【宅建士監修】親が亡くなった直後にやってはいけない5つのこと|相続放棄できなくなる前に知っておくべき注意点
親が亡くなったあと、「良かれと思った行動」が大きな損につながることがあります
親が亡くなり、葬儀や手続きが終わって少し落ち着いた頃、多くの人がこう考えます。
「とりあえず預金を使って葬儀代を払おう」
「実家を片付けてしまおう」
「空き家になる前に売却しよう」
しかし、その行動が相続放棄をできなくしたり、数百万円単位の損失につながるケースがあります。
相続には厳格な期限があり、知らずに動くことで取り返しのつかない状況になることも珍しくありません。
この記事では、宅建士監修のもと、親が亡くなった直後にやってはいけない行動と、財産を守るための正しい順番を解説します。
まず知っておきたい「相続4つの期限」
相続には特に重要な4つの期限があります。
1. 相続放棄の期限:3か月以内
借金が多い場合などに利用する「相続放棄」。
しかし、家庭裁判所への申述は、原則として相続開始を知った日から3か月以内です。
さらに、相続財産を処分したり使用したりすると、「相続する意思がある」と判断される可能性があります。
これを「単純承認」といいます。
2. 相続税申告・納付期限:10か月以内
相続税が発生する場合は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付を行う必要があります。
遅れると延滞税や加算税が発生する可能性があります。
3. 相続登記期限:3年以内
2024年4月から相続登記が義務化されました。
不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記を行う必要があります。
正当な理由なく放置した場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
4. 過去の相続も2027年3月末までが期限
義務化以前に発生した相続も対象です。
「昔の相続だから関係ない」と思って放置していると、将来的に売却や融資で大きな問題になります。
NG① 故人の預金を自由に使う
もっとも多い失敗の1つです。
葬儀費用や固定資産税の支払いなど、悪意がなくても故人名義の預金を自由に引き出して使用すると、相続財産を処分したと判断される可能性があります。
特に注意したいのが、
- 預金を生活費に使う
- 車のローン返済に使う
- クレジットカード代金を支払う
- 借金返済に充てる
といったケースです。
借金がある可能性が少しでもある場合は、弁護士などの専門家へ相談してから動くことをおすすめします。
NG② 遺品整理を急ぐ
「早く片付けて気持ちを整理したい」
その気持ちは自然なものです。
しかし、高価な財産の売却や処分は相続財産の処分と判断される場合があります。
例えば、
- 自動車を売却する
- 貴金属を売却する
- 株式を換金する
- 骨董品を処分する
などです。
一方で、腐敗する食品の処分や通常の清掃などは一般的に問題にならないケースが多いとされています。
判断が難しい場合は専門家へ確認しましょう。
NG③ 実家を急いで売る・解体する
相続した実家を早く処分したいと考える方は少なくありません。
しかし、
- 売却契約を締結する
- 建物を解体する
- 大規模リフォームを行う
こうした行為は、相続財産を処分したと評価される可能性があります。
また、不動産の売却には、
- 相続登記
- 遺産分割協議
- 名義変更
- 税務確認
など、多くの手続きが必要です。
焦って進めるほど、後から大きなトラブルにつながります。
NG④ 相続登記を放置する
「まだ売る予定がないから」
そう考えて放置している方は非常に多くいます。
しかし現在は相続登記が義務です。
放置すると、
- 売却できない
- 担保設定できない
- 相続人が増えて話がまとまらない
- 過料の対象になる
といった問題が発生します。
特に兄弟姉妹が多いケースでは、10年後、20年後に権利関係が複雑化し、解決が極めて困難になることがあります。
NG⑤ 空き家を放置する
空き家問題は年々深刻化しています。
管理されていない空き家は、
- 雑草の繁茂
- 不法投棄
- 景観悪化
- 近隣トラブル
を招きます。
さらに、自治体から「特定空家等」に指定されると、住宅用地特例が外れ、固定資産税負担が大幅に増加する可能性があります。
財産を守る正しい順番
親が亡くなったら、まずは次の順番を守ってください。
STEP1
財産と負債を把握する
STEP2
相続放棄を検討する
STEP3
遺産分割協議を行う
STEP4
相続登記を行う
STEP5
売却や活用を検討する
この順番を守るだけで、多くのトラブルは防ぐことができます。
まとめ
親を亡くした直後は、精神的にも大きな負担がかかっています。
その中で「早く片付けたい」「迷惑をかけたくない」という気持ちから動いてしまう方は少なくありません。
しかし、相続は順番が非常に重要です。
- 故人の預金に手をつけない
- 財産を処分しない
- 相続登記を放置しない
- 空き家を放置しない
- まずは専門家へ相談する
これだけで、数百万円単位の損失を防げる可能性があります。
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