賃貸マンションやアパート、収益ビルを所有しているオーナーの方へ。
2026年度の税制改正によって、収益不動産の「相続」と「売却」に関するルールが大きく変わろうとしています。
特に、
- 相続税対策として賃貸不動産を購入している方
- 含み益が大きい収益マンション・ビルを所有している方
- 将来的に売却を検討している方
にとっては、数千万円〜1億円以上の差が生じる可能性もあります。
この記事では、2026年度税制改正の内容をわかりやすく整理しながら、
- 2027年から何が変わるのか
- どんなオーナーが影響を受けるのか
- 今すぐ確認すべきポイント
を、不動産売却・資産戦略の視点から詳しく解説します。
2026年度税制改正で起きる「2つの大きな変化」
今回の改正で注目すべきポイントは、大きく分けて以下の2つです。
1. 相続税対策としての賃貸不動産スキームが大幅変更
これまで、賃貸マンションやアパートを活用した相続税対策は非常に有効とされてきました。
理由は、相続税評価額が実際の購入価格よりも大幅に低くなるケースが多かったためです。
例えば、
- 3億円で購入した賃貸マンション
- 相続税評価額:約9000万円
というケースも珍しくありませんでした。
これは、
- 路線価評価
- 貸家評価
- 借地権割合
などを組み合わせることで、相続税評価額が圧縮されていたためです。
2027年から相続税評価ルールが変わる
しかし、2027年1月1日以降の相続からはルールが大きく変更されます。
改正内容のポイント
相続開始前5年以内に取得した賃貸不動産について、
購入価格の約80%を基準に評価される方向へ変更
される見込みです。
具体例
旧ルール
- 購入価格:3億円
- 相続税評価額:約9000万円
新ルール(2027年以降)
- 購入価格:3億円
- 相続税評価額:約2億4000万円
つまり、節税効果が大幅に縮小される可能性があります。
どんな人が影響を受けるのか?
以下に当てはまる方は注意が必要です。
チェックポイント
- 相続税対策目的で賃貸不動産を購入している
- 取得から5年以内の物件を保有している
- 2027年以降に相続が発生する可能性がある
- 富裕層向け節税スキームを活用している
- タワーマンション・一棟アパートを保有している
この条件に当てはまる方は、税理士や不動産専門家への早めの相談をおすすめします。
収益不動産の売却税率|長期譲渡所得は約20%
次に、収益不動産売却時の税金について解説します。
収益マンションやアパートを5年以上保有して売却した場合、長期譲渡所得として以下の税率が適用されます。
| 税目 | 税率 |
|---|---|
| 所得税 | 15% |
| 住民税 | 5% |
| 復興特別所得税 | 0.315% |
合計すると、
約20.315%
となります。
一般的には「約20%」と覚えておけば問題ありません。
2027年から“超高額売却”に追加課税の可能性
ここが非常に重要です。
2027年度以降、所得税の「ミニマム課税」が強化される予定です。
なぜ改正されるのか?
不動産売却益は、利益がいくら大きくても税率が一定です。
そのため、
- 年収数億円の富裕層
- 大型不動産オーナー
ほど、実質税率が低くなるという問題が指摘されていました。
これを是正するため、超高額所得に対する追加課税が強化されます。
2027年以降の改正内容
改正前
- 特別控除:3.3億円
- 税率:22.5%
改正後(2027年〜)
- 特別控除:1.65億円
- 税率:30%
へ変更される方向です。
実質的な分岐点は「売却益3.4億円超」
追加課税が発生する可能性が高いのは、
売却益が約3.4億円を超えるケース
とされています。
売却益による税負担の差額シミュレーション
売却益5億円の場合
2026年度中
- 税負担:約1億円
2027年以降
- 追加税負担:約2550万円増
売却益10億円の場合
- 約4700万円の追加税負担
売却益20億円の場合
- 最大約1億4000万円以上の差
「いつ売るか」で手取りが大きく変わる時代へ
これまでは、
- 「高く売れるか」
- 「買い手がいるか」
が中心でした。
しかし今後は、
「いつ売却するか」
が極めて重要になります。
特に、
- 含み益が大きい
- 昔から所有している
- 土地値が大きく上昇している
- 都市部の大型物件
を保有している方は、税制変更による影響を受ける可能性があります。
今すぐ確認すべき2つのこと
収益不動産オーナーがまず確認すべきなのは、次の2点です。
1. 現在の売却価格の概算
まずは、
- 今いくらで売れるのか
- 市場でどの程度評価されるのか
を把握することが重要です。
2. 手取り額シミュレーション
売却価格だけでは意味がありません。
重要なのは、
「最終的にいくら手元に残るのか」
です。
具体的には、
- 仲介手数料
- 譲渡税
- 法人税
- 借入残債
- 繰上返済費用
- 相続対策との兼ね合い
まで含めたシミュレーションが必要です。
一括査定サイトだけでは不十分な理由
一括査定サイトは便利ですが、
- 税負担
- 売却タイミング
- 相続対策
- 法人スキーム
- オフマーケット戦略
までは対応していないケースが多いです。
特に、
- 一棟マンション
- 収益ビル
- 大型アパート
- 法人所有不動産
は、価格だけでなく「出口戦略」まで含めて考える必要があります。
まとめ|2026〜2027年は収益不動産市場の転換点
今回の税制改正によって、収益不動産オーナーを取り巻く環境は大きく変わります。
重要ポイントまとめ
相続税対策
- 2027年以降、賃貸不動産を使った節税効果が縮小する可能性
売却税制
- 売却益3.4億円超で追加課税リスク
- 2026年中と2027年以降で税負担が数千万円変わる可能性
今やるべきこと
- 現在の売却価格を把握
- 手取りシミュレーションを確認
- 税理士・不動産専門家へ相談
収益不動産の売却・相続対策のご相談について
「まだ売ると決めていない」
「まずは概算だけ知りたい」
という段階でも問題ありません。
物件の
- 所在地
- 規模
- 家賃収入
- 借入状況
などを整理することで、
- 売却価格の概算
- 税引後手取り
- 最適な売却タイミング
をシミュレーションできます。
将来の判断材料として、早めに数字を把握しておくことが重要です。
































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