以内、専属専任は5日以内が法定期限です(いずれも休業日等を除きます)。
質問3 「レインズの取引状況は、常に『公開中』にしていただけますか?」
2025年1月からの義務です。売主が頼んでいない「一時紹介停止中」は不自然です。
質問4 「他社からの内見依頼は、必ず取り次いでいただけますか?」
断らないことを、口頭でよいので事前に約束してもらいましょう。
質問5 「ネット以外の広告、チラシ・折込・ポスティングは行いますか?」
やらない会社なら、なおさら他社にも広告させるべきです。
質問6 「反響数・内見数・他社からの問い合わせ件数を、毎週書面で報告いただけますか?」
法定の頻度より短い間隔を求めても構いません。応じられるかどうかが分かれ目です。
質問7 「御社は昨年、両手取引が何割でしたか?」
答えにくい質問ですが、反応そのものが情報になります。堂々と答えられる会社は方針が明確です。
7つすべてに、はっきり答えてくれる会社を選んでください。質問を嫌がるかどうかが、最大の判断材料です。
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8. 媒介契約3種類の比較と選び方
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囲い込みの話は、媒介契約の種類と切り離せません。基本ルールを整理します。
▼一般媒介契約
複数の会社に同時に依頼できます。自分で買主を見つけた場合、直接契約もできます。レインズへの登録義務はありません(任意)。業務処理状況の報告義務もありません。契約期間に法律上の上限はなく、3か月が慣例です。複数社が動くため、構造的に囲い込みは起きにくくなります。
▼専任媒介契約
依頼できるのは1社だけです。自分で買主を見つけた場合は直接契約できます。レインズへの登録は、契約日の翌日から7日以内が義務です。業務処理状況の報告は2週間に1回以上、文書または電子メールで行う義務があります。契約期間は3か月以内です。囲い込みは起こり得ます。
▼専属専任媒介契約
依頼できるのは1社だけで、自分で買主を見つけた場合も、その会社を通す必要があります。レインズへの登録は、契約日の翌日から5日以内が義務です。業務処理状況の報告は1週間に1回以上、文書または電子メールで行う義務があります。契約期間は3か月以内です。囲い込みは起こり得ます。
なお、レインズ登録期限の日数は、不動産会社の休業日およびレインズの休止日を除いて数えます。
▼「一般媒介にすれば安心」ではない理由
複数社に依頼できる一般媒介なら囲い込みは起きにくい、というのは正しい面があります。ただし、一般媒介にはレインズ登録義務も報告義務もありません。どの会社も「本気で売る」動機が弱くなり、広告費をかけてもらえず、結果として動きが鈍くなることもあります。
現実的な考え方はこうです。
専任・専属専任を選ぶなら、「他社の広告OK」「レインズは常に公開中」「毎週の数値報告」の3点を条件として確認してください。
一般媒介を選ぶなら、レインズ登録を依頼し、各社に週ごとの報告を求めてください。窓口が増える分、売主側の管理負担は増えます。
いずれの場合も、契約期間は3か月です。合わなければ更新しない、という選択肢を最初から持っておいてください。
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9. 囲い込みに遭ったときの対処法と通報先
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▼ステップ1 まず、事実を確認する
感情的に問い詰める前に、材料を揃えます。レインズの取引状況画面の画像、業務報告書、問い合わせ件数の推移。そのうえで、担当者に「レインズが公開中以外になっている理由を教えてください」と、事実に基づいて質問します。
▼ステップ2 会社として回答を求める
担当者個人の判断ではなく、店長・支店長など責任者に同席してもらい、書面またはメールで回答を求めます。メールで記録に残すことが重要です。
▼ステップ3 媒介契約の解除、または更新しない
媒介契約の有効期間は最長3か月です。納得できる説明が得られなければ、更新しないという判断ができます。期間内の解除については、契約書の条項(費用の償還に関する定めなど)を確認したうえで、書面で申し入れます。
▼ステップ4 行政・業界団体に相談する
それでも解決しない場合の相談先は次のとおりです。
免許行政庁。都道府県知事免許なら都道府県の宅建業指導担当部署、大臣免許なら地方整備局です。宅地建物取引業法違反の疑いとして相談できます。
加盟している業界団体の相談窓口。全国宅地建物取引業協会連合会や不動産保証協会、全日本不動産協会などです。媒介契約書や会社の看板に加盟団体が記載されています。
