【2026年最新】国が相続した土地を「9割引き」で売り出す?何が本当で何が誤解なのかを宅建士が解説
2026年6月、
「国が相続した土地を9割引きで売り出す」
というニュースが大きな話題になりました。
SNSでは、
「相続のときは高い評価額で税金を払わせるのに、国は9割引きで売るなんておかしい!」
という声も数多く見られました。
しかし、このニュースには誤解されやすいポイントがあります。
実際には、
- なぜ9割引きなのか
- どんな土地が対象なのか
- 国は本当に得をしているのか
を理解すると、見え方が大きく変わります。
さらに、このニュースは相続した実家や土地を所有している方にとっても、決して他人事ではありません。
今回は、宅地建物取引士の視点から、このニュースの背景と、相続前に知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
「国が9割引きで売る」とはどういうこと?
まず結論からお伝えすると、
ニュースの内容自体は事実ですが、「すべての土地を最初から9割引きで売る」という意味ではありません。
2026年6月、財務省は、一定の国有地について、売れ残った場合に段階的に価格を引き下げる方針を示しました。
報道されている内容では、
- 最初は通常価格で売り出す
- 売れなければ約3割引き
- その後、一定期間ごとにさらに値下げ
- 最終的には価格を大きく引き下げることも想定
という仕組みが検討されています。
つまり、
最初から「9割引き」で販売されるわけではありません。
なぜ値下げするの?
理由は非常にシンプルです。
売れない土地を、国がいつまでも保有し続けることはできないからです。
国が土地を持ち続ければ、
- 草刈り
- 管理費
- 境界管理
- 安全管理
など、
維持コストが発生します。
売れない土地を何年も抱え続けるより、
価格を下げてでも売却した方が、結果的に税金の負担を抑えられるという考え方です。
これは民間の不動産会社でも同じです。
何年も売れない土地は、
価格を見直して売却することがあります。
相続土地国庫帰属制度とは?
このニュースとあわせて知っておきたいのが、
相続土地国庫帰属制度です。
この制度は、
相続や遺贈によって取得した不要な土地について、
一定の条件を満たせば、
国へ引き取ってもらえる制度です。
しかし、
「無料で引き取ってもらえる制度」
ではありません。
利用には費用がかかる
制度を利用する場合には、
- 審査手数料(1筆あたり14,000円)
- 負担金(原則20万円。ただし土地の種類や面積などにより異なる場合があります)
が必要です。
つまり、
「不要だから国へ渡す」制度ではありますが、利用者側にも一定の負担があります。
どんな土地でも引き取ってもらえるわけではない
ここが非常に重要です。
国は、
どんな土地でも受け入れるわけではありません。
例えば、
- 建物が建っている土地
- 担保権など権利関係に問題がある土地
- 管理に多額の費用がかかる土地
- 土壌汚染など特別な問題がある土地
などは、
制度の対象外となる場合があります。
そのため、
「相続したら全部国へ返せばいい」
という制度ではありません。
「相続税評価額」と「売れる価格」は違う
今回のニュースで最も誤解されやすいポイントが、
相続税評価額と市場価格は同じではない
ということです。
相続税は、
路線価などをもとに評価されます。
一方、
実際の売却価格は、
- 立地
- 需要
- 接道条件
- 建築の可否
- 周辺環境
などによって決まります。
つまり、
評価額が高い土地でも、
市場ではなかなか売れないことがあります。
逆に、
評価額より高く売れるケースもあります。
評価額は税金を計算するための基準であり、
「実際に売れる価格」とは別物です。
このニュースから学ぶべきこと
今回のニュースで大切なのは、
「土地は持っているだけで価値がある」と思い込まないことです。
相続した土地は、
- 固定資産税
- 草刈り
- 管理費
- 相続人同士の問題
など、
所有しているだけで負担になることがあります。
「いつか売ればいい」
と考えている間に、
市場環境が変わり、
売却が難しくなるケースもあります。
だからこそ、
相続した土地は、
できるだけ早い段階で
- 持ち続けるのか
- 売却するのか
- 活用するのか
を検討することが重要です。
相続した土地で後悔しないための3つのポイント
① 本当の市場価格を知る
路線価や固定資産税評価額だけでは、
実際の売却価格は分かりません。
まずは査定を受け、
市場価格を把握しましょう。
② 管理コストを把握する
土地は持っているだけでも、
毎年コストがかかります。
将来的な維持費まで考えて判断することが大切です。
③ 相続前から家族で話し合う
相続が発生してからでは、
共有名義や意見の対立など、
話がまとまりにくくなることがあります。
元気なうちから、
家族で方向性を話し合っておくことが重要です。
まとめ
「国が相続した土地を9割引きで売る」というニュースは事実ですが、
最初から9割引きで販売するわけではなく、売れ残った場合に段階的な値下げを行うという方針が報じられています。
また、相続土地国庫帰属制度も、
誰でも無料で土地を国へ返せる制度ではありません。
審査や費用、対象となる土地の条件があります。
そして、このニュースから学ぶべき最も重要なことは、
相続税評価額と市場価格は一致しない
ということです。
「評価額が高いから高く売れる」とは限りません。
相続した土地をお持ちの方や、これから相続を控えている方は、
できるだけ早く市場価格を確認し、今後の活用や売却について検討することをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q. 国は最初から土地を9割引きで販売するのですか?
いいえ。報道されている方針では、一定期間売れなかった場合に段階的に価格を引き下げる仕組みが検討されています。
Q. 相続土地国庫帰属制度は無料で利用できますか?
いいえ。審査手数料(1筆14,000円)と、原則20万円の負担金などが必要です。土地の状況によって負担金が異なる場合もあります。
Q. 相続税評価額が高ければ、高く売れるということですか?
必ずしもそうではありません。相続税評価額は税金計算のための基準であり、実際の売却価格は市場の需要や立地条件などによって決まります。
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