収益不動産の売却で一番高い査定額を選ぶと損をする理由
「一括査定で一番高い金額を出した会社に任せれば、高く売れる」
そう考えていませんか?
実は収益マンションやアパート、ビルなどの収益不動産売却では、その判断が数百万円から数千万円の損失につながるケースがあります。
これは売主の判断ミスではありません。
不動産業界の構造上、誰にでも起こり得る問題です。
今回は、
- 査定額の本当の意味
- なぜ高額査定が値下げにつながるのか
- 囲い込みの実態
- 2025年法改正で可能になった自衛策
について詳しく解説します。
そもそも査定額は「売れる価格」ではない
多くの売主が勘違いしているのが、
「査定額=売却価格」
だということです。
しかし実際には違います。
査定額とは、
「このくらいで売れる可能性があります」
という予測値に過ぎません。
最終的な売却価格は市場で買主が現れて初めて決まります。
良い査定と悪い査定の違い
例えば3社から次の査定額が届いたとします。
- A社:2億円
- B社:2億2,000万円
- C社:2億4,000万円
多くの人は最も高い2億4,000万円を選びます。
しかし本当に見るべきは金額ではありません。
見るべきは根拠です。
優秀な担当者は、
- 周辺取引事例
- 利回り
- エリア需要
- 金融機関の融資状況
- 投資家ニーズ
を説明できます。
反対に、
「なんとなく高く売れます」
という説明しかできない場合は注意が必要です。
一括査定に潜む「釣り査定」の危険性
一括査定サイトは便利です。
しかし、その仕組みを理解しておく必要があります。
一括査定サイトは売主情報を不動産会社へ送客するビジネスです。
不動産会社は媒介契約を獲得するために競争します。
そこで最も簡単な武器になるのが、
「査定額の高さ」
です。
釣り査定とは何か?
釣り査定とは、
実際には売れる見込みが低い価格を提示して媒介契約を獲得する行為です。
例えば、
市場価格が2億円程度の物件に対し、
2億4,000万円
という査定を出します。
売主は期待して契約します。
しかし数か月後、
「反響が弱いですね」
「価格調整しましょう」
と言われ、
最終的には相場価格まで値下げされるケースが少なくありません。
つまり最初の高額査定は、
売却価格ではなく契約獲得のための数字だった可能性があります。
売却価格を下げる最大の原因「囲い込み」
さらに注意したいのが囲い込みです。
囲い込みとは、
他社から購入希望者が来ても紹介せず、自社だけで買主を見つけようとする行為です。
なぜ囲い込みが起きるのか
不動産会社は、
- 売主から仲介手数料
- 買主から仲介手数料
の両方を受け取ることができます。
これを両手取引といいます。
両手取引自体は違法ではありません。
問題は、
両手取引を狙うために他社からの問い合わせを断るケースです。
その結果、
本来買えるはずの投資家に情報が届かず、
売却期間が長期化し、
価格を下げる原因になります。
2025年法改正で売主ができる自衛策
これまで売主は、
自分の物件が本当に市場へ公開されているのか確認する方法がほとんどありませんでした。
しかし2025年から状況が変わりました。
レインズ登録情報を売主自身が確認できる
媒介契約後に発行される
「レインズ登録証明書」
に掲載されたQRコードから、
売主自身が物件の登録状況を確認できるようになりました。
確認できる内容は、
- 公開中
- 申込あり
- 成約済み
などです。
つまり、
「本当に公開されているのか」
を売主自身が確認できる時代になったのです。
収益不動産を高く売るための4つのポイント
1. 査定額ではなく根拠を見る
高い数字より説明力を重視しましょう。
2. 一括査定の数字を鵜呑みにしない
査定額はあくまで予測です。
3. レインズ登録状況を定期的に確認する
囲い込み対策として非常に有効です。
4. 収益不動産専門会社にも査定を依頼する
一般住宅専門会社と収益不動産専門会社では査定精度が大きく異なる場合があります。
まとめ
収益不動産の売却で重要なのは、
「一番高い査定額」
ではありません。
本当に重要なのは、
- 根拠のある査定
- 適切な販売活動
- 囲い込み対策
- レインズ確認
です。
収益不動産は数千万円、場合によっては数億円規模の取引になります。
だからこそ、数字の大きさではなく販売戦略で仲介会社を選ぶことが重要です。
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