レインズを運営する不動産流通機構。取引状況の不正な登録が疑われる場合の相談先です。
相談の際は、媒介契約書の写し、レインズ登録証明書、業務報告書、担当者とのやりとりの記録を揃えておくと話が早く進みます。
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10.「広告オープン型」で売ると、何が変わるのか
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ここまでの裏返しが、私たちの考え方です。広告を、他社に対してオープンにする。
他社が広告を出せば、その分だけ買主に出会う窓口が増えます。大手ポータルサイトに載せるだけでは届かない層に、他社のチラシやポスティング、地域の店頭、他社が持つ顧客リストを通じて情報が届きます。大阪中、そして全国の不動産会社が、あなたの物件の営業マンになるという状態です。
買主候補が増えれば、競争が生まれます。競争が生まれれば、価格は上がりやすくなります。売主にとっての利益は、この一点に集約されます。
▼「片手でも構わない」と言えるかどうか
広告をオープンにするということは、他社が買主を見つける可能性を自ら高めるということです。つまり会社としては片手取引になり、報酬は半分になり得ます。
それでも構わない、という方針を打ち出せるかどうか。ここが、売主の利益を優先しているかどうかの分かれ目です。
▼独占広告型の会社と、Odin不動産売買の違い
他社の広告活動について。独占広告型の会社は不可とします。私たちはすべて可とし、むしろ積極的に出していただきます。
レインズについて。独占広告型の会社は登録が遅かったり、形だけになっている場合もあります。私たちは速やかに登録し、登録証明書をお渡しします。
他社からの内見依頼について。独占広告型の会社は「商談中」で断ることがあります。私たちは必ず取り次ぎ、歓迎します。
会社としての目的について。独占広告型の会社は両手取引で手数料2件分を狙います。私たちの目的は高く売ることであり、片手でも構いません。
売主様への報告について。独占広告型の会社は「反響あります」など曖昧になりがちです。私たちは反響数・内見数を数字で定期的にご報告します。
▼無料査定・売却セカンドオピニオン
「今の会社に、広告は他社にOKですかと聞いてみたら答えが濁った」。その段階でのご相談も歓迎です。査定だけ、相談だけでも構いません。まずは“広告の話”からさせてください。
フリーダイヤル 0120-16-8553
Odin不動産売買 株式会社/担当 西 恭平 通話無料
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11. よくある質問
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Q. 囲い込みは違法ですか?
A. 「囲い込み」という行為そのものを名指しで禁じる条文があるわけではありませんが、2025年1月1日施行の宅地建物取引業法施行規則の改正により、専任・専属専任媒介でレインズに登録する際の取引状況の登録・更新が義務化されました。実際の販売状況と登録内容に相違がある場合、宅地建物取引業法第65条第1項に基づく指示処分など、監督処分の対象となります。また、レインズへの未登録や虚偽の報告も、宅地建物取引業法上の義務違反にあたります。
Q. 売主は自分でレインズを見られますか?
A. 不動産会社向けのレインズに直接ログインすることはできませんが、レインズ登録時に発行される登録証明書を通じて、売主専用の確認画面から自分の物件の登録内容と取引状況を確認できます。2025年1月4日以降に発行される登録証明書には、この確認画面にアクセスできる二次元コードが記載されています。まずは担当者に登録証明書の交付を求めてください。
Q. 「他社の広告を許可する」と、価格が荒れたり情報が混乱したりしませんか?
A. 掲載内容の食い違いを心配される方はいます。ただしそれは、元付の会社が販売図面と掲載条件を正しく共有・管理すれば防げる範囲の問題です。「広告は可、ただし掲載内容は事前確認」といった条件を付ける方法もあります。買主候補が減るという不利益を売主が負う理由にはなりません。
Q. 一般媒介にすれば囲い込みは防げますか?
A. 複数社に依頼できるため、構造的に囲い込みは起きにくくなります。ただし一般媒介にはレインズ登録義務も業務報告義務もなく、各社の販売活動が手薄になる可能性があります。専任・専属専任を選ぶ場合でも、「他社の広告OK」「レインズは常に公開中」「毎週の数値報告」を条件として確認すれば、囲い込みのリスクは大きく下げられます。
