マイホームを売って売却損(譲渡損失)が生じた場合の対処法と特例

16-11-88

マイホームを売って売却損(譲渡損失)が生じた場合の対処法と特例

 

不動産を売って必ずしも利益が出るとは限りません。売って利益がマイナスになるケースもあります。不動産を売って損した額を「売却損」と言いますが、売却損が生じた場合の対処法についてチェックしていきましょう。

 

売却損が生じた場合の対処

 
17-03-10
 
不動産を売って売却損が生じた場合、専門的には「譲渡損失」と呼ばれています。結論を言うと、譲渡損失になったときは税金が戻る制度を利用できます。

 

ただし今回は、居住用の不動産を売却した人が売却損を被った場合の対処法です。それでは、例を確認していきましょう。

 

<例:会社員のSさんが1997年に7,000万円で購入したマンションを、2016年に4,000万円で売却して生じた売却損について>

 

この物件の減価償却は400万円、売却で発生した仲介手数料などの譲渡費用は126万円と仮定。そして、ポイントになる所得(年収)が次の通り。

 

2016年の所得 800万円

2017年の所得 850万円

2018年の所得 900万円

 

1年目に返ってくる税金

Sさんの例では、譲渡損失が2,726万円。

4,000万円-(7,000万円-400万円)-126万円=2,726万円の売却損

800万円-2,726万円=所得上の損失は1,926万円

 

会計上は所得がゼロになるので、所得税は発生せず、納めた源泉徴収税が全額返金されます。

ちなみに、Sさんの場合の源泉徴収税額は大よそ65万円。

 

2年目に返ってくる税金

 

850万円-1,926万円=所得上の損失は1,076万円

 

2016年と同様に会計上は所得がゼロになるので所得税は発生せず、納めた源泉徴収税が全額返金されます。ちなみに、Sさんの場合の源泉徴収税額は大よそ70万円。

 

3年目に返ってくる税金

 

900万円-1,076万円=所得上の損失は176万円

 

2017年と同様に会計上は所得がゼロになるので所得税は発生せず、納めた源泉徴収税が全額返金されます。ちなみに、Sさんの場合の源泉徴収税額は大よそ80万円。

 

このように、不動産を売って売却損が生じた場合、源泉徴収税額が還付される特例を受けることができます。最長で4年間の繰り越し控除が可能で、Sさんの例では3年間で合計215万円の税金が戻ってきていますよね。

 

この制度を、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と言います。
 

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相続した不動産を売却するときに知っておくべき全知識と売却までの流れ

 

特例を受けるための条件

 
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<条件1 特定の居住用の財産であること>

 

特例の適用対象となる「譲渡資産」とは、個人が有する家屋又は土地等(土地又は土地の上に存する権利をいいます。以下同じ。)で譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもののうち次に掲げるものです。

 

(1) 譲渡する個人が居住の用に供している家屋で国内にあるもの

居住の用に供している家屋を二以上有する場合には、主として居住の用に供している一の家屋に限ります。

また、譲渡する家屋のうちに居住の用以外の用に供している部分がある場合には、居住の用に供している部分に限ります。

(2) (1)の家屋でその個人の居住の用に供されなくなったもの

その個人の居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるものに限ります。

(3) (1)又は(2)の家屋及びその家屋の敷地の用に供されている土地等

(注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の三つの要件すべてに当てはまることが必要です。

イ その敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えるものであること。

ロ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

ハ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

(4) 譲渡する個人の(1)の家屋が災害により滅失した場合において、その個人がその家屋を引き続き所有していたならば、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えることとなるその家屋の敷地の用に供されていた土地等

その災害があった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるものに限ります。

 

つまり特定の居住用の財産とは、1月1日を時点にし、購入から6年を迎えるマイホーム。たとえば、2016年の8月に購入したマイホームは、2017年の1月1日から数えて6年目の2023年1月1日が6年目。

 

引用:譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(国税庁)

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3392.htm

 

<条件2 譲渡損失が生じていること>

 

マイホームを売って売却損が生じていれば条件(2)はクリア。売却損の算出は、次の計算式で求められます。

 

・「売却した金額」-「購入した金額」-「売却にかかった費用」=利益または売却損

 

  • 購入した金額(取得費用)に該当するもの

・購入代金(建築費用)

・仲介手数料

・契約書の印紙代

・登録免許税

・司法書士への報酬

・不動産の取得税

・住宅ローンの手数料や利息

・購入時に支払った固定資産税の精算金

・取り壊し費用

・リフォーム(改築)費用

・造成費 など

 

※1建物の取得費に関する計算方法

「購入代金」-「減価償却費」=建物の取得費

 

※2減価償却費の計算方法

「購入代金」×「0.9」×「償却率」×「建物の経過年数」=減価償却費

(売却率は国税庁のホームページを参照)

 

参考:建物の取得費の計算(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3261.htm

 

  • 売却にかかった費用(譲渡費用)に該当するもの

・不動産会社に支払った仲介手数料

・売買契約書に貼付した収入印紙代

・借家人を立ち退かせるための立退料(賃貸物件の場合)

・土地売却に関して生じた建物の取り壊し費用

・売買契約書に基づき生じた違約金や損害賠償

・借地権の売却に伴い生じた地主に対する名義書換料の支払い など

 

<条件3 確定申告が必要>

 

条件1と2をクリアしても、最終的に確定申告を行わないと特例は受けられません。売っても利益が出なかったから確定申告しなくていい、と思っている人もいますが売却損が生じたときでも確定申告は必要です。

 

この特例のほかにも、「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」や「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたときの特例」など、国税庁のホームページで確認することができます。

 

参考:マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3370.htm

参考:住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたときの特例

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3390.htm

参考:そのほかの特例(国税庁のホームページ)

http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/jouto305.htm

会計や税金に関することは専門的な知識が多く、はじめて手続きする人は戸惑っても仕方ありません。売却損が発生した場合は、税理士や会計士、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談してみるのもいいかもしれませんね。
 

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