Q. レインズへの登録は何日以内ですか?
A. 専任媒介契約は媒介契約締結日の翌日から7日以内、専属専任媒介契約は5日以内です。いずれも不動産会社の休業日およびレインズの休止日を除いて数えます。一般媒介契約には登録義務はありません。
Q. 業務報告はどのくらいの頻度でもらえますか?
A. 専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上、文書または電子メールで報告する義務があります。これは最低ラインですので、より短い間隔や、反響数・内見数といった数値での報告を求めても構いません。
Q. 両手取引の会社は避けたほうがよいですか?
A. 両手取引そのものは違法ではなく、たまたま自社の顧客が買主になることは普通にあります。問題は、両手にするために売却の間口を狭めることです。判断基準は「両手かどうか」ではなく、「他社の広告と紹介をオープンにしているかどうか」です。
Q. すでに専任媒介を結んでしまいました。今からできることはありますか?
A. あります。まず登録証明書を受け取り、二次元コードから取引状況を確認してください。そのうえで「他社の広告は可にしていただけますか」と申し入れることができます。媒介契約の有効期間は最長3か月ですので、納得できなければ更新しないという判断も可能です。
Q. 仲介手数料の上限はいくらですか?
A. 売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限です。加えて2024年7月1日から、800万円以下の物件については、あらかじめ説明し合意した場合に限り30万円(税別)まで受け取れるようになりました。手数料の額そのものより、その手数料でどこまで販売活動をするのかを確認してください。
Q. 大阪で売却する場合、地元の会社と大手のどちらがよいですか?
A. 会社の規模ではなく、方針で選んでください。大手にも地元にも、広告をオープンにする会社と独占する会社の両方があります。判断材料は「他社が広告してもOKですか」という質問への答えです。なお、広告をオープンにしていれば、大阪の物件を他府県の不動産会社が買主を連れてくることも十分にあり得ます。
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まとめ:聞けば分かる。聞かなければ、一生分かりません
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最後に要点を整理します。
囲い込みとは、買主候補を減らす行為です。損をするのは常に売主です。
原因は担当者の人柄ではなく、両手取引と歩合という報酬の構造にあります。
2025年1月の改正で、レインズの取引状況の登録が義務化され、虚偽の登録は監督処分の対象になりました。
売主は登録証明書の二次元コードで、自分で取引状況を確認できます。
それでも規制されていないのが「他社の広告可否」、つまり隠れ囲い込みです。
だから、媒介契約の前に「他社が私の物件を広告してもOKですか?」と聞いてください。
どれだけ良いことを言う営業マンでも、広告について説明がなければ怠慢です。人柄ではなく、契約条件で判断してください。聞けば分かります。聞かなければ、一生分かりません。
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広告をオープンにして、みんなで、あなたの物件を売る。
大阪で創業48年。売却専門の不動産会社として、2,500件以上のご売却に関わってきました。査定だけ、セカンドオピニオンだけでも構いません。
フリーダイヤル 0120-16-8553(通話無料・相談無料)
執筆 西 恭平(にし きょうへい)/Odin不動産売買 株式会社
大阪市城東区で創業48年、不動産売却を専門とする不動産会社の代表。これまで2,500件以上の売却に関わり、売却成功率97.7%、最短2日での売却実績を持つ。売主の利益を最大化するため、他社に対して広告活動をオープンにする方針を徹底している。
大阪府知事(9)第31629号/大阪府宅地建物取引業協会会員
〒536-0021 大阪市城東区諏訪4-10-2 OFFICE KOUKIビル2F
フリーダイヤル 0120-16-8553
参考・出典
・全日本不動産協会ほか「指定流通機構(レインズ)への物件登録時の説明責任の強化(2025年1月1日 宅地建物取引業法施行規則改正)」
・東日本不動産流通機構「媒介契約制度」(レインズ登録期限・報告義務・有効期間)
・国土交通省 宅地建物取引業法 第34条の2、第65条第1項
・国土交通省「低廉な空家等の売買・交換の媒介における特例」(2024年7月1日施行)
※本記事は仲介(媒介)による売却についての内容です。買取による売却には当てはまらない部分があります。
※実績数値は自社集計です。売却の可否・期間・価格は物件および市況により異なります。
※記載の法令・制度は2026年8月時点の情報です。
































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